不動産・投資・建築・ビジネス用語集

不動産や不動産投資の本・記事・物件資料に出てくる言葉を、初心者の方向けにまとめました。

下の検索ボックスに言葉を入れると、その場で絞り込めます。あいうえお順やカテゴリからも探せます。用語をタップすると説明が開きます。

法律や税金の内容は2026年10月時点の一般的なもので、個別のご事情については、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談下さい。

大家のプーさん

不動産の言葉は、最初のうちはどれも似て見えて、つまずきやすいと思います。気になった言葉から、気軽に開いてみて下さい。分からないところが出てきたら、関連語をたどっていくと、少しずつつながってくると思います。

352語中 352語を表示

あいうえお順で絞り込む

カテゴリへジャンプ

Contents

物件・土地建物

一棟(一棟アパート・一棟マンション) いっとう

ひとことで言うとアパートやマンションを、建物まるごとと、その土地ごと持つ形のことです。

区分所有と違って、建物の修繕や管理の方針を自分で決められます。土地も一緒に持つので、建物が古くなっても土地の価値は残りやすいと言われています。ただ、金額が大きくなりやすく、融資を使うのがほとんどです。

例8室のアパートで家賃が月5万円なら、満室で年間480万円になります。価格が6,000万円なら、表面利回りは 480÷6,000=8%です。

気をつけたい点外壁や屋根の修繕も、費用は自分で用意することになります。家賃収入のうち将来の修繕に回す分は、最初から別に取り分けて考えておく必要があります。

関連語区分所有、大規模修繕、融資、構造

既存不適格 きぞんふてきかく

ひとことで言うと建てた当時は法律に合っていたけれど、その後ルールが変わって、今の基準には合わなくなった建物のことです。

建てたあとに法律や都市計画が変わったために、今の基準に合わなくなったものです。建てた当時から基準に違反していた違法建築とは、ここが違います。そのまま使い続けることはできますが、建て替えるときは今の基準に合わせる必要があり、同じ大きさでは建てられないことがあります。

例建てたあとに容積率の指定が変わり、今の基準では延床面積が大きすぎることになったマンションなどが、これにあたります。

気をつけたい点大きな増築や用途の変更をするときにも、今の基準への対応を求められることがあります。融資の評価も銀行によって変わることがあるので、借入れを使うなら、事前に銀行の見方を聞いておくのが先です。

関連語建ぺい率、容積率、旧耐震・新耐震、担保評価

旧耐震・新耐震 きゅうたいしん・しんたいしん

ひとことで言うと建物が、地震に対するどの時代の基準で建てられたかを分ける言い方のことです。

1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物を「新耐震」、それより前を「旧耐震」と呼びます。ここがポイントで、分かれ目は建物が完成した日ではなく、建築確認を受けた日です。旧耐震の建物は、融資が付きにくかったり、売るときに買う人が限られたりすることがあると言われています。

例1982年3月に完成した建物でも、建築確認が1981年4月なら、旧耐震の基準で建てられていることになります。

気をつけたい点完成の年だけを見て判断すると、間違えやすいところです。確認済証や建築計画概要書などで、建築確認の日付まで確かめて下さい。

関連語築年数、構造、担保評価、既存不適格

区分所有(区分マンション) くぶんしょゆう

ひとことで言うとマンションなどの建物のうち、1部屋ずつを自分のものとして持つ形のことです。

建物全体ではなく部屋(専有部分)を持ち、廊下や外壁などの共用部分と敷地は、ほかの持ち主と共有します。そのため毎月の管理費・修繕積立金がかかり、建物の大きな方針は管理組合で決まります。そのかわり、一棟より少ない金額から始めやすいのが特徴です。

例価格800万円のワンルームで家賃が月6万円(年間72万円)なら、表面利回りは 72÷800=9%です。ただ、ここから管理費・修繕積立金が毎月出ていきます。

気をつけたい点建物の修繕や管理のルールは、自分ひとりでは決められません。修繕積立金がどのくらい貯まっているか、総会の議事録に何が書かれているかは、買う前に見ておいて下さい。

関連語一棟、管理費・修繕積立金、管理組合・総会、専有面積

建ぺい率 けんぺいりつ

ひとことで言うと土地の広さに対して、建物を真上から見た面積がどのくらいまで許されるかの割合のことです。

建物を建てられる広さの上限で、用途地域ごとに都市計画で決められています。角地などでは緩和されることもあります。物件概要書には「建ぺい率60%」のように書かれていて、容積率とセットで見る数字です。

例土地100㎡で建ぺい率60%なら、建築面積(建物を真上から見た面積)は 100×60%=60㎡までになります。

気をつけたい点今建っている建物が、建ぺい率をこえていることもあります。こえていると、融資の評価が下がったり、建て替えのときに同じ大きさで建てられなかったりすることがあります。知らずに買って後から気づく、ということだけは避けて下さい。

関連語容積率、用途地域、既存不適格

公図・地目 こうず・ちもく

ひとことで言うと土地の形や並び方を示した法務局の図面と、その土地が何に使われているかの区分のことです。

公図は、土地の位置や隣との境目のおおよその形が分かる図面です。ただ、明治時代の図面をもとにしたものもあり、精度にはかなり差があります。地目は登記簿に書かれる土地の種類で、「宅地」「田」「畑」「山林」などがあります。

例家が建っている土地でも、登記の地目が「畑」のままになっていることがあります。田や畑は農地なので、宅地にするには農地法の手続き(農地転用)が要ることがあります。

気をつけたい点公図の形と現地の形が違うこともあるので、地積測量図や現地の境界標と合わせて見て下さい。地目が農地のときは、手続きの要否を役所の農業委員会などに確認しておくのが確実です。

関連語登記、境界確定・公簿売買・実測売買、市街化区域・市街化調整区域

構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC) こうぞう

ひとことで言うと建物の骨組みが、木・鉄・コンクリートのどれでできているかのことです。

構造によって、税金の計算で使う法定耐用年数が違います。住宅用では、木造22年、軽量鉄骨19年または27年(骨組みの鉄の厚さによる)、重量鉄骨34年、RC(鉄筋コンクリート)47年です。耐用年数が長いほど、融資の期間を長めに組める銀行が多いと言われています。

例同じ築20年でも、木造なら法定耐用年数をもう過ぎていて、RCならまだ27年残っている、という違いになります。

気をつけたい点RCは長く使える反面、固定資産税や大規模修繕の費用が大きくなりやすいと言われています。耐用年数の長さだけで選ばず、持っている間に出ていくお金も並べて比べて頂きたい、ということです。

関連語法定耐用年数、融資期間、大規模修繕、減価償却

戸建て(戸建て賃貸) こだて

ひとことで言うと一戸建ての家を買って、人に貸す形の不動産投資のことです。

ファミリー世帯が住むことが多く、一度入居すると長く住んでもらえる傾向があると言われています。土地が付いているので、建物が古くても土地の価値が残りやすく、住む人向け(実需)にも売れるのが特徴です。ただ、1戸しかないぶん、空室になると家賃収入がゼロになります。ここはアパートと違うところです。

例価格600万円の戸建てを月6万円(年間72万円)で貸せば、表面利回りは 72÷600=12%になります。

気をつけたい点古い戸建ては、雨漏りや給排水管などの修繕が、思ったより大きくなることがあります。買う前に建物の状態を見てもらい、直す費用を見込んだうえで、価格が見合うかを判断することになります。

関連語収益物件・実需、築年数、建物状況調査、出口戦略

再建築不可 さいけんちくふか

ひとことで言うと今ある建物を壊すと、同じ土地に新しい建物を建てられない物件のことです。

主な理由は、接道義務を満たしていないことです。建て替えられないぶん、価格はかなり安くなる傾向があります。そのかわり融資が付きにくく、売るときも買う人が限られるので、出口が難しいと言われています。

例道路に接している部分が1.5mしかない土地の古い家が、再建築不可として相場より安く売られていることがあります。

気をつけたい点建て替えはできなくても、リフォームでどこまで手を入れられるかは条件によって違います。隣地を買い足して接道を満たせる場合もあります。安さだけで決めず、詳しい宅建業者や役所に確認して頂きたいところです。

関連語接道義務、旗竿地、出口戦略、担保評価

市街化区域・市街化調整区域 しがいかくいき・しがいかちょうせいくいき

ひとことで言うと街づくりのために、建物を建ててよい場所と、原則として建ててはいけない場所を分けた区分のことです。

市街化区域は、すでに街になっている、またはこれから街にしていく場所です。市街化調整区域は街が広がるのを抑える場所で、原則として新しく建物を建てることはできません。調整区域の物件は価格が安いことが多いものの、融資が付きにくく、売るときも買う人が限られやすいと言われています。

例調整区域でも、昔から建っている家や、許可を受けて建てた家はあります。ただ、建て替えるときに、改めて許可が要ることがあります。

気をつけたい点建て替えや用途の変更ができるかどうかは、場所や経緯によって違います。調整区域の物件を考えるときは、役所の窓口や詳しい宅建業者に建て替えの可否を確認してから進める、という順番を守って下さい。

関連語用途地域、再建築不可、担保評価

私道(私道負担) しどう

ひとことで言うと国や自治体ではなく、個人や会社が持っている道のことです。

物件の前の道が私道で、その一部を自分も持つことを「私道負担」と呼びます。私道でも、役所から道路として指定を受けた「位置指定道路」などであれば、建物は建てられます。ただ、水道管やガス管の工事で道を掘るときに、道の持ち主の承諾が要ることがあります。

例道の持ち主が何人もいる私道で、ガス管を引き込むために道を掘る場合、全員から通行・掘削の承諾をもらっておけば、あとの話が進めやすくなります。

気をつけたい点承諾書があるかどうか、なければ売主の側で用意してもらえるかどうかは、契約の前に確認して下さい。私道の持ち分があるかないかでも、使い勝手や売りやすさが変わることがあります。

関連語接道義務、セットバック、特約、重要事項説明

借地権・底地 しゃくちけん・そこち

ひとことで言うと他人の土地を借りて建物を建てる権利と、その権利が付いた土地のほうのことです。

借地権の物件は、建物は自分のものでも土地は地主さんのものなので、毎月か毎年、地代を払います。建物を売ったり建て替えたりするときは地主さんの承諾が必要で、承諾料がかかることが多いです。底地は、借地権が付いている土地の所有権のことで、地主さんの側から見た言い方です。

例同じ広さの土地付きの家と比べると、借地権の家は価格が安く出ていることがよくあります。そのかわり、地代が毎月1万円かかる、というような形になります。

気をつけたい点契約の期間、地代、承諾料の取り決めは、借地ごとにかなり違います。融資が付きにくいこともあるので、契約書を読み込んだうえで、弁護士や詳しい宅建業者に確認しておくのが確実かと思います。

関連語借地借家法、登記、担保評価

接道義務 せつどうぎむ

ひとことで言うと建物を建てる土地は、決まった幅以上の道路に、決まった長さ以上接していなければならないというルールのことです。

建築基準法で、原則として幅4m以上の「建築基準法上の道路」に、2m以上接していることが求められています。火事や急病のときに、消防車や救急車が入れるようにするためです。やっかいなのは、見た目は道でも、建築基準法上の道路ではない場合があることです。

例土地と道路の接している部分が1.8mしかなければ、原則として新しい建物は建てられません。20cm足りないだけで、そうなります。

気をつけたい点前の道が建築基準法上の道路かどうかは、役所の建築指導課などで確かめられます。重要事項説明書にも書かれる項目なので、分からないところはそのままにせず、質問して下さい。

関連語再建築不可、セットバック、私道、旗竿地

セットバック(2項道路) せっとばっく

ひとことで言うと幅の狭い道路に面した土地で、建て替えるときに敷地の一部を道路として下げることです。

幅4m未満でも、昔から使われていて道路とみなされている道を「2項道路」といいます。この道に面した土地では、原則として道路の中心線から2mの位置まで敷地を下げる必要があります。下げた部分は道路として扱われるので、建ぺい率・容積率の計算に使う敷地面積には入りません。

例幅3mの2項道路なら、中心線から2mまで下げるので、片側0.5m下がることになります。間口10mの土地だと、10×0.5=5㎡ほど、使える敷地が減ります。

気をつけたい点向かい側が川や崖のときは、片側だけで4mを確保するために、もっと下がることがあります。物件概要書の土地面積に下がる部分が含まれているかどうかは、見落としやすいところです。念のため確かめておくと、後で慌てずに済みます。

関連語接道義務、建ぺい率、容積率、私道

専有面積・壁芯・内法 せんゆうめんせき・へきしん・うちのり

ひとことで言うとマンションの部屋の広さと、その広さをどこから測るかの2つの測り方のことです。

専有面積は、区分マンションで自分のものになる部屋の広さです。測り方は2つあり、壁芯(へきしん)は壁の厚みの真ん中から、内法(うちのり)は壁の内側から測ります。広告やパンフレットは壁芯、区分マンションの登記は内法で書かれるのが一般的なので、登記の面積のほうが小さくなります。

例広告で25㎡のワンルームが、登記簿では23㎡前後になっている、ということはよくあります。

気をつけたい点税金の特例や融資の条件で「○㎡以上」と決まっているときは、登記の面積で判断されることが多いようです。広告の数字が条件ぎりぎりのときほど、登記簿の面積を先に確かめておくのが無難です。

関連語区分所有、登記、延床面積

築年数 ちくねんすう

ひとことで言うと建物が建ってから何年たっているかを表す数字のことです。

新築された年月日は、登記簿の建物の欄(表題部)に書いてあるので、そこで確かめられます。融資を何年で組めるか、減価償却を何年でするかの計算にもつながるので、価格や利回りと並んで最初に見る数字のひとつです。古いほど価格は下がりやすく、そのぶん修繕の手間は増えやすくなります。

例2026年に、2001年に新築された木造アパートを見るなら、築25年です。木造の法定耐用年数22年は、もう過ぎているということになります。

気をつけたい点古い建物では、そもそも登記されていなかったり、増築部分が登記に反映されていなかったりすることがあります。広告の築年数と登記の内容が合っているかどうかは、一度照らし合わせておきたいところです。

関連語登記、法定耐用年数、融資期間、旧耐震・新耐震

登記(登記簿謄本・登記事項証明書) とうき

ひとことで言うと土地や建物の場所・広さや、だれが持っているかを、国の帳簿に記録したもののことです。

登記の内容を書面にしたものが登記事項証明書で、昔の呼び方で登記簿謄本ともいいます。表題部には所在・広さ・構造など、甲区には持ち主の移り変わり、乙区には抵当権などの権利が書かれています。法務局の窓口やオンラインで、手数料を払えばだれでも取れます。

例物件を検討するときに乙区を見ると、売主がいくらの借入れで抵当権を設定しているかが分かります。価格交渉の背景を考える手がかりになることもあります。

気をつけたい点登記の内容と、実際の建物や持ち主が一致していないこともあります。気になる点があれば、仲介会社や司法書士に確認するのが近道です。

関連語所有権移転登記・司法書士、抵当権・根抵当権、公図・地目、築年数

延床面積 のべゆかめんせき

ひとことで言うと建物の各階の床面積を、全部足した広さのことです。

一棟の物件や戸建ての広さを表すときに使います。容積率は、この延床面積が土地の広さに対してどのくらいかを見る数字です。ただ、容積率の計算では、車庫や地下室などの一部を延床面積から除けることがあるので、2つの数字が一致しないこともあります。

例1階60㎡、2階50㎡の木造アパートなら、延床面積は 60+50=110㎡になります。

気をつけたい点登記簿の床面積と、建築確認のときの図面の面積が違うことがあります。違いが大きいときは、増築が登記に反映されていない可能性もあります。数字が合わない理由は、契約の前にはっきりさせておくべきところです。

関連語容積率、専有面積・壁芯・内法、登記

旗竿地・擁壁・越境 はたざおち・ようへき・えっきょう

ひとことで言うと現地で見落としやすい、土地の形・高低差・境目に関わる3つの言葉のことです。

旗竿地は、細い通路の先に広い敷地がある、旗のような形の土地です。擁壁は、高低差のある土地で土が崩れないように支える壁を指します。越境は、屋根・塀・木の枝などが、お隣との境目をこえて出ていることをいいます。

例お隣のブロック塀がこちらの敷地に10cm入っているときは、「将来建て替えるときに直します」という内容を覚書にして、売主・買主・お隣で取り交わしておくことがよくあります。

気をつけたい点旗竿地は、通路の幅が足りないと建て替えができないことがあります。古い擁壁は、作り直すとなると費用がかなり大きくなることもあります。どちらも図面や書類だけでは分かりにくいので、現地で自分の目で見ておきたいところです。

関連語接道義務、再建築不可、境界確定・公簿売買・実測売買、特約

間取り(1R・1K・1DK・1LDK) まどり

ひとことで言うと部屋の数と、台所や食事をする場所の形を、数字と記号で表したもののことです。

数字は居室の数、Rはルーム、Kはキッチン、Dはダイニング、Lはリビングです。1Rは台所と居室が仕切られていない形、1Kは仕切られている形を指します。DKやLDKの広さの目安は業界団体が示していて、居室が1つなら、DKは4.5畳以上、LDKは8畳以上とされています。

例居室が2つの場合は、DKは6畳以上、LDKは10畳以上が目安とされています。2LDKと書いてあるのにLDKが狭く感じるときは、この目安と比べてみて下さい。

気をつけたい点同じ1LDKでも、広さや使い勝手はかなり違います。間取りの記号が表しているのは、部屋の数と形だけです。㎡の数字と図面は、必ず一緒に見て下さい。

関連語専有面積・壁芯・内法、募集図面・内見、物件概要書

容積率 ようせきりつ

ひとことで言うと土地の広さに対して、建物の床面積の合計がどのくらいまで許されるかの割合のことです。

建物の「ボリューム」の上限で、用途地域ごとに決められています(指定容積率)。ただし、前面道路の幅が12m未満のときは、道路の幅に決まった数字(住居系の地域では原則0.4)を掛けた割合と比べて、小さいほうが上限になります。

例土地100㎡、指定容積率200%でも、前面道路が4mの住居系の地域なら、上限は 4×0.4=160% です。延床面積は160㎡までということになります。

気をつけたい点今の建物が容積率をこえている物件は、融資が付きにくいことがあります。数字の読み方が少しややこしいので、気になるときは、仲介会社や役所の窓口に聞いてしまうほうが確実です。

関連語建ぺい率、延床面積、用途地域、既存不適格

用途地域 ようとちいき

ひとことで言うとその場所にどんな建物を建ててよいかを、地域ごとに決めたルールのことです。

都市計画で決められていて、全部で13種類あります。大きく分けると、住まいのための住居系、お店やオフィスのための商業系、工場のための工業系の3つです。用途地域が変われば、建ぺい率・容積率や高さの制限も変わります。

例静かな住宅街の「第一種低層住居専用地域」では、高い建物や大きなお店は建てにくくなっています。逆に、駅前の「商業地域」では、容積率が大きく決められていることが多いです。

気をつけたい点用途地域は、市区町村のホームページの都市計画図で調べられることが多いです。その物件だけでなく、まわりにどんな建物が建つ可能性があるかも、買う前に見ておくことをおすすめします。

関連語建ぺい率、容積率、市街化区域・市街化調整区域

契約・法律

瑕疵・告知事項(心理的瑕疵) かし・こくちじこう

ひとことで言うと物件の欠点のことを瑕疵といい、買主や借主に伝えておくべき事情を告知事項といいます。

雨漏りやシロアリのような建物の欠点だけでなく、過去に室内で人が亡くなったなど、気持ちのうえで住みにくさにつながる事情を「心理的瑕疵」と呼ぶことがあります。国土交通省は2021年10月に、人の死の告知についてのガイドラインを出しました。それでも、どこまで伝える必要があるかは、事案ごとの事情によって変わります。

例物件資料の備考欄に「告知事項あり」とあって、価格が相場より安い。たとえばそういう物件で出てくる言葉です。

気をつけたい点「告知事項あり」の一言だけで、中身が書かれていないこともあります。内容は仲介会社に聞き、書面でも確認しておけば、あとで食い違いが起きにくくなります。自分が売る側・貸す側になったときに何を伝えるべきかは迷いやすいので、宅建業者や弁護士に相談して決めるのがよいかと思います。

関連語契約不適合責任、重要事項説明、物件概要書

境界確定・公簿売買・実測売買 きょうかいかくてい・こうぼばいばい・じっそくばいばい

ひとことで言うと土地の境目をはっきりさせることと、登記の面積で売るか、測った面積で売るかの違いのことです。

登記簿の面積は昔の測り方のままで、実際の広さと違うことがあります。登記の面積で価格を決めるのが公簿売買、測量した面積で価格を決めて差が出たら精算するのが実測売買です。境界確定は、隣の土地の持ち主や、道路を管理する役所の立ち会いのもとで境界を決め、書面に残す手続きを指します。

例たとえば1㎡あたり20万円で、登記は100㎡、測ったら98㎡だった場合、実測売買なら2㎡分の40万円を代金から差し引いて精算します。

気をつけたい点測量の費用をどちらが負担するかは、契約で決めます。境界確定は隣の方の協力があってはじめて進む手続きで、時間がかかったり、数十万円以上の費用がかかったりすることもあるようです。

関連語登記、公図・地目、旗竿地・擁壁・越境、売買契約書

クーリングオフ(宅建業法) くーりんぐおふ

ひとことで言うと一定の条件のもとで、買主が申込みの撤回や契約の解除を、理由なくできる仕組みのことです。

宅建業法のクーリングオフは、宅建業者が売主で、買主が宅建業者でない場合に使える仕組みです。対象になるのは事務所などではない場所で申込みや契約をしたときで、そのことを書面で告げられた日から8日間は、書面で撤回や解除ができます。

例宅建業者が売主の区分マンションを、勧誘を受けた喫茶店で申し込んだ。たとえばこういう場面で関係してきます。

気をつけたい点買主が自分から自宅や勤務先での説明を申し出た場合、引渡しを受けて代金を全部払った場合、個人の売主から仲介で買う場合などは、対象外です。条件が細かいので、迷ったら早めに専門家にご相談下さい。2026年10月時点の内容です。

関連語宅地建物取引業、手付金・手付解除、売買契約書

契約不適合責任 けいやくふてきごうせきにん

ひとことで言うと引き渡された物件が契約の内容と違っていたときに、売主が負う責任のことです。

2020年4月の民法改正で、それまでの「瑕疵担保責任」に代わって使われるようになった言葉です。雨漏りや設備の故障など、契約で約束した状態と違う点があれば、買主は修理や代金の減額、損害賠償、解除などを求められる場合があります。民法では、買主は不適合を知った時から1年以内に、売主へ通知することになっています。

例契約書に「雨漏りなし」とあったのに、引渡しのあとで雨漏りが見つかった。たとえばこういう場面で問題になります。

気をつけたい点個人どうしの売買では、「責任を負わない」「引渡しから3か月まで」といった特約で、範囲を狭めることがよくあります。宅建業者が売主のときに認められるのは、通知の期間を引渡しから2年以上とする特約です。2026年10月時点の内容ですので、実際の契約では専門家にご確認下さい。

関連語瑕疵・告知事項、現況有姿、特約、売買契約書

決済(残代金決済) けっさい

ひとことで言うと売買代金の残りを支払い、同じ日に物件の引渡しと登記の手続きをすることです。

決済の日には、買主が残代金を支払い、売主は鍵や書類を渡し、司法書士が所有権移転登記の書類を確認します。固定資産税や家賃などの精算も、この日にまとめて行うことが多いです。融資を使う場合は、お金の動きがそろう銀行の店舗に、関係者が集まるのが一般的です。

例たとえば価格3,000万円で手付金150万円を払っていれば、決済の日に支払うのは、残りの2,850万円と諸費用です。

気をつけたい点決済は平日の午前中に行われることが多く、本人確認書類や印鑑などの持ち物も決まっています。オーナーチェンジの物件なら、敷金や家賃の精算額を、事前に精算書で確かめておくことをおすすめします。当日になって数字が合わないと、その場で慌てることになります。

関連語所有権移転登記・司法書士、金銭消費貸借契約、固定資産税等の精算、手付金・手付解除

現況有姿 げんきょうゆうし

ひとことで言うと物件を、今あるままの状態で引き渡すという約束のことです。

売主が修理やリフォームをせず、契約の時点の状態で引き渡すという意味で、契約書や物件資料によく出てきます。古い建物や、使っていなかった空き家の取引で見かけることが多い言葉です。ただ、「今のままで渡す」ことと、「不具合があっても売主は責任を負わない」ことは、本来は別の話です。

例たとえば「本物件は現況有姿にて引き渡す」と書かれた古家付きの土地で、残っている設備をそのまま引き継ぐ。そういう場面で出てきます。

気をつけたい点現況有姿と書いてあるだけでは、契約不適合責任がなくなるとは限らないとされています。責任を負わない(免責)のかどうかは、別の条文や特約の書き方で決まりますので、そこまで読んで確かめて下さい。

関連語契約不適合責任、特約、残置物

借地借家法 しゃくちしゃっかほう

ひとことで言うと土地や建物を借りる人を守るために、貸し借りのルールを定めた法律のことです。

民法だけでは貸主と借主の力の差が大きくなりやすいため、借主に有利な決まりがこの法律に置かれています。建物の賃貸借で貸主から更新を断るには正当事由が必要なことや、借主に不利な特約は無効になる場合があることなどが、その例です。大家さんにとっては、「契約書に書けば何でも通るわけではない」と知っておくための法律だと考えています。

例たとえば「貸主はいつでも1か月前の予告で解約できる」という特約を入れても、借主に不利なため、そのとおりには効かない可能性があります。

気をつけたい点借地(土地を借りる)と借家(建物を借りる)では、決まりが違います。古い借地の契約には、改正前の法律が適用されることもあります。個別の判断は、弁護士にご相談下さい。

関連語普通借家契約、定期借家契約、借地権・底地

重要事項説明(重説) じゅうようじこうせつめい

ひとことで言うと契約の前に、物件や取引の条件について、宅建士から説明を受けることです。

登記の内容、法令上の制限、道路との関係、代金以外にかかるお金、契約の解除の条件などが書かれた「重要事項説明書」をもとに説明されます。量が多く専門用語も多いので、当日はじめて読むと、どうしても聞き流してしまいがちです。できれば事前に書面をもらって読んでおき、分からないところは遠慮なく質問して下さい。

例「再建築不可」「セットバックが必要」「私道の持分なし」。たとえばこうした、価格に影響する事情が書かれているのがこの書面です。

気をつけたい点説明を受けて受領の署名をしたあとで、「聞いていなかった」とは言いにくくなります。オンラインでの説明(IT重説)もできるようになりましたが、書面をじっくり読んでおくことに変わりはありません。

関連語宅地建物取引士、売買契約書、再建築不可、セットバック

所有権移転登記・司法書士 しょゆうけんいてんとうき・しほうしょし

ひとことで言うと不動産の持ち主が変わったことを登記簿に記録する手続きと、それを代わりに行う専門家のことです。

代金を払っても、登記をしないと、ほかの人に対して「自分の物件だ」と主張しにくくなります。だからこそ決済の日に、司法書士が売主・買主の本人確認や書類の確認をして、その日のうちに法務局へ申請するのが通例になっています。登記には登録免許税がかかり、司法書士の報酬と合わせて、諸費用の一部になります。

例決済からしばらくすると、司法書士から、登記が終わったことを示す書類(登記識別情報など)が届きます。

気をつけたい点司法書士は、買主側や銀行側が指定することが多いです。報酬は事務所によって差がありますので、見積もりは事前にもらっておきましょう。税額や手続きは2026年10月時点の一般的な内容ですので、詳しくは司法書士にご確認下さい。

関連語登記、登録免許税、決済、抵当権・根抵当権

宅地建物取引業(宅建業・宅建業者) たくちたてものとりひきぎょう

ひとことで言うと土地や建物の売買・交換や、その仲介・代理を、仕事としてくり返し行うことです。

宅建業を営むには、都道府県知事か国土交通大臣の免許が必要で、免許を受けた会社や個人を宅建業者と呼びます。逆に、自分が持っている部屋を自分で貸すだけなら宅建業にはあたらず、免許はいりません。大家さんが気にしておきたいのは自分の物件を何度も売る場合で、くり返し売ると宅建業にあたると判断されることがあります。

例たとえば、物件概要書の「免許番号」の欄に「○○県知事(3)第○○号」とあれば、その会社は宅建業者です。かっこの中の数字は、免許を更新するごとに増えていきます。

気をつけたい点「自分で貸す」のと「くり返し売る」のとでは、扱いが違います。短い期間に複数の物件を次々と売るようなときは、宅建業にあたらないかを、事前に専門家や役所に確かめておくのが無難です。

関連語宅地建物取引士、仲介・取引態様、クーリングオフ、買取

宅地建物取引士(宅建士) たくちたてものとりひきし

ひとことで言うと不動産の取引で、契約の前に大事な説明をする役割を持つ、国家資格を持った人のことです。

重要事項説明は、宅建士が宅建士証を見せたうえで行い、説明書には宅建士が記名します。売買契約書など、契約のときに渡す書面にも宅建士の記名が要ります。宅建業者の事務所には、決まった割合で宅建士を置くことになっています。

例たとえば売買の契約の前に、担当の宅建士から「宅地建物取引士証」を示されて、重要事項説明が始まります。この言葉が出てくるのは、そういう場面です。

気をつけたい点営業の担当者が宅建士とは限りません。説明を受けるときは、誰が宅建士として説明しているのかを確かめておくと、あとで質問するときに、誰に聞けばよいか迷わずにすみます。

関連語宅地建物取引業、重要事項説明、売買契約書

賃貸人の地位の承継 ちんたいにんのちいのしょうけい

ひとことで言うと入居者がいる物件を買ったときに、貸主としての立場が、前の持ち主から新しい持ち主に引き継がれることです。

入居者が住み続けている物件を買うと、原則として、今の賃貸借契約はそのままの条件で新しいオーナーに引き継がれます。家賃を受け取る権利と一緒に、敷金を返す義務も引き継ぐのが原則です。入居者に家賃を請求するには、所有権移転の登記をしておくことが必要とされています。

例たとえば敷金16万円を預けている入居者がいる物件を買えば、退去のときに16万円を返すのは新しいオーナーです。そのため決済の日に、売主から敷金に当たる金額を精算してもらうのが一般的です。

気をつけたい点前のオーナーと入居者のあいだの口約束など、契約書にない取り決めが見つかることもあります。買う前にレントロールと契約書の写しを見せてもらい、入居者へのお知らせ(賃貸人変更のお知らせなど)も用意しておけば、引継ぎで慌てずにすみます。

関連語オーナーチェンジ、敷金、レントロール、決済

定期借家契約 ていきしゃくやけいやく

ひとことで言うと決めた期間が終わると、更新されずに終わる賃貸借契約のことです。

期間が来れば契約は終わり、続けたいときは、貸主と借主が合意してあらためて契約(再契約)を結びます。成立させるには、書面で契約すること(2022年5月からは電磁的方法も可)と、契約の前に「更新がなく、期間の満了で終わる」ことを書面で説明しておくことが必要です。この手順が欠けていると、普通借家契約として扱われるおそれがあります。

例たとえば、3年後に建て替えを予定している物件を、期間3年の定期借家で貸す、という使い方があります。期間が1年以上の場合は、満了の1年前から6か月前までに、契約が終わることを借主に通知します。

気をつけたい点普通借家より借り手が付きにくく、家賃を少し下げることもあるようです。説明の書面には細かい決まりがありますので、管理会社や専門家に確認しながら進めるのが確実です。2026年10月時点の内容です。

関連語普通借家契約、借地借家法、解約予告

抵当権・根抵当権 ていとうけん・ねていとうけん

ひとことで言うとお金を借りるときに、返せなくなったら物件を売って回収できるよう、金融機関が物件に付ける権利のことです。

抵当権は特定の借入れを担保するもので、登記簿の乙区に記録されます。根抵当権は、「極度額」という上限の枠を決めておき、その範囲で何度も借りたり返したりできる形です。どちらの場合も、物件を売るときは、借入れを返して登記を抹消してから引き渡すのが通常の流れです。

例たとえば2,000万円を借りて物件を買うと、乙区に「抵当権設定 債権額 金2,000万円」と記録されます。抵当権を設定するときの登録免許税は債権額の0.4%で、2,000万円なら8万円です。

気をつけたい点根抵当権は残高がゼロになっても枠として残るので、外すには金融機関との話し合いが要ります。売る予定が見えてきたら、金融機関と司法書士に早めに相談して下さい。税率は2026年10月時点のものです。

関連語登記、共同担保、金銭消費貸借契約、所有権移転登記

手付金・手付解除 てつけきん・てつけかいじょ

ひとことで言うと売買契約のときに買主が売主に渡すお金と、そのお金を使って契約をやめられる仕組みのことです。

手付金は、あとで代金の一部に充てられます。相手が契約の実行に取りかかる前であれば、買主は手付金をあきらめることで、売主は受け取った手付金の2倍を返すことで、理由なく契約を解除できます(これを解約手付といいます)。金額は話し合いで決まりますが、代金の5〜10%くらいが多いようです。

例3,000万円の物件で手付金150万円なら、買主から解除すれば150万円を失い、売主から解除すれば300万円を買主に支払うことになります。

気をつけたい点ローン特約で白紙解除できるのとは、別の話です。手付金の額やいつまで解除できるかは契約書に書いてありますので、契約の前に目を通しておくべきところです。宅建業者が売主のときは、手付金は代金の2割までと決まっています。

関連語売買契約書、ローン特約、決済、買付証明書

特約 とくやく

ひとことで言うと契約書の決まった条文とは別に、その取引だけのために付け加える約束のことです。

売買契約書や賃貸借契約書の多くはひな形をもとに作られていて、個別の事情は最後の「特約」や「特記事項」に書かれます。契約不適合責任の免責、ローン特約の期限、境界や越境の扱い、残置物の扱いなど、価格や責任に関わる大事な内容が集まりやすいのがここです。

例たとえば「買主は、本物件の北側ブロック塀が隣地に越境していることを承認する」といった一文が、特約に入っていることがあります。

気をつけたい点私は、契約書をもらったら特約から先に読むようにしています。ただ、借地借家法などで相手に不利な特約が無効とされる場合もありますので、内容に迷ったら専門家にご相談下さい。

関連語売買契約書、契約不適合責任、ローン特約、現況有姿

売買契約書 ばいばいけいやくしょ

ひとことで言うと不動産を売り買いするときの約束ごとを、まとめて書面にしたもののことです。

代金と支払いの時期、手付金、引渡しの日、ローン特約、契約不適合責任、固定資産税などの精算、解除のルールなどが書かれています。ひな形の条文は似ていても、最後の「特約」で個別の条件が足されていることがよくあります。重要事項説明と同じ日に結ぶことが多いので、案文は事前にもらって読んでおきたいところです。

例たとえば、価格3,000万円、手付金150万円、引渡し日は○月○日、融資の承認期限は○月○日、といった内容が一つの書面にまとめられています。

気をつけたい点契約書には印紙を貼ります(印紙税)。読んで分からない条文があれば、署名の前に仲介会社に確認し、必要なら弁護士など専門家にも相談して下さい。

関連語手付金・手付解除、ローン特約、契約不適合責任、特約

普通借家契約 ふつうしゃくやけいやく

ひとことで言うと期間が終わっても、原則として更新されて続いていく、一般的な賃貸借契約のことです。

住宅の賃貸借の多くはこの形で、期間は2年が多いようです。借主を守る借地借家法のもとでは、貸主から更新を断ったり解約を申し入れたりするのに「正当事由」が要るとされています。正当事由があるかどうかは、建物の使い方や古さ、立ち退き料の有無などを合わせて判断されます。

例たとえば建て替えのために出てもらいたくても、借主が同意しなければ、すぐに契約を終わらせるのは難しい。そういう場面で出てくる言葉です。貸主から解約を申し入れるときは、6か月前までに行うことになっています。

気をつけたい点一度貸すと、大家さんの都合だけでは終わらせにくい契約です。将来の売却や建て替えを考えている物件なら、定期借家契約にするかどうかを、募集の前に決めておきたいところです。立ち退きの話し合いは、弁護士に相談しながら進めて下さい。

関連語定期借家契約、借地借家法、更新料、解約予告

連帯保証人・極度額 れんたいほしょうにん・きょくどがく

ひとことで言うと借主が家賃を払えないときに代わりに払う人と、その人が負う金額の上限のことです。

連帯保証人は借主本人と同じ重さの責任を負うので、貸主は借主に請求しなくても、直接保証人に請求できます。2020年4月1日以降の契約では、個人が賃貸の連帯保証人になるとき、保証する上限額(極度額)を契約書で定めておかないと、その保証は無効になります。最近は、連帯保証人の代わりに家賃保証会社を使う契約も増えてきました。

例たとえば家賃8万円の部屋なら、「極度額 192万円(家賃の24か月分)」のように、金額をはっきり書いておきます。

気をつけたい点2020年3月以前の契約を更新したときの扱いなど、判断が分かれやすいところがあります。オーナーチェンジで買った物件なら、契約書に極度額が書かれているかを一度見ておく価値はあります。詳しくは管理会社や弁護士にご確認下さい。

関連語家賃保証会社、賃貸人の地位の承継、滞納、普通借家契約

ローン特約(融資特約) ろーんとくやく

ひとことで言うと予定していた融資が受けられなかったときに、買主が契約をなかったことにできる約束のことです。

融資を使って買う場合、契約のあとに銀行の本審査が通らないことがあります。ローン特約があれば、決められた期限までに融資の承認が得られなかったとき、手付金を返してもらい、契約を白紙に戻せます。ただ、使えるかどうかは、期限の日付や、借りる金融機関、金額、金利などの条件がどう書かれているか次第です。

例たとえば、「○月○日までに、借入額2,500万円の融資承認が得られないときは、本契約は白紙解除となる」といった書き方をします。

気をつけたい点書かれた条件と違う銀行に申し込んだり、手続きを怠ったりすると、特約が使えないことがあります。投資用の物件では、ローン特約を付けない契約もあります。付いているかどうかと期限は、契約の前に必ず確かめて下さい。

関連語手付金・手付解除、売買契約書、融資、金銭消費貸借契約

お金・融資

一物四価(実勢価格・公示地価・路線価・固定資産税評価額) いちぶつよんか

ひとことで言うと同じ土地に、目的の違う4つの値段がある、ということを表した言葉です。

実勢価格は実際に売り買いされている値段、公示地価は国が毎年公表する土地の目安の値段です。路線価は相続税や贈与税の計算に使う値段で、公示地価のおよそ8割が目安と言われます。固定資産税評価額は固定資産税などの計算に使うもので、こちらは公示地価のおよそ7割が目安です。

例公示地価が1㎡あたり100万円の場所なら、路線価はおよそ80万円、固定資産税評価額はおよそ70万円くらいになる計算です。

気をつけたい点実勢価格だけは、この目安どおりにならないことがよくあります。都道府県が出す「基準地価」を加えて「一物五価」と呼ぶこともあります。税金の計算に使う場合は、税理士などの専門家にご確認下さい。

関連語固定資産税評価額、担保評価、相続税評価、査定・相場・成約事例

借り換え かりかえ

ひとことで言うと今のローンを、別の銀行などの新しいローンで返して、借り直すことです。

金利を下げたい、返済期間を延ばして毎月の返済を軽くしたい、というときに検討します。判断の材料は、金利の差・残りの期間・残っている借入額と、借り換えにかかる費用です。先に今の銀行に相談すると、金利を見直してもらえることもあるようです。

例残り2,000万円のローンの金利が2.5%から1.5%になると、最初の1年の利息はおよそ50万円から30万円へ、約20万円減る計算になります。

気をつけたい点抵当権の登記費用、保証料、手数料、今のローンの違約金などがかかります。浮く利息より費用のほうが大きければ、借り換える意味はありません。費用は全部足してから比べて下さい。

関連語金利、繰上返済、保証料・保証会社、抵当権・根抵当権

元利均等返済・元金均等返済 がんりきんとうへんさい・がんきんきんとうへんさい

ひとことで言うとローンの返し方の2つの型で、毎月の返済額をそろえるか、毎月返す元金の額をそろえるかの違いです。

元利均等返済は、元金と利息を合わせた毎月の返済額が同じになる形です。収支が読みやすいので、不動産投資ではこちらが多いようです。ただ、最初のうちは利息の割合が大きく、元金はゆっくりしか減りません。元金均等返済は、最初の返済額が大きいかわりに元金が早く減り、払う利息の合計は少なくなります。

例3,000万円を金利2%・20年で借りると、元利均等なら毎月およそ15.2万円です。元金均等だと最初の月は元金12.5万円+利息5万円=17.5万円で、そこから少しずつ減っていきます。

気をつけたい点元利均等返済は、年がたつほど返済に占める元金の割合が増えていきます。元金の返済は経費にならないので、税金とのかね合いで手残りが減っていくことがあります。最初の数年の手残りだけで判断しないほうがよい、ということです。

関連語金利、融資期間、デッドクロス、キャッシュフロー

共同担保 きょうどうたんぽ

ひとことで言うと1つのローンの担保として、2つ以上の物件をまとめて差し入れることです。

買う物件だけでは評価が足りないときに、すでに持っている物件や自宅を一緒に担保に入れて、融資を受けることがあります。どの物件が一緒に担保になっているかは、登記事項証明書の「共同担保目録」に記録されます。

例新しく買うアパートの評価が足りず、ローンを返し終わった戸建てを一緒に担保に入れて融資を受ける。たとえば、そういう場面で使われます。

気をつけたい点あとでどちらか1つだけを売りたくなったとき、担保から外してもらう手続きが要ります。その際、銀行から一部の返済を求められることもあります。どの物件を担保に入れるかは、何年か先の売り方まで考えたうえで決めたいところです。

関連語担保評価、抵当権・根抵当権、登記、出口戦略

金銭消費貸借契約(金消契約) きんせんしょうひたいしゃくけいやく

ひとことで言うと銀行からお金を借りるときに結ぶ、ローンの契約のことです。

契約書には、借りる金額・金利・期間・返済方法・担保などが書かれています。融資の承認が出たあと、物件の決済の数日前から当日までのあいだに、銀行で結ぶことが多いようです。略して「金消(きんしょう)」と呼ばれます。

例たとえば銀行から「承認が出ました。決済の1週間前に金消契約をお願いします」と連絡が来て、実印・印鑑証明書・住民票などを持って銀行に行く。これがよくある流れです。

気をつけたい点紙の契約書には印紙税がかかります(電子契約なら不要です)。金利の種類や繰上返済の手数料などの条件は、署名の前に読んでおいて下さい。当日その場で初めて目を通す、という形は避けたいところです。

関連語決済、印紙税、抵当権・根抵当権、繰上返済

金融機関の種類(都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・公庫・ノンバンク) きんゆうきかんのしゅるい

ひとことで言うと不動産投資でお金を借りる先の、銀行や公的な機関などの種類のことです。

一般的には、都市銀行は金利が低めで基準が厳しめ、地方銀行や信用金庫・信用組合は営業エリアの中の物件や人に貸すことが多いと言われます。日本政策金融公庫は国が出資する金融機関で、事業として賃貸業を行う方にも貸し出しをしています。ノンバンクは銀行以外の貸し手です。金利は高めですが、審査が柔軟なこともあるようです。

例住まいの近くの物件なら地元の信用金庫、エリアの外の物件ならその地域の地方銀行、という順で相談先を探す方法があります。

気をつけたい点同じ金融機関でも、支店や時期、担当の方によって姿勢が変わることがあります。1か所で断られたからといって、その物件が借りられないとは限りません。何か所か当たってみる価値はあると思います。

関連語融資、プロパーローン・パッケージローン、金利、属性

金利(固定金利・変動金利) きんり

ひとことで言うとお金を借りたお礼として、借りた額に対して年何%と払う割合のことです。

固定金利は、決めた期間のあいだ金利が変わらない形です。変動金利は、銀行の基準となる金利に一定の上乗せをした形で、基準が上がれば返済額も増えます。投資用のローンは変動金利が多く、住宅ローンにあるような「上がり幅の決まり」が付いていないことも多いようです。

例2,000万円を借りていて金利が1%上がれば、利息はおおよそ年20万円増えます(2,000万円×1%)。月にすると1.7万円ほどです。

気をつけたい点日本でも、ここ数年は金利が上がる動きが出ています。買う前の収支計算で、金利が1〜2%上がっても返していけるかを一度試して下さい。ここを飛ばすと、上がってから慌てることになります。

関連語元利均等返済・元金均等返済、借り換え、イールドギャップ、損益分岐点

繰上返済 くりあげへんさい

ひとことで言うと決まった返済とは別に、ローンの一部や全部を前倒しで返すことです。

前倒しで返した元金には、その先の利息がかからなくなります。そのぶん、利息の合計を減らせます。返したあとは「返済期間を短くする(期間短縮型)」か「毎月の返済額を減らす(返済額軽減型)」かを選べることが多く、毎月の手残りを増やしたいなら、返済額軽減型のほうが効果を感じやすいと思います。

例たとえば、家賃からたまったお金で300万円を繰上返済して毎月の返済を軽くし、空室や修繕に備える余裕を作る。そういう使い方があります。

気をつけたい点手数料がかかったり、固定金利の期間中は違約金がかかったりすることがあります。もうひとつ、返しすぎには注意が要ります。手元のお金を減らしすぎると、急な修繕が来たときに困るからです。

関連語借り換え、元利均等返済・元金均等返済、金銭消費貸借契約、キャッシュフロー

自己資金・頭金・諸費用 じこしきん・あたまきん・しょひよう

ひとことで言うと物件を買うときに、借りずに自分で用意するお金のことです。

頭金は、物件価格のうち自分で払う部分です。諸費用は、仲介手数料・登記の費用・税金・火災保険・ローンの手数料など、価格とは別にかかるお金を指します。諸費用は物件価格の7〜10%程度と言われることが多く、2つをまとめて「自己資金」と呼ぶこともあります。

例3,000万円の物件なら、諸費用だけでおよそ210万〜300万円かかります。頭金を1割(300万円)入れるなら、合わせて500万〜600万円ほどを用意することになります。

気をつけたい点不動産取得税のように、買ってしばらくしてから届く税金もあります。買ったあとの修繕や空室に備えるお金は、自己資金とは別に残しておきたいところです。手元をほぼ空にして買うと、最初の大きな出費で困ることになりかねません。

関連語フルローン・オーバーローン、不動産取得税、仲介手数料(売買)、実質利回り

信用情報 しんようじょうほう

ひとことで言うとローンやクレジットカードの利用と返済の記録で、金融機関が審査のときに確認するもののことです。

記録は信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなど)に集められ、加盟している金融機関が見られるようになっています。返済の遅れ(延滞)の記録があると、融資の審査に響くことがあります。自分の記録は、本人が開示を申し込めば確認できます。

例スマートフォン本体の分割払いや、クレジットカードの引き落としが、残高不足で遅れた。こうしたことも記録に残ることがあります。

気をつけたい点うっかりの遅れでも、記録が残る場合があります。融資を考えているなら、申し込む前に自分の信用情報を開示して確かめておくことです。知らないまま審査に出して、断られてから理由に気づく、ということを避けられます。

関連語属性、融資、金融機関の種類

属性 ぞくせい

ひとことで言うと融資の審査で見られる、借りる人自身の年収や勤め先、資産などの情報のことです。

主に見られるのは、年収・勤め先・勤続年数・持っている預金や資産・今ある借入などです。不動産投資のローンは物件の収益力も大事ですが、返せなくなったときの支えとして、本人の属性も重く見られます。属性しだいで、相談できる銀行も条件も変わってきます。

例同じ物件でも、勤続年数が長く預金もある方は条件よく借りられ、転職したばかりの方は時期をずらすよう言われる。そういうことがあります。

気をつけたい点属性には変えにくいものが多いのですが、預金を積み上げることや、今の借入を整理しておくことは自分で取り組めます。逆に、転職や独立の前後は審査に影響が出ることがあります。融資を考えている時期と重ならないか、一度見ておいて下さい。

関連語信用情報、融資、金融機関の種類、自己資金・頭金・諸費用

団体信用生命保険(団信) だんたいしんようせいめいほけん

ひとことで言うと借りた人が亡くなったときなどに、残っているローンを保険で返してもらえる仕組みのことです。

住宅ローンではほぼ必ず入るものですが、投資用のローンでは入るかどうかを選べることが多いようです。保険料は、別に払う形のほか、金利に上乗せされる形もあります。法人で借りる場合の扱いは、銀行によって違います。

例ローンが2,000万円残っている状態で借りた人が亡くなっても、団信に入っていれば残りは保険で返済されます。ご家族の手元には、借入のない物件と家賃収入が残る、ということです。

気をつけたい点健康状態によっては入れないことがあります。保障の範囲(病気や介護まで含むか)と、ご自身の生命保険との重なりは、申し込む前に確かめておくべき点です。

関連語融資、金利、相続(不動産)、保証料・保証会社

担保評価(積算評価・収益還元評価) たんぽひょうか

ひとことで言うと銀行が、その物件にいくらまで貸せるかを決めるために付ける値段のことです。

積算評価は、土地の値段に、建物を今建て直したときの値段から古くなった分を引いた額を足して出します。収益還元評価は、物件が生む1年分の利益を、利回りで割り戻して出します。どちらを重く見るかは銀行によって違うので、同じ物件でも評価に差が出ます。

例積算なら、土地100㎡×1㎡あたり20万円=2,000万円、木造の建物(再調達価格1,500万円・耐用年数22年のうち残り10年)は1,500万円×10÷22≒680万円で、合計およそ2,680万円です。収益還元なら、年間の利益200万円÷7%≒2,860万円になります。

気をつけたい点建物の1㎡あたりの単価や、割り戻すときの利回りは、銀行ごとに違います。上の数字は、計算の流れを示すための例です。

関連語一物四価、キャップレート、NOI、法定耐用年数

フルローン・オーバーローン ふるろーん・おーばーろーん

ひとことで言うと物件価格の全額を借りるのがフルローン、諸費用まで含めて借りるのがオーバーローンのことです。

手元のお金をほとんど使わずに物件を持てるので、自己資金の少ない方には魅力的に見えます。ただ、借入が大きいぶん返済比率が上がり、空室や金利の上昇に弱くなります。少し前に比べると、最近はこうした借り方がしにくくなったと言われています。

例2,000万円の物件で諸費用が150万円なら、2,000万円を借りるのがフルローン、2,150万円を借りるのがオーバーローンです。

気をつけたい点借りた額より売れる価格が低いと、売りたいときに売れないことがあります。「自己資金ゼロで買える」という話を聞いたら、一度立ち止まって、出口のことまで確かめて下さい。

関連語自己資金・頭金・諸費用、レバレッジ、返済比率、出口戦略

プロパーローン・パッケージローン ぷろぱーろーん

ひとことで言うと銀行が1件ずつ条件を決めて貸すローンと、条件があらかじめ決まった商品型のローンのことです。

プロパーローンは、物件と借りる人を1件ずつ見て、金利・期間・金額を話し合いで決めていくローンです。柔軟に組めるかわりに、銀行との関係や事業の中身が問われます。パッケージローンは、年収などの基準を満たせば決まった条件で借りられる商品で、手続きが分かりやすくなっています。

例会社員の方が最初の1件はパッケージローンで買い、何件か持って決算書を出せるようになってからプロパーローンに移る。そういう使い分けをする方もいるようです。

気をつけたい点パッケージローンは、物件を扱う業者さん経由でしか申し込めない形のこともあります。比べるのは金利だけでは足りません。期間や繰上返済の条件まで、並べて見ておきたいところです。

関連語融資、金融機関の種類、属性、決算・決算書

返済比率 へんさいひりつ

ひとことで言うと1年分の家賃収入のうち、ローンの返済にどれだけ回っているかの割合のことです。

計算は「年間返済額÷年間家賃収入」です。この割合が高いと、空室や修繕が少し重なっただけで返済が苦しくなります。目安として50%以下などと言われることが多く、低いほど余裕のある借り方になります。

例年間家賃600万円、年間返済300万円なら、300÷600=50%です。返済が420万円なら70%で、余裕はかなり少なくなります。

気をつけたい点家賃収入を満室のときの数字で入れると、割合は実際より低く出ます。今の入居状況や空室を見込んだ数字で計算すれば、実態に近づきます。目安の数字そのものも、物件の利回りや金利で変わってきます。

関連語DSCR、損益分岐点、融資期間、空室率・稼働率

保証料・保証会社 ほしょうりょう

ひとことで言うとローンが返せなくなったときに銀行への返済を肩代わりする会社と、その会社に払う費用のことです。

銀行によっては、融資の条件として保証会社を付けることを求めます。保証料は、借りるときに一括で払う形と、金利に上乗せして払う形があります。ここでいう保証会社は、入居者さんの家賃を保証する「家賃保証会社」とは別のものです。

例仮に、3,000万円の融資で保証料が借入額の2%なら、最初に60万円を払うことになります。諸費用の見積もりに、忘れずに入れておきたい項目です。

気をつけたい点保証会社が返済を肩代わりしても、借りた人の返す義務がなくなるわけではありません。返す相手が、銀行から保証会社に変わるだけです。保証料の率は銀行や商品ごとに違います。

関連語自己資金・頭金・諸費用、家賃保証会社、繰上返済、融資

融資(不動産投資ローン・アパートローン) ゆうし

ひとことで言うと賃貸に出す物件を買うために、銀行などからお金を借りることです。

自分が住む家のための住宅ローンとは別の商品で、家賃で返していく「事業への貸し出し」として審査されます。見られるのは、借りる人の年収や資産だけではありません。その物件が家賃を生み続けられるかどうかも、同じように見られます。金利は住宅ローンより高めで、審査にも時間がかかることが多いようです。

例たとえば、2,000万円の物件を自己資金200万円と融資1,800万円で買う、という使い方です。返済は、毎月の家賃から行う形が一般的になっています。

気をつけたい点住宅ローンを使って賃貸用の物件を買うのは、契約の内容に反することになり、一括返済を求められるおそれがあります。最初から投資用のローンとして相談して下さい。

関連語金融機関の種類、属性、担保評価、自己資金・頭金・諸費用

融資期間 ゆうしきかん

ひとことで言うと借りたお金を何年かけて返すか、という返済の長さのことです。

期間が長いほど毎月の返済は軽くなり、手元に残るお金が増えます。多くの銀行は、建物の構造ごとに決められた法定耐用年数から築年数を引いた「残りの年数」を目安に、期間を決めていると言われます。古い木造の物件ほど期間が短くなりやすいのは、このためです。

例木造(法定耐用年数22年)で築12年なら、残りは10年です。RC造(47年)で築20年なら、残りは27年が目安になります。

気をつけたい点建物の状態などを見て、残りの年数より長く貸してくれる銀行もあります。ただ、期間を延ばせば利息の合計は増えます。毎月が楽になるかどうかと、総額でいくら払うのか。この2つを並べて決めるものだと考えています。

関連語法定耐用年数、築年数、構造、返済比率

レバレッジ ればれっじ

ひとことで言うとお金を借りることで、自分のお金だけでは持てない大きさの物件を持つことです。

「てこ」という意味の言葉で、小さな力で大きなものを動かすことにたとえています。物件の利回りが借入の金利より高ければ、借りた分だけ手元に残るお金を増やせます。ただ、うまくいかないときは、損も同じように大きくなります。

例自己資金500万円だけなら500万円の物件しか買えませんが、2,500万円を借りれば3,000万円の物件が持てます。自己資金の6倍の規模になる、ということです。

気をつけたい点空室、家賃の下落、金利の上昇が重なったとき、借入が大きいほど返済の負担は重くなります。どこまで借りるかは、返済比率や手元の余裕を見ながら決めるのがよいと思います。

関連語イールドギャップ、フルローン・オーバーローン、CCR、返済比率

利回り・収支

イールドギャップ いーるどぎゃっぷ

ひとことで言うと物件の利回りと、借りたお金の金利との差のことです。

差が大きいほど、借りて買ったときに手元に残るお金が多くなりやすい、という目安になります。ただ、どの利回り(表面か実質か)を使うかで数字は大きく変わりますし、返済期間の長さも入っていません。目安としては便利ですが、これだけで良し悪しを決めるのは難しいと思います。

例表面利回り8%の物件を金利2%で借りて買うなら、イールドギャップは8−2=6%です。実質利回りが6%なら、実質で見た差は4%まで縮みます。

気をつけたい点差が大きくても、融資期間が短ければ毎月の返済は重く、手残りが少ないことがあります。返済比率やキャッシュフローと、必ず一緒に見て下さい。

関連語表面利回り、実質利回り、金利、レバレッジ

インカムゲイン・キャピタルゲイン いんかむげいん・きゃぴたるげいん

ひとことで言うと持っているあいだに入る家賃などの収入と、買った値段より高く売れたときの売却益のことです。

不動産投資の利益は、この2つを合わせて考えます。インカムゲインは毎月の家賃から少しずつ積み上がり、キャピタルゲインは売ったときにまとめて出ます。逆に、買った値段より安く売れたときの損は「キャピタルロス」と呼ばれます。

例2,000万円で買い、5年間で家賃からの手残りが合計500万円、そのあと2,300万円で売れたなら、インカムゲインは500万円、キャピタルゲインは300万円です(売る費用や税金は除いた単純な例です)。

気をつけたい点売却益には税金がかかり、持っていた期間で税率が変わります。売ることを考え始めたら、税理士に一度相談しておくと安心です。

関連語出口戦略、譲渡所得、キャッシュフロー、不動産所得

運営費(ランニングコスト) うんえいひ

ひとことで言うと物件を持って貸し続けるために、毎年かかっていくお金のことです。

主なものは、管理会社への委託料、固定資産税・都市計画税、火災保険料、修繕費、共用部分の電気代や水道代、清掃費、入居者さんを決めるときの広告料などです。区分マンションなら、ここに管理費・修繕積立金が加わります。家賃収入の2割前後で見込む方が多いようですが、物件によって大きく違います。

例年間家賃600万円のアパートで、管理委託料30万円、固定資産税等40万円、保険10万円、修繕40万円、共用部の光熱費・清掃など30万円なら、運営費は合計150万円(家賃の25%)になります。

気をつけたい点売主の出す収支には、修繕費や広告料が入っていないことがあります。足りない項目がないか、自分で一つずつ足し直してみて下さい。それだけで、物件の見え方が変わることがあります。

関連語NOI、実質利回り、管理会社・管理委託、固定資産税・都市計画税

NOI(純営業収益) えぬおーあい

ひとことで言うと1年間の家賃収入から、物件を運営するのにかかったお金を引いた残りのことです。

ローンの返済や所得税などの税金は引かずに計算するのが特徴です。だからこそ、借り方や持ち主に関係なく「物件そのものの稼ぐ力」を表せます。物件の値段を考えるときや、銀行が評価をするときの基本の数字として使われるのは、このためです。

例1年間の家賃収入が600万円、管理委託料・固定資産税・保険・修繕などの運営費が150万円なら、NOIは600−150=450万円です。

気をつけたい点家賃収入は満室の数字ではなく、空室の分を引いた実際に近い数字で考えます。紛らわしいのは税金で、固定資産税はNOIの計算で引く運営費に入りますが、所得税や法人税は入りません。ここは混同しやすいところです。

関連語キャップレート、キャッシュフロー、運営費、DSCR

管理費・修繕積立金(区分) かんりひ・しゅうぜんつみたてきん

ひとことで言うと区分マンションの持ち主が、毎月管理組合に払うお金のことです。

管理費は、共用部分の清掃や管理会社への委託など、日々の管理に使われます。修繕積立金は、外壁や屋上、給排水管などの大きな修繕のために積み立てておくお金です。どちらも、空室で家賃が入らない月でも持ち主が払い続けます。

例家賃が月7万円で、管理費と修繕積立金が合わせて月1.5万円なら、手元に入るのは月5.5万円です。表面利回りの計算には、この差し引きは入っていません。

気をつけたい点修繕積立金は、建物が古くなるにつれて値上がりすることがよくあります。長期修繕計画、積立金の残高、値上げの予定。この3つは、買う前に確認して下さい。

関連語管理組合・総会、区分所有、大規模修繕、運営費

キャッシュフロー きゃっしゅふろー

ひとことで言うと家賃が入り、出ていくお金を全部払ったあとに、実際に手元に残るお金のことです。

NOIからローンの返済(元金と利息の両方)を引いたものを「税引前キャッシュフロー」、さらに税金を引いたものを「税引後キャッシュフロー」と呼びます。ややこしいことに、帳簿の上の利益とは一致しません。元金の返済は経費にならず、減価償却はお金が出ていかないのに経費になるからです。

例NOIが450万円、年間返済が300万円なら、税引前キャッシュフローは150万円です。ここから税金が30万円かかれば、税引後は120万円になります。

気をつけたい点毎年のキャッシュフローを全部使ってしまうと、大きな修繕や空室が続いたときに困ることがあります。一部は使わずに残しておく、という前提で考えておきたいお金です。

関連語NOI、デッドクロス、減価償却、CCR

キャップレート(還元利回り) きゃっぷれーと

ひとことで言うと物件の1年分の利益(NOI)を価格で割った利回りで、物件の値段を考えるときに使う割合のことです。

計算は「NOI÷価格」ですが、逆に「NOI÷キャップレート」で価格を出すのによく使われます。これが収益還元評価の考え方です。人気のある地域や新しい物件ほどキャップレートは低く、同じNOIでも価格は高くなります。

例NOIが450万円の物件なら、キャップレート5%で見ると450÷5%=9,000万円、6%で見ると7,500万円です。1%違うだけで、1,500万円変わります。

気をつけたい点キャップレートは地域・築年数・構造・金利の動きなどで変わり、決まった数字はありません。売るときに、買ったときと同じ利回りで売れるとは限りません。ここは頭に置いておきたい点です。

関連語NOI、担保評価、出口戦略、実質利回り

空室率・稼働率 くうしつりつ・かどうりつ

ひとことで言うと部屋のうち空いている割合が空室率、埋まっている割合が稼働率のことです。

ある時点で何部屋空いているかで見る方法と、1年間を通して何か月分空いていたかで見る方法があります。収支計算に使うなら、1年を通した見方のほうが実態に近くなります。満室の家賃から空室の分を差し引いておけば、計画と実際のずれは小さくて済みます。

例10部屋のうち1部屋が空いていれば、その時点の空室率は10%、稼働率は90%です。1年で見ると、10部屋×12か月=120か月分のうち、空いていたのが延べ6か月なら空室率は5%です。

気をつけたい点どれくらいの空室を見込むかは、地域や物件で大きく違います。退去してから次が決まるまでの期間だけでなく、そのあいだの原状回復の期間も入れて考えて下さい。部屋が直るまでは、募集もしにくいからです。

関連語損益分岐点、想定利回り・現況利回り、原状回復、返済比率

CCR(自己資金配当率) しーしーあーる

ひとことで言うと自分で出したお金に対して、1年でどれだけのお金が戻ってくるかの割合のことです。

計算は「年間キャッシュフロー÷自己資金」です。借入を使うと、物件の利回りよりCCRのほうが高くなることがあり、これがレバレッジの効果です。自己資金を何年で取り戻せるかの目安にもなります。

例自己資金1,000万円で年間キャッシュフローが150万円なら、150÷1,000=15%です。単純に考えると、およそ7年弱で自己資金が戻る計算になります。

気をつけたい点税引前と税引後のどちらで計算しているかで、数字は変わります。売るときの損益も入っていません。出口まで含めて見ないと、最終的にいくら戻ってくるのかは分からない、ということです。

関連語キャッシュフロー、レバレッジ、自己資金・頭金・諸費用、出口戦略

実質利回り じっしつりまわり

ひとことで言うと家賃から出ていくお金を引き、買うときの費用も含めて計算した、実態に近い利回りのことです。

計算は「(年間家賃−運営費)÷(物件価格+諸費用)」です。管理委託料や固定資産税、修繕費など、表面利回りでは見えないお金を差し引くので、手元に残るお金の感覚に近くなります。同じ表面利回りでも、運営費のかかり方しだいで実質利回りは大きく変わります。

例価格2,000万円、諸費用150万円、年間家賃120万円、運営費24万円なら、(120−24)÷(2,000+150)=96÷2,150≒4.5%です。表面利回りは6%なので、1.5%ほど下がることになります。

気をつけたい点諸費用を分母に入れずに計算する人もいて、言葉の使い方が人によって少し違います。資料の数字を見たら、何を引いて何で割っているのかを確かめて下さい。そこが違えば、同じ「実質利回り」でも比べようがありません。

関連語表面利回り、運営費、NOI、自己資金・頭金・諸費用

想定利回り・現況利回り そうていりまわり・げんきょうりまわり

ひとことで言うと空いている部屋にも入居があるとして計算した利回りと、今の実際の家賃で計算した利回りのことです。

想定利回りは「満室になったら」という前提の数字で、空室の家賃には売主側や仲介会社が見込んだ金額が入っています。現況利回りは、今入っている入居者さんの家賃だけで計算するので、買った翌月から入ってくるお金に近い数字です。広告の利回りがどちらなのかは、小さな字で書かれていることが多いので見落とさないようにして下さい。

例価格3,000万円・4部屋(各月5万円)で1部屋が空いているなら、想定は年240万円÷3,000万円=8%、現況は年180万円÷3,000万円=6%になります。

気をつけたい点空室の想定家賃が、周りの相場より高めに置かれていることもあります。近くの似た部屋の募集家賃を見て、その家賃で本当に埋まりそうかを確かめておきたいところです。上の例の2%の差は、この1部屋が埋まるかどうかで生まれています。

関連語表面利回り、レントロール、空室率・稼働率、物件概要書

損益分岐点(入居率) そんえきぶんきてん

ひとことで言うと何%の部屋が埋まっていれば、出ていくお金を家賃でまかなえるか、という境目のことです。

計算は「(運営費+年間返済額)÷満室のときの年間家賃」です。この割合が低いほど、空室が出ても持ちこたえやすい物件ということです。返済比率と同じく、借り方の余裕を見るのに役立ちます。

例満室で年間家賃600万円、運営費120万円、年間返済300万円なら、(120+300)÷600=70%です。7割埋まっていれば、お金の面では赤字にならない計算です。

気をつけたい点大きな修繕がある年や、金利が上がったときは、この割合も上がります。ふだんの年の数字だけで判断せず、そうした年の数字も一度出してみて下さい。

関連語空室率・稼働率、返済比率、運営費、DSCR

大規模修繕 だいきぼしゅうぜん

ひとことで言うと外壁や屋根、屋上の防水など、建物全体にかかわる、何年かに一度の大きな修繕のことです。

建物を長く使うために、外壁の塗装や補修、屋上・屋根の防水、鉄部の塗装、給排水管の交換などをまとめて行います。区分マンションなら、管理組合が修繕積立金で行います。ところが一棟アパートや戸建ては、持ち主が自分でお金を用意しなければなりません。

例たとえば、年間家賃600万円のアパートで毎年家賃の5%(30万円)を取り分けておけば、12年で360万円がたまり、外壁や屋根の工事に充てられます。

気をつけたい点費用は、建物の大きさや傷み具合、工事の範囲でかなり変わります。前回いつ、何をしたのかは、買う前に売主に聞いておくことをおすすめします。それが分かれば、次の時期の見当がつきます。

関連語管理費・修繕積立金、必要経費/修繕費と資本的支出、キャッシュフロー、構造

DSCR(返済余裕率) でぃーえすしーあーる

ひとことで言うと物件の1年分の利益で、1年分のローン返済を何倍まかなえるかを表す数字のことです。

計算は「NOI÷年間返済額」です。1を下回ったら、物件の利益だけでは返済が足りず、持ち出しが出ている状態です。銀行が融資の審査で見ることもあり、1.2〜1.3以上が一つの目安と言われています。

例NOIが450万円、年間返済が300万円なら、450÷300=1.5です。返済が400万円なら約1.13になり、余裕はかなり少なくなります。

気をつけたい点目安の数字も、NOIの出し方も、銀行によって違います。空室や金利の上昇を見込んだときにどこまで下がるのか、そこまで見ておけば慌てずに済みます。

関連語NOI、返済比率、損益分岐点、金利

出口戦略 でぐちせんりゃく

ひとことで言うと買った物件を最後にどうするか(売る・持ち続ける・建て替えるなど)を、先に考えておくことです。

同じ売るにしても、利回りを見る投資家に売るのか、自分で住みたい方に売るのかで、値段の付き方の考え方が変わります。持ち続けるなら、建物が古くなったあとの修繕や建て替えまで考えることになります。私は、買う前に「最後に誰に、どんな形で手放すか」を考えるようにしています。

例たとえば、入居者さんが退去したタイミングで住む方に向けて売るのか、入居者さんが付いたまま投資家に売るのか。どちらを選ぶかで、売れる価格や時期が変わってきます。

気をつけたい点売る時期の金利や融資の状況、相場によっては、思った値段で売れないこともあります。残りのローンより高く売れそうかどうかは、持っているあいだもときどき確かめておくと、売り時を逃しにくくなります。

関連語収益物件・実需、インカムゲイン・キャピタルゲイン、キャップレート、オーナーチェンジ

デッドクロス でっどくろす

ひとことで言うと帳簿の上では利益が出ているのに、手元に残るお金が少なくなったり足りなくなったりする状態のことです。

ローンの元金の返済は経費になりませんが、減価償却はお金が出ていかないのに経費になります。元利均等返済では元金の返済が年々増え、反対に減価償却は期間が終わるとなくなるので、ある時点で「元金の返済>減価償却」になります。この逆転がデッドクロスです。ここから先は税金が増え、手残りが減っていきます。

例年間の元金返済が200万円、減価償却が150万円なら、50万円分は「お金は出ていったのに経費にならない」状態です。その分にも税金がかかります。

気をつけたい点減価償却が終わる年は、買う前のシミュレーションで確認しておくと備えやすくなります。対策は人によって違うので、税理士にご相談下さい。

関連語減価償却、元利均等返済・元金均等返済、キャッシュフロー、中古資産の耐用年数

表面利回り ひょうめんりまわり

ひとことで言うと1年分の家賃を物件価格で割った、ざっくりした利回りのことです。

広告や物件概要書に「利回り○%」とあれば、ほとんどがこの表面利回りです。計算が簡単なので、物件を比べる最初のものさしとしては便利です。ただし、管理費や固定資産税、修繕費といった出ていくお金は、まったく入っていません。

例価格2,000万円で家賃が月10万円(年間120万円)なら、120万円÷2,000万円=6%です。

気をつけたい点空室の部屋が「想定家賃」で計算されていることもあります。私は数字だけで飛びつかず、今の家賃がいくらか(レントロール)と、出ていくお金を引いた実質利回りを見るようにしています。

関連語実質利回り、想定利回り・現況利回り、レントロール、NOI

レントロール れんとろーる

ひとことで言うと部屋ごとの家賃や契約の内容を、一覧にまとめた表のことです。

部屋番号、広さ、家賃、共益費、敷金、契約を始めた日、入居者さんが個人か法人か、といった内容が並びます。物件の収入の中身が分かるので、買う前に必ず見ておきたい資料です。私は、まず同じ間取りの部屋どうしで家賃に差がないかを見ます。

例同じ1Kで、10年前から住む方は6万円、最近入った方は5万円。こういう場合は、古くからの入居者さんが退去すると家賃が下がる、という見込みが立ちます。

気をつけたい点売る直前に急に入居が埋まっているなど、気になる点があれば、賃貸借契約書の写しや入金の記録を見せてもらえるか聞いてみて下さい。数字の裏付けを、自分の目で確かめておくということです。

関連語想定利回り・現況利回り、表面利回り、オーナーチェンジ、物件概要書

税金・会計

青色申告 あおいろしんこく

ひとことで言うと決められた帳簿をつけて申告する代わりに、税金の面で特典を受けられる申告のしかたのことです。

代表的な特典が青色申告特別控除で、2026年10月時点では、事業的規模で複式簿記の帳簿をつけ、e-Taxで申告する(または帳簿を電子で保存する)などの条件を満たせば65万円、条件によって55万円か10万円です。赤字を翌年以降3年間繰り越せることや、家族への給与(専従者給与)を経費にできることも、特典に含まれます。そのかわり、始めるには税務署への届出が要ります。

例新しく賃貸を始めた年なら、始めた日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を出せば、その年から青色申告にできます。

気をつけたい点2027年分の申告からは、帳簿を電子で保存する方の控除額を増やし、紙で申告する場合の控除額を減らす方向の見直しが決まっているとされています。金額の区分は変わることがあるので、最新の情報を国税庁のホームページでご確認下さい。届出の期限を過ぎると翌年からになるので、早めに税理士にご相談頂くと安心です。

関連語事業的規模、確定申告・税理士、不動産所得

印紙税 いんしぜい

ひとことで言うと売買契約書やローンの契約書など、決まった種類の書類を作るときに、収入印紙を貼って納める税金のことです。

税額は書類に書かれた金額で決まり、印紙を貼って消印することで納めます。売主と買主がそれぞれ原本を1通ずつ持つなら、2通分かかります。不動産の売買契約書には軽減措置があり、本来の税額より安くなっています。

例売買代金3,000万円の契約書なら、本来は2万円のところが、軽減で1万円になります。借入れ3,000万円の金消契約書は軽減の対象外なので、2万円のままです。

気をつけたい点売買契約書の軽減は、2027年3月31日までに作られたものが対象とされています。電子契約なら、印紙税はかからない扱いです。2026年10月時点の内容なので、最新の情報を国税庁のホームページなどでご確認下さい。

関連語売買契約書、金銭消費貸借契約、決済

インボイス制度 いんぼいすせいど

ひとことで言うと受け取った請求書などに登録番号が書いてあるかどうかで、消費税の計算で差し引ける額が変わる制度のことです。

始まったのは2023年10月です。住宅を貸しているだけの大家さんは、家賃が非課税なので、影響は小さいことが多いと言われています。気にしたいのは、事務所・店舗・駐車場を貸していて、借り手が消費税を納める事業者の場合で、登録番号を求められることがあります。

例たとえば店舗の借り手から「インボイスの登録番号を教えて下さい」と言われたら、そこで登録するかどうかを考えることになります。

気をつけたい点登録すると、売上が少なくても消費税の申告が必要になります。借り手との関係や手間を比べて決めることになるので、税理士にご相談下さい。2026年10月時点の内容です。

関連語消費税、確定申告・税理士

確定申告・税理士 かくていしんこく・ぜいりし

ひとことで言うと1年間の所得と税金を計算して税務署に申告することと、それを手伝う専門家のことです。

個人の場合、前の年の1月から12月までの分を、毎年2月16日から3月15日ごろまでに申告します。家賃収入があれば、会社員の方でも原則として確定申告が必要です(給与以外の所得が年20万円以下の場合などの例外があります)。税理士は、申告書の作成や税金の相談を仕事として行える国家資格です。

例会社員の方が区分マンションを1室持った場合なら、源泉徴収票と、家賃や経費の明細をもとに確定申告をすることになります。

気をつけたい点最初の年から税理士に頼めば、按分や修繕費の判断など、あとで直しにくいところを相談できます。費用はかかりますが、選択肢の一つとして考えておいて下さい。

関連語不動産所得、青色申告、土地・建物の按分、決算・決算書

減価償却 げんかしょうきゃく

ひとことで言うと建物などを買ったお金を、一度に経費にせず、何年かに分けて少しずつ経費にしていく仕組みのことです。

建物や設備は年月とともに価値が下がるという考え方から、使える年数(耐用年数)に分けて経費にします(土地は価値が減らないものとされ、償却しません)。帳簿の上では経費でも、その年に現金が出ていくわけではありません。だからこそ、税金を抑えながら手元にお金が残りやすくなるのです。

例建物を1,000万円で買い、耐用年数が4年なら、1年に250万円ずつ経費にできる計算です(定額法。買った年の月数の調整は省いています)。

気をつけたい点償却が終わると経費が減って税金が増える「デッドクロス」が起きることがあります。売るときも、償却した分だけ取得費が減るので、その分売却益が大きくなります。計算のしかたは税理士に確認しておくと安心です。

関連語法定耐用年数、中古資産の耐用年数、デッドクロス、取得費・譲渡費用

固定資産税・都市計画税 こていしさんぜい・としけいかくぜい

ひとことで言うと毎年1月1日に不動産を持っている人に、市区町村がかける税金のことです。

固定資産税の標準税率は1.4%で、市街化区域の中では、上限0.3%の都市計画税もかかります。支払いは年4回に分けるのが一般的です。住宅が建っている土地には軽減があり、200㎡までの部分(小規模住宅用地)は、計算のもとになる額が固定資産税で6分の1、都市計画税で3分の1になります。

例小規模住宅用地で、計算のもとになる額が1,200万円なら、固定資産税は1,200万円×1/6×1.4%=2.8万円、都市計画税は1,200万円×1/3×0.3%=1.2万円です(単純化した計算です)。

気をつけたい点年の途中で売買したときは、日割りで精算するのが慣習です。もうひとつ、空き家の管理が行き届いていないと、住宅用地の軽減が外れることもあります。2026年10月時点の一般的な内容なので、市区町村の窓口や税理士にもご確認下さい。

関連語固定資産税評価額、固定資産税等の精算、空き家、市街化区域・市街化調整区域

固定資産税評価額 こていしさんぜいひょうかがく

ひとことで言うと市区町村が固定資産税を計算するために決めた、土地や建物の評価のことです。

評価額は3年に一度見直され(評価替え)、毎年届く納税通知書や、市区町村で取れる評価証明書で確認できます。固定資産税だけでなく、不動産取得税や登録免許税、相続税での建物の評価など、いろいろな税金の計算のもとになる数字です。土地の評価額は、公示地価のおよそ7割が目安とされています。

例物件を検討する段階で、売主さんから納税通知書の写しをもらっておくと、土地と建物それぞれの評価額が分かります。諸費用の見積りにも、土地・建物の按分にも使える数字です。

気をつけたい点実際に売れる値段(実勢価格)とは別のものです。評価額が高いから価値がある、とは限りません。相場とは切り離して見るようにして下さい。

関連語一物四価、不動産取得税、土地・建物の按分、相続税評価

事業的規模(5棟10室) じぎょうてききぼ

ひとことで言うと不動産の貸付けを「事業」とみなす規模の目安で、戸建てなら5棟、部屋なら10室とされるものです。

税金の上では「5棟10室基準」と呼ばれています。この規模になると、青色申告特別控除の65万円(または55万円)や、家族への専従者給与が使えるようになります。建物を取り壊したときの損失を全額経費にできる、といった違いもあります。

例戸建て2棟とアパート6室なら、戸建て1棟を2室と数える実務上の考え方で2×2+6=10室となり、目安に届くとされることが多いようです。

気をつけたい点あくまで形式的な目安で、実態で判断されることもあります。戸建てや駐車場の数え方は法律で決まったものではないので、税理士にご確認下さい。2026年10月時点の一般的な内容です。

関連語青色申告、不動産所得、法人化

取得費・譲渡費用 しゅとくひ・じょうとひよう

ひとことで言うと売却益を計算するときに、売った金額から差し引ける、買ったときのお金と売るときにかかったお金のことです。

取得費は、購入代金に仲介手数料や登記費用などを足し、建物の減価償却をした分を引いた額です。譲渡費用には、売るときの仲介手数料や印紙税、測量費などが入ります。困るのは買ったときの書類がない場合で、取得費が分からないと売った金額の5%を取得費とする(概算取得費)ことになり、税金が大きくなりがちです。

例建物1,000万円・土地1,000万円で買い、これまでに建物を400万円償却していれば、取得費は1,600万円になります(ほかの費用は省いています)。

気をつけたい点買ったときの契約書や領収書は、売るまでずっと保管しておきます。知らずに捨ててしまい、売るときになって気づく、ということだけは避けたいところです。どの費用を入れられるかには細かな決まりがあるので、税理士にご確認下さい。

関連語譲渡所得、減価償却、売買契約書

譲渡所得(短期・長期) じょうとしょとく

ひとことで言うと不動産を売って出たもうけと、持っていた期間によって変わるその税金の区分のことです。

売った金額から、取得費と譲渡費用を引いたものが譲渡所得です。給与などとは分けて税金を計算する「分離課税」で、個人の場合、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期(20.315%)、5年以下なら短期(39.63%)になります。どちらも所得税・住民税・復興特別所得税を合わせた税率です。

例取得費1,500万円、譲渡費用100万円、売った金額2,500万円なら、譲渡所得は900万円です。長期なら900万円×20.315%で、税金はおよそ183万円という計算になります。

気をつけたい点「買ってから5年」ではなく「売った年の1月1日で5年超」で数えるので、実際には6年近く持たないと長期にならないことがあります。法人は別の計算です。2026年10月時点の内容なので、税理士にご確認下さい。

関連語取得費・譲渡費用、インカムゲイン・キャピタルゲイン、出口戦略、法人化

消費税(住宅家賃は非課税) しょうひぜい

ひとことで言うと住宅の家賃には消費税がかからず、事務所や店舗の家賃、駐車場代などにはかかる、という区別のことです。

住宅として貸す家賃や共益費は非課税です。逆に、事務所・店舗の家賃や、住宅に付いていない駐車場の料金には消費税がかかります。物件を買うときは、売主が事業者なら建物の代金に消費税がかかり、土地にはかかりません。

例事業者から税込5,000万円で買い、そのうち建物が税込2,200万円なら、建物にかかっている消費税は200万円という計算です。

気をつけたい点課税される売上が年1,000万円を超えると、消費税を納める側になるなど、別の決まりもあります。住宅として貸す建物にかかった消費税は、原則として差し引けない扱いです。2026年10月時点の内容なので、税理士にご確認下さい。

関連語インボイス制度、土地・建物の按分、不動産所得

相続税評価(不動産) そうぞくぜいひょうか

ひとことで言うと相続税を計算するときに、不動産をいくらとして扱うかを決めるルールのことです。

土地は路線価(路線価がない地域は固定資産税評価額に倍率をかける方法)、建物は固定資産税評価額をもとに評価します。人に貸している建物(貸家)とその敷地(貸家建付地)は、借りている人がいる分だけ評価が下がる仕組みです。条件によっては、小規模宅地等の特例が使える場合もあります。

例路線価で5,000万円の土地、借地権割合60%、借家権割合30%、満室なら、5,000万円×(1−0.6×0.3)=4,100万円です。建物の評価額が1,000万円なら、1,000万円×(1−0.3)=700万円になります。

気をつけたい点2027年1月1日以後の相続などからは、亡くなる前5年以内に買った貸付用の不動産は、原則として時価で評価する改正が行われています(細かな評価のしかたは、2026年10月時点でまだ固まっていない部分があります)。評価は個別の事情で大きく変わるので、最新の情報を確かめたうえで、税理士にご相談頂くのが安心です。

関連語一物四価、固定資産税評価額、相続、借地権・底地

損益通算 そんえきつうさん

ひとことで言うと不動産所得が赤字のときに、その赤字を給与所得などの黒字と差し引きできる仕組みのことです。

減価償却費などで不動産所得が赤字になると、給与所得と相殺されて、源泉徴収で払いすぎていた所得税が戻ることがあります。ただし、赤字のうち土地を買うための借入金の利息にあたる部分は、差し引きの対象から外れます。

例給与所得600万円、不動産所得が−100万円で、そのうち土地を買うための借入金の利息が30万円なら、差し引きできるのは70万円です。合計の所得は530万円になります。

気をつけたい点「赤字で節税」は、手元のお金が実際に減っているなら本末転倒になりかねません。私は、節税よりも先に、手元にお金が残るかどうかを見るようにしています。細かな計算は税理士にご確認下さい。

関連語不動産所得、減価償却、確定申告・税理士

中古資産の耐用年数(簡便法) ちゅうこしさんのたいようねんすう

ひとことで言うと中古の建物を買ったときに、残りの耐用年数を簡単に計算する方法のことです。

法定耐用年数をすべて過ぎた建物は「法定耐用年数×0.2」、一部が過ぎた建物は「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×0.2」で計算します。1年未満の端数は切り捨て、2年未満になるときは2年とします。耐用年数が短いほど、1年あたりの減価償却費は大きくなる、ということです。

例築30年の木造(法定22年)なら、22×0.2=4.4で、端数を切り捨てて4年です。築10年のRC(法定47年)なら、(47−10)+10×0.2=39年になります。

気をつけたい点経過年数は、登記の新築年月日などから月単位で数えます。買ったあとに大きな改修をした場合など、この方法をそのまま使えないケースもあります。2026年10月時点の内容なので、税理士にご確認下さい。

関連語法定耐用年数、減価償却、築年数

登録免許税 とうろくめんきょぜい

ひとことで言うと不動産の名義を変えたり、借入れのための抵当権を付けたりする登記のときに、国に納める税金のことです。

売買で所有権を移すときと、融資を受けて抵当権を設定するときにかかります。払うのは決済の日で、司法書士への報酬と一緒に支払うのが一般的です。所有権の移転は固定資産税評価額に、抵当権の設定は借りる金額(債権額)に、それぞれ税率をかけて計算します。

例建物の評価額500万円、土地の評価額1,000万円、借入れ3,000万円なら、建物500万円×2%=10万円、土地1,000万円×1.5%=15万円、抵当権3,000万円×0.4%=12万円です。合計で37万円ほどになります。

気をつけたい点土地の1.5%は期限付きの軽減税率で、2029年3月31日までの登記が対象とされています(本則は2%)。自分が住む家向けの軽減は、投資用には使えないことが多いと考えておいて下さい。2026年10月時点の内容なので、司法書士の見積りで確認しておくと安心です。

関連語所有権移転登記・司法書士、抵当権・根抵当権、固定資産税評価額、自己資金・頭金・諸費用

土地・建物の按分 とち・たてもののあんぶん

ひとことで言うと土地と建物をまとめて買ったときに、代金を土地の分と建物の分に分けることです。

減価償却できるのは建物だけなので、建物の金額をいくらにするかで、毎年の経費が変わってきます。売買契約書に内訳があればそれを使い、なければ固定資産税評価額の比率などで分けるのが一般的です。契約書に書かれた消費税額から、建物の金額を逆算するやり方もあります。

例代金2,000万円で、評価額が土地600万円・建物400万円なら、建物は2,000万円×400÷1,000=800万円、残りの1,200万円が土地という分け方です。

気をつけたい点建物の割合を根拠なく大きくすると、税務署から説明を求められることがあります。分け方で何年も税金が変わるので、買う前から税理士に相談しておくと安心です。

関連語固定資産税評価額、減価償却、売買契約書、消費税

必要経費/修繕費と資本的支出 ひつようけいひ・しゅうぜんひ・しほんてきししゅつ

ひとことで言うと物件にかけたお金を、その年に全部経費にできる「修繕費」と、何年かに分けて経費にする「資本的支出」に分けることです。

壊れたところを元に戻すお金は修繕費、価値を高めたり長持ちさせたりするお金は資本的支出、というのが基本の分け方です。迷うときの目安として、1回20万円未満のものや、おおむね3年以内の周期で行うものは修繕費にできる、などの基準があります。どちらに入るかで、その年の税金はかなり変わります。

例雨漏りの修理や割れた窓ガラスの交換は修繕費、和室を洋室に変えるような改装は資本的支出、となることが多いです。

気をつけたい点外壁の塗装のように、どちらとも取れるものもあります。見積書や請求書に工事の中身が分かるように書いてもらっておけば、あとで説明するときに困りません。判断は税理士にご相談下さい。

関連語減価償却、不動産所得、大規模修繕、修繕義務

不動産取得税 ふどうさんしゅとくぜい

ひとことで言うと土地や建物を買ったり建てたりしたときに、一度だけかかる都道府県の税金のことです。

決済の日には払わず、登記が済んで数か月から半年ほどたってから、都道府県から納税通知書が届くことが多いようです。忘れたころに届くので、資金計画から抜け落ちやすいのです。税額は固定資産税評価額に税率をかけて計算し、税率は標準で4%ですが、土地と住宅は3%に下げられていて、宅地は評価額を半分にして計算する特例もあります。

例宅地の評価額が1,000万円なら、1,000万円×1/2×3%=15万円が目安になります(ほかの軽減がない場合)。

気をつけたい点3%や1/2の特例は、2027年3月31日までの取得が対象とされています。住宅の建物には条件付きの控除もあり、こちらは申告が必要なことがあります。2026年10月時点の内容なので、最新の情報を都道府県の税事務所や税理士にご確認下さい。

関連語固定資産税評価額、登録免許税、自己資金・頭金・諸費用、決済

不動産所得 ふどうさんしょとく

ひとことで言うと家賃などの収入から、必要経費を引いて残った、もうけの部分のことです。

収入には、家賃のほか、礼金や更新料、返さない敷金なども入ります。経費には、管理委託料・固定資産税・保険料・修繕費・ローンの利息・減価償却費などがあります。給与所得など、ほかの所得と合計して税金を計算する「総合課税」になります。

例年間の家賃収入が600万円、経費(減価償却費を含む)が450万円なら、不動産所得は150万円になります。

気をつけたい点念のため補足しますが、ローンの返済のうち経費になるのは利息だけで、元金の返済は経費になりません。「手元に残ったお金」と「税金の計算上のもうけ」は一致しないことが多いので、この二つは分けて見て下さい。

関連語必要経費/修繕費と資本的支出、減価償却、損益通算、キャッシュフロー

法定耐用年数 ほうていたいようねんすう

ひとことで言うと税金の計算で、建物や設備を何年で経費にするかを、構造や用途ごとに国が決めた年数のことです。

住宅用の建物では、木造22年、軽量鉄骨は骨格材の厚さが3mm以下なら19年・3mmを超え4mm以下なら27年、重量鉄骨(4mm超)34年、鉄筋コンクリート(RC)47年です。減価償却の計算に使う数字ですが、それだけではありません。多くの金融機関が、融資期間を考える目安にもしています。

例築10年の木造アパートなら、22年のうち残りは12年です。この残りの年数で融資期間を考える金融機関だと、借りられる期間は短くなりがちです。

気をつけたい点あくまで税金の上の年数で、建物が実際に使える年数とは分けて考えます。給湯器などの設備は、建物とは別の耐用年数になることもあります。2026年10月時点の内容なので、細かな扱いは税理士にご確認下さい。

関連語減価償却、中古資産の耐用年数、構造、融資期間

入居・管理

解約予告 かいやくよこく

ひとことで言うと借主が部屋を退去するときに、何日前までに知らせるかという決まりのことです。

住宅の賃貸借契約では「1か月前まで」とすることが多く、契約書に書いてあります。早めに退去しても、予告から決められた期間が過ぎるまでの家賃は借主が払うのが一般的です。法人契約などでは、2〜3か月前とすることもあります。

例予告が1か月前の契約で、3月31日に退去したいなら、2月末ごろまでに連絡してもらうことになります。

気をつけたい点解約予告が入った時点で次の募集をすぐ始められるよう、管理会社と段取りを決めておいて下さい。そうすれば、空室の期間を短くしやすくなります。退去立会いの日程も、このときに決めることが多いです。

関連語退去立会い、普通借家契約、募集図面・内見、空室率・稼働率

火災保険・施設賠償責任保険 かさいほけん・しせつばいしょうせきにんほけん

ひとことで言うと大家さんが建物にかける火災などの保険と、建物の不具合で他人にけがをさせたときに備える保険のことです。

火災保険は、火事のほか、風災・水災・水漏れなども補償の範囲に入れられます。地震による損害は、火災保険とセットで入る地震保険でないと補償されません。施設賠償責任保険は、外壁がはがれ落ちて通行人がけがをした、というようなときの賠償に備えるもので、入居者が入る家財の保険とは別のものです。

例一棟アパートを買ったら、建物の火災保険(地震保険付き)と施設賠償責任保険を、決済の日から始まるように手配しておきます。

気をつけたい点火災保険の契約期間は、最長5年とされています。融資を受けるときに、保険への加入を条件にされることもあります。補償の範囲と免責金額は、入るときに一度目を通しておいて下さい。

関連語修繕義務、決済、運営費

管理会社・管理委託 かんりがいしゃ・かんりいたく

ひとことで言うと家賃の集金や入居者への対応など、賃貸の運営を大家さんに代わって行う会社と、その仕事を任せることです。

任せる中身は、家賃の集金と送金、滞納の督促、入居者からの連絡への対応、退去の立会い、入居者募集の手配などです。委託料は家賃の3〜5%程度と言われています。200戸以上を管理する会社は、賃貸住宅管理業法により国への登録が必要です。

例家賃が月6万円の部屋で委託料が5%なら、管理会社への支払いは毎月3,000円(税別)になります。

気をつけたい点見るのは料金だけではありません。何をどこまでやってくれるのか、修繕を手配するときに費用がどれくらい上乗せされるのかを、契約前に確かめて下さい。私は、連絡の早さも大事な判断材料だと考えています。

関連語自主管理、サブリース、運営費、滞納

管理組合・総会(区分) かんりくみあい・そうかい

ひとことで言うと分譲マンションの持ち主全員でつくる、建物を管理するための団体と、その話し合いの場のことです。

区分マンションを買うと、自動的に管理組合の組合員になります。年1回ほどの総会で、管理費や修繕積立金の額、大規模修繕の実施などを決めます。総会の議事録や長期修繕計画を読めば、そのマンションのお金の状態や、もめごとの有無が見えてきます。

例買う前に、仲介会社を通じて直近2〜3年分の議事録と長期修繕計画を取り寄せ、修繕積立金の値上げの予定がないかを確認します。

気をつけたい点2025年に区分所有法が改正され、2026年4月1日から、総会での決め方(規約の変更などを、出席した人の多数で決める方式になるなど)が変わっています。投資用で住んでいなくても、総会の案内には目を通しておいて下さい。2026年10月時点の内容です。

関連語区分所有、管理費・修繕積立金、大規模修繕、法定点検

客付け・元付け きゃくづけ・もとづけ

ひとことで言うと入居者を探して連れてくる仲介会社(客付け)と、大家さんから部屋の募集を任されている会社(元付け)のことです。

賃貸の募集では、元付けの会社が募集図面を作って情報を流し、部屋を探しに来たお客さんに街の仲介会社(客付け)が紹介する、という流れがよくあります。管理会社が元付けを兼ねることも多いです。つまり、客付けの会社にとって紹介しやすい部屋かどうかで、決まりやすさが変わってくるということです。

例管理会社(元付け)に募集をお願いし、駅前の仲介会社(客付け)がお客さんを案内して申込みが入る。よくあるのはこういう形です。

気をつけたい点情報が一部の会社にしか届いていないと、紹介してもらえる機会が減ることがあります。どの会社に情報が届いているか、ときどき確かめてみて下さい。

関連語募集図面・内見、広告料(AD)、仲介手数料(賃貸)、管理会社・管理委託

原状回復・経年劣化・通常損耗 げんじょうかいふく・けいねんれっか・つうじょうそんもう

ひとことで言うと退去のときに部屋を元に戻すことと、時間の経過や普通に使って傷んだ分は借主の負担にならない、という考え方のことです。

よく使われるのが国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で、2020年の改正民法(621条)でも、通常損耗や経年劣化は借主の原状回復の対象外と書かれました。日焼けした壁紙や家具の跡などは大家さんの負担、たばこのヤニや不注意でできた傷などは借主の負担、というのが基本の考え方です。

例ガイドラインでは、壁紙は6年で価値がほぼなくなると考えます。そのため、入居6年後の退去なら、借主の不注意で汚れた壁紙でも、張り替え費用の多くは大家さんの負担になります。

気をつけたい点特約で借主の負担を増やすこともできますが、内容がはっきりしていて、借主が十分に理解していることが求められます。迷うときは、管理会社や専門家に相談すると安心です。

関連語敷金、退去立会い、特約、修繕義務

広告料(AD) こうこくりょう

ひとことで言うと入居者を決めてくれた仲介会社に、大家さんが募集の費用として払うお金のことです。

業界では「AD」と呼ばれます。家賃の1〜2か月分などと言われますが、地域や時期による差がとても大きいお金です。仲介手数料とは別の名目で支払われ、空室が多い地域では、広告料がないと紹介してもらいにくいこともあるようです。

例家賃6万円の部屋で広告料が1か月分なら、入居が決まったときに6万円(税別)を払います。

気をつけたい点広告料を増やすか、家賃を下げるか。どちらを選ぶかで、長い目で見た収支は変わってきます。私は、まず地元の仲介会社に相場を聞いてから決めるのがよいと考えています。

関連語客付け・元付け、仲介手数料(賃貸)、募集図面・内見、空室率・稼働率

更新料 こうしんりょう

ひとことで言うと賃貸借契約を更新するときに、借主が大家さんに払うお金のことです。

そもそも法律で決まったものではなく、契約書に書いてある場合にだけ発生します。2年ごとに家賃1か月分などが多いと言われますが、更新料の慣習がない地域もあります。2011年の最高裁の判決では、契約書にはっきり書かれ、金額が高すぎなければ有効とする判断が示されています。

例家賃6万円で「2年ごとに更新料1か月分」と書いてあれば、更新のたびに6万円を受け取ります(一部を管理会社の手数料にする場合もあります)。

気をつけたい点有効かどうかは、契約の書き方や金額などで個別に判断されます。トラブルになりそうなときは、弁護士などの専門家にご相談下さい。

関連語普通借家契約、礼金、特約、不動産所得

サブリース(一括借り上げ) さぶりーす

ひとことで言うと会社が物件を丸ごと借り上げて入居者に又貸しし、大家さんには決まった家賃を払う仕組みのことです。

空室があっても家賃が入るので、「家賃保証」と説明されることがあります。ところが、契約の中で家賃の見直しが決められていることが多く、借地借家法により、借り上げる会社から減額を求められることもあります。2020年に成立した賃貸住宅管理業法で、誇大広告や不当な勧誘が禁止され、契約前の重要事項説明も義務になりました。

例「30年一括借り上げ」と聞いて契約しても、10年後に家賃の減額を求められる。そういうことが起こりうる仕組みです。

気をつけたい点大家さんの側からは解約しにくい契約になっていることもあります。家賃の見直しの時期と解約の条件だけは、契約前に必ず読んで下さい。

関連語管理会社・管理委託、借地借家法、普通借家契約、地主・土地活用

残置物 ざんちぶつ

ひとことで言うと前の入居者や売主が、部屋や建物に残していった物のことです。

残っている物でも、持ち主の物であることに変わりはありません。大家さんが勝手に処分すると、あとでトラブルになることがあります。2021年には、単身の高齢者が亡くなった場合などに備えて、国交省から「残置物の処理等に関するモデル契約条項」が出されています。

例前の入居者が置いていったエアコンを、次の入居者との契約で「残置物」と書いておけば、壊れたときに大家さんが直す義務はない、という扱いにすることが多いです。

気をつけたい点処分するのは、持ち主から放棄の書面をもらうなど、手順を踏んでからです。判断に迷うときは、専門家にご相談下さい。

関連語滞納、修繕義務、現況有姿、退去立会い

敷金 しききん

ひとことで言うと入居のときに借主から預かり、退去のときに未払いの家賃などを差し引いて返すお金のことです。

2020年4月施行の改正民法で、敷金の意味と返すタイミングが条文に書かれました。部屋を明け渡してもらったあと、未払いの家賃や、借主の負担になる原状回復の費用を差し引いて、残りを返します。物件を売買したときは、敷金を返す義務も買主に引き継がれます。

例敷金16万円を預かっていて、借主の負担になる修理費が3万円なら、返すのは13万円です。

気をつけたい点経年劣化や、普通に使って傷んだ分を敷金から引くことは、原則としてできません。オーナーチェンジで買うときは、引き継ぐ敷金がいくらなのかを、買う前に確かめておいて下さい。2026年10月時点の内容です。

関連語原状回復・経年劣化・通常損耗、礼金、賃貸人の地位の承継、オーナーチェンジ

自主管理 じしゅかんり

ひとことで言うと管理会社に任せず、家賃の管理や入居者の対応を大家さんが自分で行うことです。

委託料がかからず、入居者の様子や建物の状態を自分の目で把握できるのが良いところです。ただ、夜中の設備トラブルや滞納の督促、退去の立会いなども、自分で対応することになります。物件が遠い場合や本業が忙しい場合は、負担が大きくなりがちです。

例自宅の近くにアパートが1棟あって、時間にも余裕がある。そういう方が選ぶことが多いようです。

気をつけたい点入居者の募集は仲介会社にお願いすることになるので、相談できる会社を先に見つけておきたいところです。向き不向きもあります。最初は管理会社に任せて、慣れてから考えるという順番でも遅くはありません。

関連語管理会社・管理委託、客付け・元付け、滞納

修繕義務(貸主の) しゅうぜんぎむ

ひとことで言うと貸している部屋や設備が壊れたときに、大家さんが直さなければならない義務のことです。

民法で、貸主は使うために必要な修繕をする義務があるとされています。設備として貸している給湯器やエアコン、雨漏りなどは、原則として大家さんの負担になります。2020年の改正民法では、設備が壊れて一部が使えないときは、その分家賃が減るとされました。借主の不注意で壊れた場合は、借主の負担です。

例冬に給湯器が壊れてお湯が出なくなったら、早めに交換を手配します。直るまでに日数がかかれば、家賃の減額を求められることもあります。

気をつけたい点古い設備は、壊れる前に交換の時期と費用を見込んでおくと慌てずに済みます。費用が大きいときは、修繕費か資本的支出かを税理士に確認しておくと安心です。

関連語残置物、必要経費/修繕費と資本的支出、原状回復・経年劣化・通常損耗、火災保険・施設賠償責任保険

退去立会い たいきょたちあい

ひとことで言うと入居者が退去するときに、部屋の状態を一緒に確認することです。

管理会社の担当者が行うことが多く、傷や汚れの場所を確かめて、どちらの負担になるかを話し合います。基準は入居のときの状態なので、入居時に写真やチェックシートを残しておけば、それが精算の根拠になります。鍵の返却も、このときに受けるのが一般的です。

例床の傷を見つけたら、場所と大きさが分かる写真を撮ってチェックシートに書き、入居者に確認のサインをもらう。そういう流れで進めます。

気をつけたい点その場で金額まで決めようとすると、もめることがあります。見積りが出てから説明する形にするなど、急がずに進めて下さい。

関連語原状回復・経年劣化・通常損耗、敷金、解約予告、残置物

滞納 たいのう

ひとことで言うと入居者が、期日までに家賃を払っていない状態のことです。

滞納は最初の対応がいちばん大切だと言われていて、1か月目のうちに連絡して事情を聞き、支払いの約束を取りつけておくと、長引きにくいようです。何か月も続けば、契約の解除や明け渡しの手続きが必要になることもあります。ただ、どれだけ長引いても、大家さんが勝手に鍵を替えたり荷物を出したりすることはできません。

例引き落としができなかった日から数日のうちに、管理会社が入居者へ電話と書面で連絡する、という流れが一般的です。

気をつけたい点保証会社が付いているなら、まず保証会社に連絡を入れます。解除や明け渡しなどの法的な手続きは、弁護士や司法書士などの専門家に相談して進めるのが安心です。

関連語家賃保証会社、管理会社・管理委託、普通借家契約、残置物

仲介手数料(賃貸) ちゅうかいてすうりょう

ひとことで言うと部屋の賃貸借契約を仲介した会社に払う手数料のことです。

上限は宅建業法で決まっていて、貸主と借主から受け取る合計で、家賃の1か月分+消費税までです。住宅の場合、どちらか一方から受け取れるのは原則として0.5か月分+税までで、依頼者の承諾があれば1か月分まで受け取れる扱いです。広告料(AD)とは別のお金なので、分けて考えて下さい。

例家賃8万円の部屋なら、仲介手数料の上限は合計で8万円+税(8.8万円)です。

気をつけたい点売買の仲介手数料とは、計算のしかたがまったく違います。2026年10月時点の内容なので、細かな扱いは宅建業者にご確認下さい。

関連語広告料(AD)、仲介手数料(売買)、宅地建物取引業、客付け・元付け

入居審査 にゅうきょしんさ

ひとことで言うと申込みをした人に部屋を貸してよいかを、収入や勤め先などから確かめることです。

家賃保証会社の審査、管理会社の確認、最後に大家さんの判断、という順に進むことが多いようです。見るのは、収入と家賃のバランス、勤め先や勤続年数、緊急連絡先などです。審査の結果を見て、最後に貸すかどうかを決めるのは大家さんの役目になります。

例家賃が月収の3分の1以内かどうかを一つの目安にする、という話をよく聞きます。月収24万円なら、家賃8万円までが目安という計算です。

気をつけたい点国籍や年齢などを理由に一律に断ると、トラブルにつながることがあります。判断に迷うときは、一人で決めずに、管理会社と相談しながら進めて下さい。

関連語家賃保証会社、管理会社・管理委託、滞納

フリーレント ふりーれんと

ひとことで言うと入居してから一定の期間、家賃を無料にする条件のことです。

家賃そのものを下げずに入居者を集めたいときに使われます。家賃を下げると、ほかの部屋の家賃や、売るときの評価にも響きやすいので、無料の期間で調整するわけです。すぐに退去されると損になるため、「1年未満の解約は違約金」などの特約とセットにすることが多いです。

例家賃8万円、フリーレント1か月、2年契約なら、2年で受け取る家賃は8万円×23か月=184万円になり、月あたりにならすと約7.7万円です。

気をつけたい点違約金の特約は、口約束ではなく契約書に書いておく必要があります。物件を買う側に立ったときは、レントロールにフリーレント中の部屋がないかも見て下さい。満室に見えても、まだ家賃が入っていない部屋があるかもしれないからです。

関連語レントロール、特約、礼金、想定利回り・現況利回り

法定点検(消防設備点検など) ほうていてんけん

ひとことで言うと建物の大きさや用途に応じて、法律で定期的に行うよう決められている点検のことです。

代表的なのは消防設備点検で、共同住宅では消火器や自動火災報知設備などを定期的に点検し、決められた周期で消防署に報告します。ほかにも、建物の規模によっては建築基準法の定期調査や、エレベーター、受水槽などの点検が必要になります。区分マンションなら管理組合が行うので、個人で手配することはあまりありません。

例一棟アパートを買ったら、前のオーナーが消防設備点検をしていたか、報告書があるかを確かめ、管理会社に引き継いでもらいます。

気をつけたい点どの点検が必要かは、建物の規模・用途・設備によって変わります。分からないときは、管理会社や点検業者、自治体の窓口に確認すると安心です。

関連語管理会社・管理委託、運営費、管理組合・総会、一棟

募集図面(マイソク)・内見 ぼしゅうずめん・ないけん

ひとことで言うと空室の情報を1枚にまとめて仲介会社に配る資料と、入居を考えている人が実際に部屋を見に行くことです。

募集図面には、家賃・初期費用・間取り・設備・広告料などが載っていて、仲介会社はこれを見てお客さんに紹介します。内見は、仲介会社がお客さんを案内して部屋を見せることで、決まるかどうかを大きく左右します。鍵の受け渡しがしやすい、部屋がきれいに保たれているなど、内見しやすい部屋ほど決まりやすいと言われています。

例鍵を現地のキーボックスに入れておくと、仲介会社がすぐに案内できます。そのぶん内見の数も増えやすいようです。

気をつけたい点募集図面が古い条件のまま出回っていると、問い合わせが来ても話が食い違うことがあります。家賃や条件を変えたら、図面も一緒に更新してもらって下さい。

関連語客付け・元付け、広告料(AD)、間取り、空室率・稼働率

家賃保証会社 やちんほしょうがいしゃ

ひとことで言うと入居者が家賃を払えなくなったときに、代わりに立て替えて大家さんに払う会社のことです。

保証料は入居者が払うのが一般的で、最近は、連帯保証人の代わりに保証会社の利用を条件にする物件が多くなっています。滞納が起きると、保証会社が立て替えたうえで、入居者への督促を行います。融資の保証会社とは別のものなので、混同しないで下さい。

例入居のときに家賃の50%程度の初回保証料を、その後は年1万円程度の更新料を入居者が払う、という形がよく見られます。

気をつけたい点保証の範囲(原状回復費や、明け渡しの裁判費用まで含むか)や立て替えの上限は、会社ごとに違います。いざ滞納が起きてから中身を知る、ということにならないよう、契約の内容は一度読んでおいて下さい。

関連語連帯保証人・極度額、滞納、入居審査、保証料・保証会社

礼金 れいきん

ひとことで言うと入居のときに借主から大家さんに払われる、返さないお金のことです。

名前のとおり「お礼」の意味合いのお金なので、退去しても返しません。家賃の1か月分などが多いようですが、地域や物件によって差があり、礼金なしの物件も増えています。税金の上では、受け取った年の収入になります。

例家賃7万円の部屋で礼金1か月なら、入居のときに7万円を受け取ることになります。

気をつけたい点礼金があると、借主の初期費用はその分増えます。空室が続くときは、礼金をなくして決まりやすくする、という考え方もあります。まずは周りの物件の条件と比べてみて下さい。

関連語敷金、広告料(AD)、更新料、不動産所得

売買・仲介

売渡承諾書 うりわたししょうだくしょ

ひとことで言うと「この条件なら売ってもよい」という売主の気持ちを、書面で伝えるもののことです。

買付証明書に対して、売主側が出す書面です。価格や条件について売主が合意したことを形にしたもので、これをもとに契約の準備が進むことがよくあります。買付証明書と同じく売買契約そのものではないので、原則として法的な拘束力はないとされています。

例たとえば2,800万円の買付証明書に対して、売主が「2,850万円なら売ります」と売渡承諾書を返す。そんなやり取りになることもあります。

気をつけたい点売渡承諾書をもらっていても、契約までに条件が変わったり、ほかの買主に決まったりすることはあります。ひと安心できるのは、売買契約を結んでからです。

関連語買付証明書、指値、売買契約書

オーナーチェンジ おーなーちぇんじ

ひとことで言うと入居者が住んでいる状態のまま、物件の持ち主だけが替わる売買のことです。

買った日から家賃が入るので、空室を埋める手間がかかりません。その代わり、部屋の中を見られないことが多く、室内の傷み具合や設備の状態が分からないまま買うことになります。賃貸借契約や敷金は、原則としてそのまま新しいオーナーに引き継がれます。

例たとえば家賃月6万円で入居中の区分マンションを1,000万円で買うと、表面利回りは 72万円÷1,000万円=7.2% で、引渡しのあとから家賃が入り始めます。

気をつけたい点家賃の額、入居の時期、滞納の有無、敷金の額は、レントロールと賃貸借契約書で確かめて下さい。入居者が退去したあと、原状回復にどれくらいかかりそうかも、買う前の計算に入れておきたいところです。

関連語賃貸人の地位の承継、レントロール、敷金、原状回復

買付証明書 かいつけしょうめいしょ

ひとことで言うと「この物件を、この条件で買いたい」という気持ちを、売主側に書面で伝えるもののことです。

価格、手付金の額、融資を使うかどうか、契約や引渡しの希望時期などを書いて、仲介会社を通じて売主に渡します。人気のある物件では、買付証明書を出した順番や条件で、誰と話を進めるかが決まることがよくあります。ただし売買契約とは違い、出しただけでは原則として法的な拘束力はないとされています。

例たとえば「価格2,800万円、手付金100万円、融資利用(ローン特約付き)、契約は○月中」といった内容を書いて出します。

気をつけたい点拘束力がないからといって、気軽に出しては取り消すことをくり返すと、仲介会社や売主からの信用を失いかねません。出すのは、本当に買うつもりの条件のときだけにして下さい。

関連語売渡承諾書、指値、手付金・手付解除、ローン特約

買取(業者買取) かいとり

ひとことで言うと不動産会社が、自分で買主になって物件を買い取ることです。

仲介では一般の買主が見つかるまで待つ必要がありますが、買取なら、不動産会社と条件が合えば早く現金にできます。仲介手数料がかからないことや、契約不適合責任を免除してもらえることが多いのも特徴です。その代わり、会社は直したうえで転売する前提なので、価格は仲介で売るより安くなりやすいと言われています。

例たとえば仲介なら2,000万円前後で売れそうな物件でも、買取では1,600万円前後の提示になる、ということもあります。

気をつけたい点急いで売る必要がなければ、仲介と買取の両方で見積もりを取ってから決めても遅くはありません。手取りの金額と、売れるまでの時間を並べて比べてみると、納得しやすくなります。

関連語仲介・取引態様、査定・相場・成約事例、契約不適合責任

囲い込み かこいこみ

ひとことで言うと売却を頼まれた不動産会社が、両手を狙って、ほかの会社からの買主の紹介を断ってしまうことです。

ほかの会社から「買いたい人がいる」と問い合わせがあっても、「もう申込みが入っています」などと言って断ることを指します。売主にとっては買主の候補が減るので、売れるまでの時間が延びたり、値下げにつながったりするおそれがあります。2025年1月からは、レインズに取引の状況(公開中・申込みあり・紹介停止中など)を正しく登録することが求められ、事実と違う登録は指導や処分の対象になるとされています。

例売りに出してから問い合わせがほとんどないのに、レインズ上では「申込みあり」になっていた。たとえばこういうときに疑われます。

気をつけたい点売主は、レインズの登録状況を自分で確認できますし、仲介会社に問い合わせの件数や内容を聞くこともできます。気になったら、まずは落ち着いて担当者に確認するところから始めるのがよいかと思います。

関連語両手・片手、レインズ、媒介契約

競売 けいばい

ひとことで言うとローンの返済が滞ったときなどに、裁判所の手続きで物件が売られることです。

金融機関などの申立てにより、裁判所が物件を差し押さえ、入札で買い手を決めます。物件の資料(3点セットと呼ばれる書類)はインターネットでも見られ、一般の人も入札できます。市場の価格より安く買えることがある反面、中を見られないことが多く、売主の契約不適合責任もありません。

例たとえば裁判所が示す売却基準価額が1,000万円なら、その8割にあたる800万円以上で入札できる、といった決まりがあります。

気をつけたい点住んでいる人がいる場合の明渡しや、残置物の扱いなどは、自分で進めなければならないことがあります。初めての方は、手続きや費用をよく調べ、専門家にも相談しながら検討して下さい。法律や不動産の場面では「けいばい」と読むのが一般的です。

関連語任意売却、抵当権・根抵当権、残置物

固定資産税等の精算(日割り) こていしさんぜいとうのせいさん

ひとことで言うとその年の固定資産税・都市計画税を、引渡しの日を境に、売主と買主で日割りして分けることです。

固定資産税は、1月1日に所有していた人に、その年の分が課税されます。そこで売買では、売主がその年の分を納めることにして、引渡し日以降の分を買主が売主に払う、という精算をするのが一般的です。何日から1年を数えるか(起算日)は法律で決まっておらず、地域の慣習で、1月1日とするところと4月1日とするところがあると言われています。

例たとえば、年税額が12万円、起算日が1月1日、引渡しが7月1日なら、買主の負担はおよそ 12万円×184日÷365日=約6万円です。

気をつけたい点この精算金は税金そのものではなく、売買代金の一部として扱われます。会計や税務での処理は、税理士にご確認下さい。

関連語固定資産税・都市計画税、決済、固定資産税評価額

指値 さしね

ひとことで言うと売り出し価格より安い金額を示して、価格の交渉をすることです。

「この価格なら買います」という金額を、買付証明書などで伝えるのが一般的です。根拠のない大きな値下げを求めると、話すら聞いてもらえないこともあります。修繕が必要な箇所、近くの成約事例、空室の状況など、価格の理由を添えれば、売主側も検討しやすくなるかと思います。

例たとえば3,000万円で売り出されている物件に、屋根と外壁の修繕に約200万円かかる見込みを示して、2,800万円で買付を出す、というやり方です。

気をつけたい点通りやすさは、売主の事情(早く売りたいかどうか)や、ほかに買いたい人がいるかで大きく変わります。値下げが通らなかったときに元の価格でも買うのかは、先に決めておいて下さい。そうしておけば、返事が来たときに迷いません。

関連語買付証明書、査定・相場・成約事例、売渡承諾書

査定・相場・成約事例 さてい・そうば・せいやくじれい

ひとことで言うと物件がいくらで売れそうかの見立てと、その根拠になる、実際に売れた価格の例のことです。

ポータルサイトに載っている価格は「売り出し価格」で、実際に売れた「成約価格」とは違うことがよくあります。不動産会社の査定は近くの似た物件の成約事例などをもとに出されますが、会社によって金額に差が出ます。査定額は、「この価格で必ず売れる」という約束ではありません。

例たとえば近くの似た区分マンションが1,500万円で売り出され、1,400万円で成約していたなら、相場の目安は1,500万円ではなく、1,400万円に近いと見ます。

気をつけたい点媒介契約を取りたいために、高めの査定を出す会社もあると言われています。金額の高さより、根拠になった事例を見せてもらうほうが判断の材料になります。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」でも、取引価格の情報を調べられます。

関連語レインズ、指値、一物四価

収益物件・実需 しゅうえきぶっけん・じつじゅ

ひとことで言うと家賃収入を得るために持つ物件が収益物件、自分で住むために買う物件が実需です。

収益物件は、家賃と利回りから価格が考えられることが多く、空室が多いと価格が下がりやすくなります。実需の物件は、立地や広さ、きれいさなど、住む人にとっての価値で価格が決まりやすいです。同じ建物でも、入居者がいるかどうかで、どちらの見方で値段が付くかが変わることがあります。

例たとえば入居中の戸建てを投資家に売れば利回りから価格が決まり、空室にしてから住む人に売れば、近くの住宅の相場で価格が決まる、ということがあります。

気をつけたい点どちらの買い手に売るかで、出口の価格が大きく変わることも珍しくありません。将来どちらの人に売るつもりなのかは、買う前に考えておきたいところです。

関連語出口戦略、表面利回り、オーナーチェンジ、査定・相場・成約事例

建物状況調査(ホームインスペクション) たてものじょうきょうちょうさ

ひとことで言うと決められた講習を受けた建築士が、建物の傷みや不具合の様子を、目で見るなどして調べることです。

中古住宅の取引では、媒介契約を結ぶときに調査をする会社をあっせんできるかどうかを示すことや、重要事項説明で調査の結果を説明することなどが、宅建業者に求められています。屋根や外壁、基礎、雨漏りの跡などを見てもらえるので、買う前の判断材料になります。

例たとえば築30年の戸建てを買う前に、売主の了解を得て調査を頼み、雨漏りやシロアリの跡がないかを見てもらう、という使い方です。費用は数万円くらいからのことが多いようです。

気をつけたい点目で見える範囲の調査が中心なので、壁の中などすべてが分かるわけではありません。結果に問題がなくても、不具合がないことの保証にはならない。この点は、知っておいて損はありません。

関連語媒介契約、重要事項説明、契約不適合責任

仲介(媒介)・取引態様 ちゅうかい・ばいかい・とりひきたいよう

ひとことで言うと不動産会社が売主と買主のあいだに入って取引をまとめることと、その会社がどの立場で関わっているかの表示のことです。

物件の広告や資料には、「取引態様」として「売主」「代理」「媒介(仲介)」のどれかが書かれています。「売主」はその会社自身が売る物件、「代理」は売主の代わりに契約まで行う立場、「媒介」は売主と買主を引き合わせて契約をまとめる立場です。仲介と媒介は、ほぼ同じ意味だと考えて構いません。

例たとえば取引態様が「売主」なら、通常は仲介手数料はかかりません。「媒介」であれば、価格とは別に仲介手数料が要ります。

気をつけたい点取引態様によって、かかる費用や、契約不適合責任の扱い、クーリングオフの対象になるかどうかが変わることがあります。物件資料を見たら、まずこの欄に目を通して下さい。ここを見落とすと、諸費用の見込みが最初からずれてしまいます。

関連語媒介契約、仲介手数料(売買)、物件概要書、宅地建物取引業

仲介手数料(売買) ちゅうかいてすうりょう

ひとことで言うと売買の仲介をした不動産会社に、成功報酬として支払うお金のことです。

金額には法律で上限があり、売買価格が400万円を超える場合は「価格×3%+6万円」に消費税を足した額が上限です。あくまで上限なので、それより安くなることもあります。2024年7月からは、800万円以下の低廉な空き家などについて、売主・買主それぞれから最大33万円(税込)まで受け取れる特例もできました。

例たとえば3,000万円の物件なら、3,000万円×3%+6万円=96万円で、消費税10%を足した105万6,000円が上限です。

気をつけたい点支払いは、契約のときに半分、決済のときに残りの半分とすることが多いようです。安い物件の特例を使うには、事前の説明と合意が必要とされています。2026年10月時点の内容ですので、細かい条件は仲介会社に確認して下さい。

関連語仲介・取引態様、両手・片手、仲介手数料(賃貸)、自己資金・諸費用

任意売却 にんいばいきゃく

ひとことで言うとローンを返せなくなったときに、金融機関の同意を得て、競売になる前に普通の売買で売ることです。

売れる価格がローンの残高より少ないと、本来は抵当権を外せず、売ることができません。任意売却は、金融機関と話し合い、売れた代金で返せる分を返す代わりに、抵当権を外してもらう方法です。競売より市場の価格に近い値段で売れることが多いとされ、引越しの時期なども話し合いで決めやすいと言われています。

例たとえばローン残高2,500万円の物件が2,000万円でしか売れないとき、金融機関の同意を得て売却し、残りの500万円は分割で返していく、という形になることがあります。

気をつけたい点売ったあとも、残った借金がなくなるわけではないことが多いです。返済が苦しくなってきたら、延滞が長引く前に、金融機関や弁護士などの専門家へ早めに相談して下さい。時間がたつほど、選べる道は少なくなっていきます。

関連語競売、抵当権・根抵当権、信用情報

媒介契約(一般・専任・専属専任) ばいかいけいやく

ひとことで言うと不動産の売却などを不動産会社に頼むときに結ぶ契約のことで、3つの種類があります。

一般媒介は複数の会社に同時に頼める形で、専任媒介と専属専任媒介は、どちらも1社だけに頼む形です。違いは自分で見つけた相手との取引で、専任媒介なら直接取引でき、専属専任媒介ではその取引もその会社を通します。専任・専属専任は有効期間が3か月以内とされ、レインズへの登録や、売主への定期的な報告が義務になっています。

例たとえば売却活動の状況は、専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任媒介なら1週間に1回以上、報告されます。

気をつけたい点どれが向いているかは、物件や売り方によって違うかと思います。専任で頼むなら、レインズの登録証明書をもらい、問い合わせの状況も聞いておいて下さい。囲い込みに気づく手がかりになります。

関連語レインズ、囲い込み、仲介・取引態様、仲介手数料(売買)

物件概要書(販売図面) ぶっけんがいようしょ

ひとことで言うと売りに出ている物件の価格、場所、広さ、利回りなどの基本情報を、1枚ほどにまとめた資料のことです。

投資用の物件を探すとき、最初に目にするのがこの資料です。価格、所在地、交通、土地・建物の面積、構造、築年月、用途地域、建ぺい率・容積率、接道の状況、取引態様、満室のときの想定利回りなどが書かれています。限られたスペースにまとめてあるので、不利な情報が備考欄に小さく書かれていることもあります。

例たとえば、「価格2,000万円、満室想定年収180万円、表面利回り9%(180÷2,000)、築35年、木造、再建築不可」といった内容が並びます。

気をつけたい点私は、価格や利回りより先に、備考欄と取引態様、接道の欄を見るようにしています。利回りが「満室想定」か「現況」かも確かめておけば、あとで数字の違いに驚かずにすみます。

関連語仲介・取引態様、想定利回り・現況利回り、接道義務、レントロール

両手・片手 りょうて・かたて

ひとことで言うと1つの売買で、仲介会社が売主と買主の両方から手数料を受け取るのが両手、片方だけから受け取るのが片手です。

売主から売却を頼まれた会社が自分で買主も見つけると、両方から仲介手数料を受け取れます(両手)。ほかの会社が買主を連れてきた場合は、それぞれの会社が自分のお客さんからだけ受け取ります(片手)。両手そのものは違法ではありませんが、会社にとっては収入が倍になるので、囲い込みが起きる理由の一つと言われています。

例たとえば3,000万円の物件で両手になると、仲介会社は売主・買主から上限で105万6,000円ずつ、合わせて211万2,000円を受け取れる計算です。

気をつけたい点両手の取引だから悪い、とは一概に言えません。ただ、高く売りたい売主と安く買いたい買主のあいだで、仲介会社の立場が難しくなることはあります。

関連語仲介手数料(売買)、囲い込み、仲介・取引態様

レインズ れいんず

ひとことで言うと不動産会社だけが使える、売り物件などの情報を共有するネットワークのことです。

国土交通大臣が指定した団体(指定流通機構)が運営していて、全国の宅建業者が物件情報を登録し、ほかの会社の物件も探せます。専任媒介なら7日以内、専属専任媒介なら5日以内(休業日を除く)に登録する義務があります。成約した価格も登録されるので、相場を調べるときの資料にもなります。

例たとえば売却を専任で頼んだあと、仲介会社から「登録証明書」を受け取れば、その物件がレインズに載ったことを確かめられます。

気をつけたい点一般の人はレインズそのものを見られませんが、売主には、自分の物件の登録状況を確認できる仕組みがあります。登録証明書に書かれた方法で、一度見ておくだけでも違います。

関連語媒介契約、囲い込み、査定・相場・成約事例

法人・その他

空き家(特定空家・管理不全空家) あきや

ひとことで言うとだれも住まず、使われていない家のことで、手入れが悪いと自治体から指導を受けることがあります。

空家法では、倒れそうだったり衛生上問題があったりする空き家を「特定空家」としています。2023年12月の改正で、このままでは特定空家になりそうな「管理不全空家」も加わりました。どちらも自治体から勧告を受けると、土地の固定資産税を下げている住宅用地の特例が外れ、税金が大きく上がることがあります。

例相続した実家を何年も放っておき、草木が伸びて屋根が傷んでくると、自治体から連絡が来ることがあります。

気をつけたい点2026年10月時点の内容です。空き家は安く買える一方で、売主側が手放したい事情を抱えていることもあります。扱いに迷うときは、自治体の窓口や専門家に早めに相談して下さい。

関連語固定資産税・都市計画税、相続、戸建て

大家・賃貸経営 おおや・ちんたいけいえい

ひとことで言うと部屋や家を人に貸す人と、その貸す仕事を事業として続けていくことです。

大家は、家主やオーナーとも呼ばれます。このサイトでは、物件を買って利回りを得る「不動産投資」と、入居者さんに住んでもらい続ける「賃貸経営」を、ほぼ同じ意味で使っています。私は、買うときは投資、持っている間は経営、という気持ちで考えるとちょうどよいと思っています。

例入居者さんからの連絡に対応したり、空室の募集を仲介会社にお願いしたり、修繕の時期を考えたりするのが、大家としての日々の仕事です。

気をつけたい点利回りの数字だけの話ではなく、住んでいる方の暮らしを支えている仕事でもあります。管理を任せる場合でも、大家としての判断は自分に残ります。ここは忘れないで頂きたいところです。

関連語管理会社・管理委託、自主管理、インカムゲイン・キャピタルゲイン

株式会社・合同会社 かぶしきがいしゃ・ごうどうがいしゃ

ひとことで言うと会社を作るときによく選ばれる、2つの会社の形のことです。

株式会社はなじみがあり、対外的な信用を得やすいと言われています。合同会社は定款の認証が要らず、登記のときの税金も安いので、設立費用を抑えられます。不動産を持つための会社では、費用の安さから合同会社を選ぶ方も多いようです。

例設立のときに国に払う費用は、電子定款を使った場合で、株式会社がおよそ20万円前後、合同会社がおよそ6万円からが目安と言われています(司法書士に頼む場合は、その報酬が別にかかります)。

気をつけたい点税金の計算や融資の受けやすさは、会社の形よりも中身で決まることが多いです。費用の金額は2026年10月時点の目安で、改正されることもあります。設立のときに、司法書士などに確認して下さい。

関連語法人化、法人税、決算・決算書

決算・決算書 けっさん

ひとことで言うと会社の1年間のもうけと、持っている財産や借金をまとめることと、それを書いた書類のことです。

決算書の中心は、財産と借金の状態を表す貸借対照表と、1年間の収入と費用を表す損益計算書です。法人は、原則として事業年度の終わりから2か月以内に、決算をもとに税金の申告をします。融資を受けるときに、銀行が細かく見るのもこの決算書です。

例新しく物件を買おうとして銀行に相談すると、「直近3期分の決算書をお願いします」と言われることがよくあります。

気をつけたい点税金を抑えようとして赤字が続くと、融資の審査で不利になることがあります。税金と融資は、どちらか片方だけを見て決められるものではありません。数字の見せ方も含めて、税理士と相談しながら進めていくことになります。

関連語法人税、融資、属性、確定申告・税理士

地主・土地活用 じぬし・とちかつよう

ひとことで言うと土地を持っている人と、その土地にアパートを建てたり貸したりして、収入を得ようとすることです。

土地活用には、アパートや戸建てを建てて貸す、駐車場にする、土地のまま貸す、売る、などの方法があります。土地をすでに持っているので、利回りは高く見えやすくなります。建築会社や銀行から提案を受けることも多いですが、その計画が自分にとってよいかどうかは、別の目で確かめる必要があります。

例建築費6,000万円で年間家賃480万円なら、表面利回りは 480÷6,000=8%です。ここから空室や修繕費、借入れの返済を引いた手残りで考えてみると、印象が変わることがあります。

気をつけたい点提案書の家賃や入居率は、楽観的に見込まれていることもあります。複数の会社の話を聞き、サブリースの条件や相続での扱いも含めて、税理士など利害のない専門家に相談してから決めるのが筋だと思います。

関連語サブリース、実質利回り、相続税評価、出口戦略

社会保険(法人) しゃかいほけん

ひとことで言うと会社で働く人が入る、健康保険と厚生年金などの公的な保険のことです。

法人は、社長1人だけの会社でも、役員報酬を払っていれば原則として社会保険に入ることになります。保険料は報酬の額に応じて決まり、会社と本人で半分ずつ負担します。法人化を考えるなら、税金だけでなく、この保険料まで計算に入れておく必要があります。

例役員報酬を月10万円にするか月30万円にするかで、毎月の社会保険料も変わります。増えるのは、会社の負担分と本人の負担分の両方です。

気をつけたい点会社員の方が自分の会社でも報酬を受け取る場合は、手続きが複雑になることがあります。加入の要否や保険料は、社会保険労務士や税理士に確認するのがいちばん早いです。

関連語役員報酬、法人化、株式会社・合同会社

相続(不動産) そうぞく

ひとことで言うと亡くなった方が持っていた土地や建物を、家族などが引き継ぐことです。

2024年4月1日から、相続登記が義務になりました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をする必要があり、正当な理由なく放っておくと過料の対象になることがあります。義務化より前に相続した不動産も対象で、こちらは2027年3月31日が期限とされているので、名義が亡くなった方のままになっていないか、一度確かめておいて下さい。

例親が持っていたアパートを兄弟で相続する場合は、だれが引き継ぐかを話し合い(遺産分割)、決まった内容で相続登記をする、という流れが一般的です。

気をつけたい点2026年10月時点の内容です。登記の手続きは司法書士、相続税は税理士、もめごとは弁護士と、相談先が分かれます。迷っているうちに期限が近づく、ということにならないよう、早めに専門家に相談するのがいちばんです。

関連語相続税評価、所有権移転登記・司法書士、登記、空き家

法人化(資産管理会社) ほうじんか

ひとことで言うと個人ではなく、自分で作った会社の名前で不動産を持ったり、貸したりすることです。

不動産を持つための会社を、資産管理会社と呼ぶことがあります。個人の所得税は所得が増えるほど税率が上がる仕組みですが、法人の税率は比較的一定なので、所得が大きくなると法人のほうが有利になることがあります。その代わり、設立の費用や、毎年の決算・税理士への報酬、赤字でもかかる住民税の均等割など、法人ならではの出費もあります。

例家賃収入が少ないうちは個人のまま、規模が大きくなってから法人で買い始める、という順番を考える方もいます。

気をつけたい点法人化して得になるかどうかは、収入・家族・今後の計画によって人それぞれです。始める前に税理士に相談して、試算してもらってから決めても遅くありません。

関連語株式会社・合同会社、法人税、役員報酬、不動産所得

法人税 ほうじんぜい

ひとことで言うと会社のもうけ(所得)にかかる、国の税金のことです。

資本金1億円以下などの中小法人では、年800万円以下の所得には15%(特例による税率で、本来は19%)、800万円を超える部分には23.2%がかかります。実際には、このほかに法人住民税や法人事業税もかかるので、全体の負担はもう少し大きくなります。赤字の年でも、法人住民税の均等割は毎年かかります。

例所得が1,000万円なら、法人税は 800万円×15%+200万円×23.2%=120万円+46.4万円=166.4万円が目安です(住民税・事業税は別)。

気をつけたい点2026年10月時点の内容です。15%の税率は期限付きの特例(2027年3月31日までに始まる事業年度が対象)で、2026年4月以降に始まる事業年度からは、法人税額が年500万円を超える会社に防衛特別法人税も上乗せされます。改正が続いている分野なので、実際の税額は税理士に確認して頂きたいと思います。

関連語法人化、決算・決算書、役員報酬、確定申告・税理士

民泊 みんぱく

ひとことで言うと住宅などを使って、旅行者などにお金をもらって泊まってもらうことです。

主な形は3つあります。住宅宿泊事業法による届出の民泊は、年180日までしか泊めることができません。旅館業法の許可(簡易宿所など)を取れば日数の制限はなくなりますが、そのぶん建物の条件が厳しくなります。国家戦略特区の一部の地域では、特区民泊という形もあります。

例届出の民泊で年180日泊めると、残りの日は空いてしまいます。その期間をマンスリーで貸すなど、組み合わせで考える方もいます。

気をつけたい点区分マンションは、管理規約で民泊が禁止されていることが多いです。自治体の条例で地域や期間が制限されていることもあります。始める前に役所や専門家に確認しておかないと、始めてから止めることになりかねません。

関連語管理組合・総会、用途地域、空き家

役員報酬 やくいんほうしゅう

ひとことで言うと会社が社長などの役員に払う給料のことです。

役員報酬を会社の経費にするには、原則として毎月同じ額を払う必要があります(定期同額給与)。金額を変えられるのは、原則として事業年度が始まってから3か月以内などに限られます。年の途中でもうかったから増やす、という決め方をすると、増やした分は経費にならないことがあります。

例4月から始まる会社で、6月の株主総会で「7月から月20万円」と決めたら、その後は毎月20万円を払い続けることになります。

気をつけたい点役員報酬を出すと、個人の所得税や社会保険料にも関わってきます。いくらにするのがよいかは人によって違うので、税理士に相談したうえで決めて下さい。

関連語社会保険、法人税、法人化、決算・決算書

REIT(不動産投資信託) りーと

ひとことで言うと多くの人から集めたお金で不動産を買い、その家賃などを分配する、証券取引所で売り買いできる商品のことです。

オフィスビルや物流施設、マンションなどに、少ない金額から間接的に投資できます。株式と同じように売り買いできるので、現物の不動産よりお金に換えやすいのが特徴です。ただ、融資を使って規模を大きくしたり、自分で手を入れて価値を上げたりすることはできません。

例数万円から買える銘柄もあります。分配金を受け取りながら、不動産の値動きを学ぶという使い方もできるかと思います。

気をつけたい点価格は株式市場の動きにも左右されるので、元本が減ることもあります。同じ「不動産」でも、現物とは別の性格の商品だと考えて下さい。

関連語インカムゲイン・キャピタルゲイン、レバレッジ、大家・賃貸経営

建築・構造

石綿(アスベスト) あすべすと

ひとことで言うと天然の鉱物の繊維で、以前は断熱材や屋根材、壁材などに広く使われた材料です。健康を損なうおそれがあり、今は製造・使用が禁止されています。

アスベストは吹き付けの耐火材、保温材、スレートの屋根材や外壁材、床のタイルなどに使われ、2006年9月からは原則として製造・使用が禁止されています。それより前の建物には含まれている可能性があり、解体やリフォームの前には事前調査が必要です。2022年4月からは、解体80㎡以上・改修100万円以上(税込み)などの工事で、調査結果の報告も義務になっています(2026年10月時点)。重要事項説明で「記録なし」とされても、含まれていない意味ではありません。古い物件では、解体や改修の費用にこの分を見込んでおくとよいと思います。

関連語重要事項説明(重説)、建物状況調査(ホームインスペクション)、築年数

違反建築(建ぺい率・容積率オーバー) いはんけんちく

ひとことで言うと建てたときから、またはその後の工事で、建ぺい率や容積率など建築基準法の決まりを守っていない建物のことです。

確認を受けずに増築した、車庫やベランダを部屋にしたなどで、建ぺい率や容積率の上限をこえた建物に多く見られます。あとからルールが変わってはみ出した既存不適格とは違い、建てた側や持ち主の工事が原因です。役所から工事の停止や違反部分の是正を命じられる可能性があり、多くの金融機関は融資に慎重です。価格が安く利回りが高く見えるのは、買える人や売る先が限られることの裏返しです。気をつけたい点は、売主さん自身が違反に気づいていないこともある点です。検査済証や建築計画概要書の面積と登記・現地を見比べ、是正の費用を誰が持つかを契約の前に確かめて下さい。

関連語既存不適格、建ぺい率、容積率、建築確認・確認済証・検査済証

請負契約・見積書・追加工事 うけおいけいやく

ひとことで言うと請負契約は仕事の完成を約束して代金を払う契約、見積書はその代金の内訳、追加工事は契約のあとで増えた工事のことです。

工事の請負契約では、工事会社が完成と引き渡しを約束し、頼んだ側が代金を払います。完成したものが契約と違えば補修や代金の減額を求められますが、不具合を知ってから1年以内に伝える必要があります(2026年10月時点)。建設業法では、工事の内容・代金・工期などを書いた書面(電子でも可)で契約し、変更するときも書面で行うことになっています。見積書は、「一式」とだけ書かれた行や「別途」の欄に何が含まれているかを確かめ、追加工事は始める前に金額を出してもらって書面で合意しておくと、終わったあとの「言った・言わない」を防ぎやすくなると思います。

関連語契約不適合責任、特約、大規模修繕、必要経費/修繕費と資本的支出

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) えすあーるしーぞう

ひとことで言うと鉄骨の柱や梁のまわりに鉄筋を組み、コンクリートで包んで固めた建物で、高層や大型のマンションに多い構造のことです。

鉄骨のねばり強さと鉄筋コンクリートの硬さを組み合わせた構造で、高い建物を建てやすいため、高層マンションや大型のマンションに多く使われてきました。最近は高強度のコンクリートを使ったRC造で高層を建てる例も増えています。住宅用の法定耐用年数はRC造と同じ47年です(2026年10月時点)。持つ側から見た違いは、主に区分マンションで出ます。戸数や共用の設備が多い大型のマンションでは、管理費や修繕積立金の中身が複雑になりがちです。気をつけたい点は、SRC造でも旧耐震の時期のものがあり、構造の名前だけで地震への強さは判断できないことです。耐震診断の有無と、長期修繕計画で積立金の値上げ予定を確かめて下さい。

関連語鉄筋コンクリート造(RC造)、構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、管理費・修繕積立金(区分)、旧耐震・新耐震

基礎(布基礎・ベタ基礎) きそ

ひとことで言うと建物の重さを地面に伝えるコンクリートの部分で、壁の下に帯状に作る布基礎と、床下全面を覆うベタ基礎があります。

布基礎は逆T字形のコンクリートを壁の下に沿って作る形で、古い木造住宅の多くがこれです。ベタ基礎は床下の全面を鉄筋入りのコンクリートで覆い、重さを面で受ける形で、湿気やシロアリが上がりにくいとされ、最近の木造住宅に多く使われます。どちらを使えるかは地盤の強さで決まり、2000年の国の基準では、地盤が弱いほど使える基礎が限られます。気をつけたい点は、形より状態を見ることです。幅の広いひびや段差、建物の角から斜めに走るひびは、建築士さんに見てもらって下さい。2000年より前の家では、鉄筋の入っていない基礎もあります。

関連語屋根裏・床下・点検口、建物状況調査(ホームインスペクション)、旧耐震・新耐震、耐震等級

既存住宅売買瑕疵保険 きぞんじゅうたくばいばいかしほけん

ひとことで言うと中古住宅の売買後に構造や雨漏りの欠陥が見つかったとき、補修費を保険金でまかなう保険で、加入前に建物の検査を受けます。

対象は、柱・梁・基礎など構造の主な部分と、屋根・外壁など雨水の入るのを防ぐ部分で、特約で給排水管などを加えられる商品もあります。保険に入るのは買主ではなく、売主の宅建業者や、検査会社・仲介会社です。保険期間は1年・2年・5年、保険金額は200万円から1,000万円の中から選ぶ形で、売主が業者か個人かで選べる範囲が変わります(2026年10月時点)。加入には、保険法人の基準での検査に合格し、新耐震の基準などに合っていることが条件です。気をつけたい点は、引渡しの後では入れないことと、内装・設備・経年の傷み・地震などは対象外が一般的な点です。契約の前に、入れる建物かを確かめて下さい。

関連語契約不適合責任、建物状況調査(ホームインスペクション)、屋根裏・床下・点検口、中古戸建の購入前に確認する建築関係の書類

既存遡及 きそんそきゅう

ひとことで言うと既存不適格の建物で増築などをするとき、今の基準をもとからある部分にもさかのぼって当てはめることです。

既存不適格の建物は、使い続けている間は今の基準に合わせて直す義務はありません。ところが、増築、改築、大規模の修繕・模様替え、用途の変更など建築確認の要る工事をするときは、原則として建物全体を今の基準に合わせることが求められます。これが既存遡及です。一定の範囲の増築などでは、既存部分への当てはめをゆるめる決まりもありますが、どこまで認められるかは工事の内容と建物の状態で変わります。気をつけたい点は、遡及による補強などの費用が、設計を進めてから見えてくることです。増築部分だけの見積もりで判断せず、工事の前に建築士さんへ、何が求められるかを確かめて下さい。

関連語既存不適格、増築・改築・大規模の修繕・模様替え、違反建築(建ぺい率・容積率オーバー)、建築基準法

接合部・筋かい・耐力壁 きんかい

ひとことで言うと耐力壁は地震や風の横からの力を受け止める壁、筋かいはその中に斜めに入れる補強の材、接合部は柱や梁などのつなぎ目のことです。

木造は柱と梁だけでは横からの力でゆがむため、筋かいや構造用合板で耐力壁をつくります。壁の強さは壁倍率で表し、厚さ4.5cm・幅9cmの筋かい1本で2.0、たすき掛けで4.0、9mmの構造用合板で2.5などとされています(2026年10月時点)。つなぎ目が抜けないよう金物で留めるのが接合部です。2000年の基準の見直しで金物の使い方や壁の配置の釣り合いが具体的に求められたため、1981年6月から2000年5月までに建築確認を受けた木造は、耐震性を確かめておくとよいと思います。壁を抜くリフォームの前には、耐力壁かどうかの確認が欠かせません。

関連語旧耐震・新耐震、構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、建物状況調査(ホームインスペクション)

杭基礎・地盤改良 くいきそ

ひとことで言うと地盤改良は弱い地面を固めたり補強したりすること、杭基礎は地中深くの固い層まで杭を届かせて建物を支える基礎のことです。

建てる前の地盤調査で地盤が弱いとわかると、弱い層が浅ければ表層改良、少し深ければ柱状改良、もっと深ければ鋼管杭などで対策することになります。調査は、戸建てならスクリューウエイト貫入試験、大きな建物ならボーリング調査が一般的です。改良の費用は土地を買って調査してから確定することが多く、新築の利回りを下げる原因になりがちです。中古では基礎のひび割れや床の傾きに地盤の問題が表れることがあるので、建物状況調査や当時の地盤調査の記録で確かめておくとよいと思います。改良体や杭は地中に残るので、工事の記録も保管しておきたいところです。

関連語契約不適合責任、建物状況調査(ホームインスペクション)、構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)

建築確認・確認済証・検査済証 けんちくかくにん

ひとことで言うと建築確認は着工前の図面の審査、確認済証はその合格証、検査済証は完成した建物が図面どおりと確かめられた合格証のことです。

一定の建物は、工事の前に図面を役所か指定確認検査機関に審査してもらい(建築確認)、通ると確認済証が出ます。工事が終わると完了検査を受け、合格すると検査済証が出ます。完了検査を受ける割合は、平成10年度の約4割から今は約9割に上がったとされ、古い建物では検査済証がないことも珍しくありません。気をつけたい点は、検査済証がないと、金融機関によっては融資を受けにくく、増築や用途の変更の手続きでも困ることがある点です。売主さんが書類をなくしていても、役所で台帳記載事項証明書を取ると、確認や検査の記録がわかる場合があります。

関連語既存不適格、違反建築(建ぺい率・容積率オーバー)、延床面積、中古戸建の購入前に確認する建築関係の書類

建築基準法 けんちくきじゅんほう

ひとことで言うと建物の敷地・構造・設備・用途について、守るべき最低限の基準を決めた法律のことです。

1950年にできた法律で、第1条で「最低の基準」を定めるとしています。中身は、構造の強さや防火、採光・換気など建物そのものの決まりと、接道、用途地域、建ぺい率、容積率、高さの制限など街並みの決まりに大きく分かれ、後者は主に都市計画区域などの中で適用されます。大きな地震や事故のたびに見直され、1981年の耐震基準、2000年の木造の基準、2025年4月の小規模な木造建物の審査の見直しなどがありました。気をつけたい点は、法律に加えて自治体の条例で上乗せの決まりがあることと、改正で以前はできた工事に確認が要るようになることがある点です。重要事項説明書の「法令に基づく制限」の欄から確かめて下さい。

関連語接道義務、建ぺい率、容積率、既存遡及

建築士(一級・二級)と設計・施工・監理 けんちくし

ひとことで言うと建築士は設計と工事監理をする国家資格の人です。設計は図面をつくること、施工は建てること、監理は工事が図面どおりかを確かめることです。

建築士には一級・二級・木造があり、扱える建物の規模や構造が決まっています。たとえば高さ16mをこえる建物や、延べ300㎡をこえる鉄筋コンクリート造・鉄骨造は一級建築士でなければ設計できません(2026年10月時点)。施工は建設業の許可を持つ工事会社などが担い、監理は工事を図面と一つずつ照らし合わせて確かめる役割です。設計と施工を同じ会社に頼むと、監理もその会社の建築士になることが多いので、基礎の配筋や構造の金物を確かめた記録(写真や報告書)を出してもらえるかを、契約の前に聞いておくとよいと思います。

関連語建物状況調査(ホームインスペクション)、既存不適格、構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)

建築条件付き土地 けんちくじょうけんつきとち

ひとことで言うと土地を買った人が、決められた期間のうちに、売主や売主が指定した会社と建物の工事の契約を結ぶことを条件に売られる土地のことです。

売主の不動産会社と建てる会社が決まっている土地に多い売り方で、条件の期間は土地の契約から3か月以内とされることが多いようです。期間内に建物の請負契約がまとまらなければ土地の契約は白紙になり、手付金などは返ってくるのが原則ですが、請負契約を結んだあとに自分の都合でやめると手付金を失う場合があります。建物は決まった会社が建てる前提なので、工法や設備を選べる幅は、その会社の標準の範囲に限られがちです。土地の安さだけで決めず、契約の前に建物の概算の見積もりを出してもらい、土地と合わせた総額で比べておくとよいと思います。

関連語手付金・手付解除、ローン特約(融資特約)、重要事項説明(重説)、売買契約書

建築図面(平面図・立面図・求積図) けんちくずめん

ひとことで言うと建物の形や大きさを決まった描き方で表した図のことです。上から見た平面図、横から見た立面図、面積の計算を示した求積図などがあります。

建築図面には、各階を真上から見た平面図、外観を横から見た立面図、縦に切った断面図、敷地の中の建物の位置を示す配置図、面積の計算を示す求積図などがあります。どれも建築確認のときに提出するもので、控えが売主さんの手元に残っていることも珍しくありません。図面は建てる前の計画なので、増築や工事中の変更があれば現物と違ってくる点に注意が要ります。部屋の数や窓の位置を、現地で照らし合わせてみて下さい。建物の求積図は土地の境界を確定したものではないため、土地の面積は地積測量図で確かめます。図面がないときは、役所で建築計画概要書などを取れるか聞いてみるとよいと思います。

関連語延床面積、専有面積・壁芯・内法、境界確定・公簿売買・実測売買

建築面積・床面積 けんちくめんせき

ひとことで言うと建築面積は建物を真上から見た広さ、床面積は各階の床の広さで、建ぺい率と容積率の計算に使います。

建築面積は、外壁や柱の中心線で囲まれた部分を真上から見た面積で、いわゆる建坪です。2階が張り出していれば、その部分も含みます。ひさしや軒は、先端から1mまでは算入しません。床面積は各階の壁や柱の中心線で囲まれた面積で、合計が延床面積です。建ぺい率には建築面積を、容積率には延床面積を使います。気をつけたい点は、資料によって面積の数え方が違うことです。登記簿の床面積と建築確認の床面積は一致しないことがあり、広告の施工面積は会社ごとの数え方です。あとから付けたカーポートで建築面積が増え、建ぺい率をこえている家もあるので、現地と図面を見比べて下さい。

関連語延床面積、建ぺい率、専有面積・壁芯・内法、ロフト・小屋裏収納・地下室の扱い

工務店・ハウスメーカー・設計事務所 こうむてん

ひとことで言うとハウスメーカーは規格化した商品を広い地域で建てる会社、工務店は地域で設計と施工を請け負う会社、設計事務所は設計と監理を専門にする事務所です。

ハウスメーカーは仕様を決めた商品を工場生産の部材で建てることが多く、品質や工期が読みやすい反面、自由度には限りがあります。工務店は地域で設計から施工までを請け負い、規模や得意分野は会社ごとに違うのが特徴です。設計事務所は頼む人の立場で設計し、工事は別の会社に発注して監理を担います。工事を請け負うには、建築一式なら1件1,500万円以上(延べ150㎡未満の木造住宅を除く)、その他は500万円以上で建設業の許可が要ります(2026年10月時点、税込み)。見積もりは「別途」の行まで含めた総額で比べるとよいと思います。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、大規模修繕、建物状況調査(ホームインスペクション)

コンクリートの中性化・ひび割れ こんくりーとのちゅうせいか

ひとことで言うと中性化は、アルカリ性のコンクリートが空気中の二酸化炭素で表面からアルカリ性を失っていくこと、ひび割れはコンクリートに入る割れのことです。

鉄筋はアルカリ性のコンクリートに守られてさびにくくなっていますが、中性化が鉄筋の位置まで届くと、水と空気でさびが進みやすくなります。鉄筋のまわりのコンクリートの厚み(かぶり厚さ)は、壁や床で2cm以上、柱・梁などで3cm以上などと決められています(2026年10月時点)。中性化は年数の平方根にほぼ比例して進むと言われ、かぶりの薄い部分から傷みが始まることが多いようです。ひび割れは、国の住宅紛争処理の基準で、幅0.5mm以上やさび汁を伴うものが要注意とされています。外壁の調査や修繕の記録を見せてもらうとよいと思います。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、大規模修繕、旧耐震・新耐震

シックハウス・24時間換気 しっくはうす

ひとことで言うとシックハウスは建材などから出る化学物質で体調を崩すこと、24時間換気はその対策として住宅に求められる、常に空気を入れ替える設備のことです。

2003年7月から建築基準法で、シロアリ駆除剤のクロルピリホスの使用禁止、ホルムアルデヒドを出す建材の使用制限、住宅の居室への機械換気の設置(1時間に部屋の空気の半分以上を入れ替える)が決められています(2026年10月時点)。ホルムアルデヒドを出す建材の等級は、F☆☆☆☆が最も出す量の少ないものです。入居者さんが換気を止めると、結露やカビが出て、退去時の原状回復でもめる原因になります。入居時の案内に換気を止めないでほしい理由を書き、給気口やフィルターの掃除も、退去後の点検の項目に入れておくとよいと思います。

関連語原状回復・経年劣化・通常損耗、修繕義務(貸主の)、退去立会い

斜線制限・日影規制 しゃせんせいげん

ひとことで言うと周りの日当たりや風通しを守るために、建物の高さを斜めの線や冬の日の影の時間で制限する決まりのことです。

斜線制限には、前の道路の反対側から引く道路斜線、隣地との境から引く隣地斜線、北側の隣地の日当たりを守る北側斜線があります。日影規制は、冬至の日の午前8時から午後4時(北海道は午前9時から午後3時)に、建物が周りに落とす影の時間を制限する決まりで、対象や時間は用途地域と自治体の条例で決まります。斜線の代わりに天空率という計算で確かめる方法もあります。気をつけたい点は、容積率に余裕があっても、高さの制限で上の階が削られ、思ったほど建てられないことがある点です。建て替えを前提に土地を見るときは、建築士さんにボリュームチェックを頼むと見当がつきます。

関連語容積率、用途地域、建ぺい率、建築基準法

住宅性能表示制度 じゅうたくせいのうひょうじ

ひとことで言うと住宅の性能を国が決めた共通の物差しで等級や数値にし、第三者の評価機関が評価して示す任意の制度のことです。

2000年施行の品確法にもとづく制度で、新築住宅では構造の安定(耐震等級など)、劣化の軽減、温熱環境、音環境、防犯など10の分野があります。評価書には、図面の段階で評価する設計住宅性能評価書と、工事中と完成時の検査をもとにする建設住宅性能評価書の2種類があり、完成した建物まで確かめているのは建設のほうです。既存住宅を評価する仕組みもあります。気をつけたい点は、設計の評価書だけで建設の評価書がない住宅があることと、評価は評価した時点のものなので、中古ではリフォームで性能が変わっていることがある点です。等級は分野ごとに見て下さい。

関連語耐震等級、長期優良住宅、既存住宅売買瑕疵保険、建物状況調査(ホームインスペクション)

スケルトン・インフィル すけるとんいんふぃる

ひとことで言うと建物を、長く使う骨組み(スケルトン)と、取り替える内装や設備(インフィル)に分け、別々に手を入れられるようにする設計の考え方です。

スケルトンは柱・梁・床・外壁などの構造と共用の配管、インフィルは間取りの壁、仕上げ、キッチンや浴室、部屋の中の配管や配線のことです。床を二重にして配管を通す、共用の縦の配管を部屋の外に出すといった工夫をした建物は「SI住宅」と呼ばれ、長期優良住宅の認定でも、配管の更新のしやすさが基準の一つです。古いマンションでは、部屋の配管が床のコンクリートの中や下の階の天井裏を通っていて、取り替えに下の階の協力が要ることがあります。区分マンションで手を入れられるのは原則として専有部分なので、管理規約と配管の通り方を、買う前に確かめておくとよいと思います。

関連語区分所有(区分マンション)、大規模修繕、管理費・修繕積立金(区分)

土地の形状(整形地・不整形地・角地) せいけいち

ひとことで言うと整形地は正方形や長方形に近い使いやすい土地、不整形地はいびつな形の土地、角地は二つの道路が交わる角にある土地のことです。

整形地は建物の配置に無駄が出にくく、駐車場も取りやすいので、一般に好まれます。三角形・台形・L字形・旗竿地などの不整形地は、同じ面積でも建てられる建物が小さくなることがあり、相続税の評価では使いにくさに応じて評価が下がります。角地は日当たりや出入りがよく、特定行政庁が定める条件に合えば建ぺい率が10%上乗せされます(2026年10月時点)。ただし条件は自治体ごとで、角の部分を道路として空ける隅切りが求められることもあります。形の悪い土地が安く出ているときは、形以外に接道や境界の問題がないかも、公図と地積測量図で確かめておくとよいと思います。

関連語建ぺい率、接道義務、一物四価(実勢価格・公示地価・路線価・固定資産税評価額)、相続税評価(不動産)

ZEH・省エネ基準 ぜっち

ひとことで言うと省エネ基準は住宅の断熱と省エネの最低ライン、ZEHはより高い性能に太陽光発電などを足して、エネルギーの差し引きをゼロ以下にする住宅です。

省エネ基準は、断熱等性能等級4と一次エネルギー消費量等級4にあたる水準で、2025年4月からは新築の住宅に原則として適合が義務づけられています(2026年10月時点)。ZEH水準はその上の断熱等級5・一次エネルギー消費量等級6(基準より20%削減)で、太陽光発電などを加えて差し引きゼロ以下にしたものがZEHです。国は2030年度までに新築の基準をZEH水準へ引き上げる方針です。中古では性能の書類がないことが多いので、住宅性能評価書やBELSの有無を確かめ、断熱の弱さが募集にどう響くかを考えておくとよいと思います。

関連語築年数、空室率・稼働率、必要経費/修繕費と資本的支出

増築・改築・大規模の修繕・模様替え ぞうちくかいちく

ひとことで言うと建築基準法の工事の区分で、床面積を増やす、建て直す、骨組みの過半を同じ材料で直す、違う材料に替える工事のことです。

増築は床面積を増やすこと、改築はほぼ同じ規模・構造に建て直すこと、大規模の修繕・模様替えは、壁・柱・床・梁・屋根・階段のどれかの過半を直す・替えることです。2025年4月からは、木造2階建てや延べ200㎡超の建物でも、大規模の修繕・模様替えに建築確認が要るようになりました(2026年10月時点)。屋根ふき材や外壁の外装材だけを替える工事は、一般に大規模の修繕・模様替えにあたらない扱いとされています。気をつけたい点は、防火地域・準防火地域では小さな増築でも確認が要ることと、再建築不可や違反建築の建物では確認の要る工事が難しいことです。工事の前に建築士さんに確かめて下さい。

関連語既存遡及、再建築不可、必要経費/修繕費と資本的支出、建築確認・確認済証・検査済証

耐火建築物・準耐火建築物 たいかけんちくぶつ

ひとことで言うと耐火建築物は火事が終わるまで構造が崩れずに耐えられる建物、準耐火建築物は決められた時間、燃え広がりや崩れを遅らせられる建物のことです。

耐火建築物は柱・梁・床・壁などが通常の火事が終わるまで倒れない性能を持ち、開口部に防火設備を備えた建物で、RC造のマンションの多くが該当します。準耐火建築物は45分や1時間など一定の時間耐える建物で、木造でもつくれます。どちらが求められるかは防火地域・準防火地域と規模・階数・用途で決まり、防火地域では3階以上か延べ100㎡超なら原則として耐火建築物などにする必要があります(2026年10月時点)。火災保険ではM・T・Hの構造の区分に関わるので、性能を示す書類を手元に用意しておくとよいと思います。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、火災保険・施設賠償責任保険、用途地域、既存不適格

耐震・制震・免震 たいしんせいしんめんしん

ひとことで言うと耐震は建物を強くして耐える、制震は装置で揺れを吸収する、免震は装置で揺れを伝わりにくくする、という地震への備え方の違いです。

耐震は柱・梁・壁を強くして揺れに耐える考え方で、ほとんどの建物がこれにあたります。制震は建物の中のダンパーで揺れのエネルギーを吸収する考え方で、高層の建物や最近の戸建てにも使われます。免震は建物と基礎の間に積層ゴムなどの装置を入れ、地面の揺れを建物に伝わりにくくする考え方で、家具の転倒や設備の被害も抑えやすいとされます。気をつけたい点は、免震の装置にも点検や将来の更新があり、長期修繕計画にその費用が入っていないと、積立金の値上げにつながりうることです。建物のまわりのすき間に物を置かないことも求められます。制震は製品によって効き方が違うので、中身を確かめて下さい。

関連語耐震等級、旧耐震・新耐震、大規模修繕、管理組合・総会(区分)

耐震等級 たいしんとうきゅう

ひとことで言うと建物の地震への強さを、住宅性能表示制度の物差しで1〜3の等級にしたもので、数字が大きいほど強いという意味です。

等級1は建築基準法が求める最低限の強さで、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の地震の力に耐えられる水準です。等級は住宅性能表示制度の評価や長期優良住宅の認定の中で、第三者の機関が確かめて示します。等級を示す書類があれば、地震保険で等級に応じた割引(等級1で10%、等級2で30%、等級3で50%。2026年10月時点)を受けられます。気をつけたい点は、広告の「耐震等級3相当」は第三者の評価を受けていない自己申告のことが多く、割引に使えないことがある点です。等級は建てたときの評価なので、間取りを変えた中古住宅では、リフォームの記録もあわせて見て下さい。

関連語住宅性能表示制度、長期優良住宅、旧耐震・新耐震、火災保険・施設賠償責任保険

断熱(断熱材・断熱等級) だんねつ

ひとことで言うと建物の外と中の間で熱が出入りしにくくすることです。その性能を7段階で表したものが断熱等級(断熱等性能等級)です。

断熱材は壁・天井・床下に入れる熱を伝えにくい材料で、グラスウールや発泡プラスチック、吹き付けの発泡ウレタンなどがあります。窓のガラスやサッシも断熱の一部です。断熱等級は住宅性能表示制度の等級で、2022年に5〜7が加わり、2025年4月以降に工事を始める新築は原則として等級4以上が求められます(2026年10月時点)。物差しのUA値は小さいほど熱が逃げにくく、東京などでは0.87以下が等級4、0.60以下が等級5の目安です。中古では断熱材の有無が見えないので、点検口から天井裏や床下の状態を見ておくと、結露や暑さの相談に備えられます。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、必要経費/修繕費と資本的支出、建物状況調査(ホームインスペクション)

中古戸建の購入前に確認する建築関係の書類 ちゅうこ

ひとことで言うと建てたときの許可や検査、図面、その後の修繕や点検の記録など、中古戸建ての状態と法律上の扱いを確かめる書類のことです。

建てたときの書類(確認済証、検査済証、確認申請の図面、性能評価書など)、役所や法務局で取れる書類(建築計画概要書、台帳記載事項証明書、登記事項証明書、建物図面、公図、地積測量図など)、その後の記録(修繕やシロアリの消毒の記録、建物状況調査の報告書、耐震診断の結果など)に分けると整理しやすくなります。読み取りたいのは、いつの基準で建てられたか、法律に沿って建てられたか、その後に何をしてきたかの3つです。気をつけたい点は、重要事項説明の直前に初めて書類を見ても読む時間がないことです。買付の前後に見たい書類の一覧を仲介会社さんに渡し、現地とも見比べて下さい。

関連語建築確認・確認済証・検査済証、建物状況調査(ホームインスペクション)、登記(登記簿謄本・登記事項証明書)、既存住宅売買瑕疵保険

長期優良住宅 ちょうきゆうりょうじゅうたく

ひとことで言うと長く良い状態で使えるよう、構造・設備・維持保全の計画などが基準を満たし、役所の認定を受けた住宅のことです。

2009年に始まった制度で、耐震性、劣化しにくさ、配管の点検・交換のしやすさ、省エネの性能などの基準と、30年以上の維持保全の計画が認定の条件です。2022年からは既存住宅の認定の仕組みもあります。認定を受けた新築住宅には、登録免許税・不動産取得税の軽減や、固定資産税の減額期間の延長(戸建てで3年から5年など)といった特例があります(2026年10月時点。期限や用途の条件あり)。気をつけたい点は、認定後も計画どおりの点検と記録が求められることと、中古で持ち主が変わるときは計画を引き継ぐ手続きが要ることです。認定の書類と点検の記録を引き継げるかを確かめて下さい。

関連語住宅性能表示制度、耐震等級、固定資産税・都市計画税、不動産取得税

鉄筋コンクリート造(RC造) てっきんこんくりーとぞう

ひとことで言うと鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込み、柱・梁・床・壁を一体に固めた建物のことです。

コンクリートは押す力に強く、鉄筋は引っぱる力に強いので、組み合わせて弱いところを補い合っています。アルカリ性のコンクリートは、中の鉄筋をさびから守る役目もあります。重くて硬いため、音や揺れが伝わりにくく火にも強い構造で、マンションに多く使われます。住宅用の法定耐用年数は47年です(2026年10月時点)。一方、外壁の補修や屋上の防水、配管、エレベーターなど、まとまった費用の工事が周期的にかかります。気をつけたい点は、ひびからさび汁が出ていたり、鉄筋が見えていたりする箇所で、中の鉄筋がさびているサインとされます。一棟なら工事の記録、区分なら長期修繕計画と積立金の残高を確かめて下さい。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、大規模修繕、管理費・修繕積立金(区分)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨造(軽量鉄骨・重量鉄骨) てっこつぞう

ひとことで言うと柱や梁に鋼材を使った建物で、一般に鋼材の厚さ6mm未満を軽量鉄骨、6mm以上を重量鉄骨と呼びます。

軽量鉄骨は、薄い鋼材を工場で加工して現場で組み立てる作り方が多く、ハウスメーカーのアパートによく使われます。壁の中の筋かいで揺れに耐えるため、壁を抜く大きなリフォームはしにくいことがあります。重量鉄骨は厚い柱と梁で支える作り方で、3階建て以上の建物や店舗付きの建物に多く、間取りの自由がききやすい一方、建てる費用は高めです。どちらも鉄がさびると弱くなるので、外階段や廊下などの鉄部は定期的な塗装が要ります。気をつけたい点は、軽量鉄骨はメーカー独自の工法が多く、増築や間取りの変更を頼める業者が限られやすいことです。税金の耐用年数は鋼材の厚さで変わるので、図面で厚さを確かめて下さい。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、法定耐用年数、大規模修繕、一棟(一棟アパート・一棟マンション)

2項道路・みなし道路 にこうどうろ

ひとことで言うと幅4m未満でも、建築基準法が適用されたときに建物が立ち並んでいたなどの理由で、特定行政庁が道路とみなすと指定した道のことです。

建築基準法42条2項に定めがあるので2項道路と呼ばれ、「みなし道路」とも言います。基準になる時点は多くの地域で1950年11月23日、あとから都市計画区域に入った地域はその日です。2項道路に面した土地は、建て替えのときに道路の中心線から2mの位置まで敷地を下げます(セットバック)。見た目が似た細い道でも、指定のない道に面した土地は原則として建て替えができず、43条2項の認定や許可が要ります(2026年10月時点)。前の道の種別は、役所の建築指導や道路の窓口で、指定道路図などを見ながら確かめておくとよいと思います。

関連語セットバック(2項道路)、接道義務、私道(私道負担)、再建築不可

RC造の鉄筋の腐食(爆裂) ばくれつ

ひとことで言うとコンクリートの中の鉄筋がさびて膨らみ、まわりのコンクリートを内側から押し割って、はがれ落ちさせる傷みのことです。

中性化が鉄筋まで届いたり、ひび割れから水が入ったりして鉄筋がさびると、膨らむ力でコンクリートが割れ、かたまりごとはがれます。ベランダの先端や庇(ひさし)、外廊下の天井など、雨がかかりかぶりが薄くなりがちな部分によく出ます。補修は、浮いたり傷んだりしたコンクリートを取り除き、さびを落として防さび処理をし、モルタルで形を戻すのが一般的です。高い場所の補修は、補修そのものより足場の費用が大きくなるので、大規模修繕とまとめる考え方もあります。ただし、人が通る場所の上は落下の責任にも関わるので、早めに手当てするとよいと思います。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、大規模修繕、法定点検(消防設備点検など)、火災保険・施設賠償責任保険

バリアフリー・ハートビル ばりあふりー

ひとことで言うとバリアフリーは段差などの障壁をなくすこと、ハートビル法はそのために1994年にできた建物の法律で、今はバリアフリー法に引き継がれています。

ハートビル法は多くの人が使う建物に段差の解消や手すりなどを求める法律で、2006年に交通バリアフリー法と統合されて今のバリアフリー法になりました。床面積2,000㎡以上の特別特定建築物の新築などは基準への適合が義務ですが、共同住宅は国の法律では努力義務で、東京都のように条例で義務づける自治体もあります(2026年10月時点)。賃貸では、要介護などの認定を受けた入居者さんが介護保険の住宅改修(20万円までの工事が対象)で手すりを付けるとき、大家の承諾が要ります。退去時に外すか残すかを、書面で決めておくとよいと思います。

関連語入居審査、原状回復・経年劣化・通常損耗、家賃保証会社

プレハブ・ユニット工法 ぷれはぶ

ひとことで言うと建物の部材を工場であらかじめつくり、現場で組み立てる建て方のことです。ユニット工法は、部屋単位の箱ごと工場でつくって積み重ねる方法です。

プレハブには鉄骨系・木質系・コンクリート系などがあり、賃貸アパートでは軽量鉄骨の骨組みに壁のパネルを組み合わせたものが多く見られます。ユニット工法は現場の工事が少なく、工期が短いのが特長です。型式の認定を受けた住宅は、建築確認で構造などの審査の大部分が省かれます。軽量鉄骨は鋼材の厚さで法定耐用年数が19年・27年などに分かれるので、厚さを仕様書で確かめるのが先決です。中古では、構造の資料が手元にないことや、保証が点検の継続を条件にしていることがあるため、建てた会社と保証の状態を確かめておくとよいと思います。

関連語構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、法定耐用年数、中古資産の耐用年数(簡便法)

防火地域・準防火地域 ぼうかちいき

ひとことで言うと市街地の火事の広がりを防ぐために都市計画で指定される地域で、建物を燃えにくい作りにすることが求められます。

防火地域は駅前や幹線道路沿いなど密集した中心部に、準防火地域はその周りの住宅地などに広く指定されます。求められる作りは階数と延べ面積で決まり、防火地域では3階以上か延べ100㎡超で耐火建築物など、準防火地域では4階以上か延べ1,500㎡超で耐火建築物などが必要です(2026年10月時点)。燃えにくい作りにすると、建ぺい率が10%上乗せされる緩和もあります。気をつけたい点は、小さな増築でも建築確認が要ることと、窓の交換でも延焼のおそれのある部分は防火設備の窓を選ぶ必要があることです。敷地が地域にまたがるときは、原則として厳しいほうの決まりがかかります。

関連語用途地域、建ぺい率、増築・改築・大規模の修繕・模様替え、建築基準法

木造の寿命と耐用年数の違い もくぞうのじゅみょう

ひとことで言うと耐用年数は税金の計算のために国が決めた年数、寿命は建物が実際に使える年数です。木造住宅の耐用年数は22年ですが、寿命は手入れで変わります。

法定耐用年数は建物の取得費を経費にしていく年数で、住宅用の木造は22年です(2026年10月時点)。年数を過ぎても建物が使えなくなるわけではなく、雨水・湿気・シロアリを防いで手入れを続ければ、築50年をこえて使われる木造も多くあります。ただ、耐用年数の残りを融資の期間の目安にする金融機関が多いため、築古の木造は借りられる期間が短くなりがちで、銀行の担保評価でも建物の価値は小さめに見られがちです。税金と融資の年数と、建物の実際の状態は分けて考え、修繕の履歴や建物状況調査(ホームインスペクション)で、あと何年使えそうかを確かめるとよいと思います。

関連語法定耐用年数、中古資産の耐用年数(簡便法)、築年数、建物状況調査(ホームインスペクション)

屋根裏・床下・点検口 やねうら

ひとことで言うと屋根裏と床下は傷みが出やすいのに見えにくい場所で、点検口はそこをのぞくための入り口のことです。

屋根裏では雨漏りのしみや木材の黒ずみ、断熱材のずれが、床下ではシロアリの跡や配管の水漏れ、湿気によるカビや腐れが見つかることがあります。点検口は押し入れの天袋の天井や、洗面所・台所の床下収納に付いていることが多く、ふたを開けて懐中電灯で照らすだけでも、部屋の中ではわからない傷みに気づけます。リフォームで部屋がきれいでも、床下や屋根裏の傷みは残っていることがあります。気をつけたい点は、古い家では点検口自体がないことがあり、その場合は建物状況調査でも床下や屋根裏が「調査できなかった」扱いになりやすいことです。中に入るのは踏み抜きやけがのおそれがあるので、業者さんや建築士さんに任せて下さい。

関連語建物状況調査(ホームインスペクション)、契約不適合責任、築年数、既存住宅売買瑕疵保険

ロフト・小屋裏収納・地下室の扱い ろふと

ひとことで言うとロフト・小屋裏収納は条件を満たせば床面積に数えない物置、住宅の地下室は一定範囲で容積率から外せる空間のことです。

屋根裏や天井裏の収納(ロフトを含む)は、多くの自治体の取扱いで、天井の高さ1.4m以下、出入りする階の床面積の2分の1未満などの条件を満たすと、床面積にも階数にも数えません。住宅の地下室は、天井が地面から1m以下しか出ていなければ、住宅部分の床面積の合計の3分の1まで容積率の計算から外せます。どちらも床面積の上限にしばられずに空間を増やせる一方、居室として使わないことが前提です。気をつけたい点は、募集で「部屋」として扱わないことと、条件をこえたロフトは床面積に数えられ、容積率や階数の決まりに合わなくなるおそれがあることです。地下室は湿気や浸水にも気をつけて下さい。

関連語建築面積・床面積、延床面積、容積率、間取り(1R・1K・1DK・1LDK)

設備・修繕・劣化

雨漏り(原因・調査・修理) あまもり

ひとことで言うと屋根や外壁、ベランダなどのすき間から雨水が建物の中に入り込むことです。水が出た場所と入った場所は離れていることが多いです。

入口になりやすいのは、屋根の板金や瓦のずれ、外壁のひび割れ、窓まわりのシーリング(コーキング)の切れ、ベランダや平らな屋根の防水の傷みです。水は柱や梁を伝って流れるので、シミの真上に原因があるとは限りません。原因を確かめずに天井だけ張り替えると、次の大雨で同じシミが出ます。散水調査などで入口を突き止めてから直すのが、結果として安く済む順番です。気をつけたい点は、年数がたって傷んだことによる雨漏りは、多くの火災保険で補償の対象外になることです。台風などで壊れた場合は風災として扱われることがあるので、写真を残してから保険会社に相談して下さい。

関連語屋根(スレート・瓦・ガルバリウム)、防水(ウレタン・シート・アスファルト)、火災保険・施設賠償責任保険、修繕義務(貸主の)

インターネット無料・Wi-Fi設備 いんたーねっと

ひとことで言うと大家が建物全体で回線を契約し、入居者さんが個別に契約しなくてもインターネットを使えるようにする設備です。

多くは光回線を建物に1本引き込み、各部屋のLANの差込口やWi-Fiの機器に分ける形です。入居者さんは入居した日から使え、通信費もかからないので、部屋探しで条件として選ばれやすい設備です。大家は建物単位で契約し、毎月の費用を払います。費用は回線の種類や室数で変わり、数年単位の契約が多く、途中解約で費用がかかることがあります。気をつけたい点は、回線を全室で分け合うため、使う人が重なる時間に遅くなることです。「遅い」という連絡は大家側では直せないので、業者さんの問い合わせ先を入居者さんに伝えておいて下さい。

関連語募集図面(マイソク)・内見、空室率・稼働率、運営費(ランニングコスト)、オートロック・防犯カメラ

エレベーター・消防設備の点検 えれべーたー

ひとことで言うとエレベーターと消防用設備には、法律で定期的な点検・検査と役所への報告が求められています。費用は毎年の運営費になります。

エレベーターは建築基準法で年1回の定期検査と特定行政庁への報告が求められ、別に保守契約を結ぶのがふつうです。保守契約には、部品交換や修理まで含むフルメンテナンス契約と、点検と消耗品の補充が中心のPOG契約があります。消防用設備は消防法で6か月に1回の機器点検と1年に1回の総合点検を行い、共同住宅は3年に1回消防署に報告します(2026年10月時点)。気をつけたい点は、POG契約では部品交換の費用が別にかかり、部品の生産が終わると修理できず入れ替えになることです。買う前に、修理の記録と報告書の指摘事項を確かめて下さい。

関連語法定点検(消防設備点検など)、火災報知器・消火器・避難経路、運営費(ランニングコスト)、一棟(一棟アパート・一棟マンション)

オートロック・防犯カメラ おーとろっく

ひとことで言うとオートロックは共用の入口を住人以外が通れないようにする仕組み、防犯カメラは共用部などを録画する機器です。

オートロックは、エントランスの電気錠と各部屋のインターホンを組み合わせた設備で、後から付けるには扉の交換と全室への配線が必要になります。防犯カメラは、エントランスや駐輪場、ゴミ置き場などに付けることが多く、いたずらや不法投棄、盗難が起きにくくなる効果が期待されます。買い取りのほか、月額で借りる形もあり、修理や交換が料金に含まれるかで比べ方が変わります。気をつけたい点は、特定の人がわかる映像は個人情報にあたるとされることです。撮影していることの掲示、映像を見られる人と保存期間の決め方など、運用のルールを先に決めておいて下さい。

関連語インターネット無料・Wi-Fi設備、管理会社・管理委託、騒音・近隣トラブルの対応、運営費(ランニングコスト)

外壁(サイディング・モルタル・タイル) がいへき

ひとことで言うと建物の外側を覆う壁のことです。サイディング、モルタル、タイルなどがあり、種類によって傷み方と直し方が違います。

サイディングは工場でつくった板を張る外壁で、板のつなぎ目を埋めるシーリング(コーキング)が先に傷みます。モルタルは塗って仕上げる外壁で、ひび割れから水が入ると下地を傷めます。タイルは汚れに強い反面、下地から浮いて剝がれる心配があります。どれも表面の塗装やシーリングが雨を防いでいるので、塗り替えや打ち直しを先延ばしにすると、直す範囲が広がります。工事には足場が要るため、屋根の工事と時期を合わせると費用を抑えやすくなります。気をつけたい点は、見た目がきれいでも工事の中身まではわからないことです。いつ、どこまで直したかを、見積書や請求書で確かめて下さい。

関連語屋根(スレート・瓦・ガルバリウム)、大規模修繕、防水(ウレタン・シート・アスファルト)、コンクリートの中性化・ひび割れ

火災報知器・消火器・避難経路 かさいほうちき

ひとことで言うと火事を知らせる警報器や報知設備、初期消火の消火器、外へ逃げる通路や階段のことです。建物の用途と広さで決まりが変わります。

住宅用火災警報器は、新築は2006年6月から、既存住宅も2011年6月までに、すべての住宅で付けることになりました。寝室と寝室のある階の階段が基本で、条例で台所などにも求める自治体があります。交換の目安は10年とされています。共同住宅では、おおむね延べ面積150㎡以上で消火器、500㎡以上で自動火災報知設備が必要とされています(2026年10月時点。階や用途で別の基準あり)。気をつけたい点は、全室同じ年に付けた警報器は同じ年に寿命が来ることです。製造年を一覧にして、まとめて交換して下さい。共用廊下の私物は、避難の妨げになるので早めに声をかけて下さい。

関連語法定点検(消防設備点検など)、エレベーター・消防設備の点検、火災保険・施設賠償責任保険、ゴミ置き場・共用部の清掃

カビ・結露・湿気対策 かび

ひとことで言うと結露は、暖かく湿った空気が冷たい面にふれて水滴になる現象です。続くとカビや木材の傷みにつながります。

結露は、1枚ガラスとアルミサッシの窓、北側の外壁に面した押入れ、断熱の足りない壁など、外の冷たさが伝わりやすい場所で起きます。湿気のもとは料理や入浴、部屋干し、ストーブなどで、すき間の少ない建物ほど換気をしないとこもります。対策は、内窓や断熱材、換気扇などの建物側と、換気や家具の置き方などの暮らし方の側の両方があります。気をつけたい点は、退去時の負担の分かれ目です。国土交通省のガイドラインでは、結露を放置して広がったカビやシミは入居者さんの負担とされますが、建物の作りが原因の結露は大家側の問題です。立会いでは写真を残して下さい。

関連語原状回復・経年劣化・通常損耗、断熱(断熱材・断熱等級)、シックハウス・24時間換気、退去立会い

給湯器・エアコンの耐用年数と交換 きゅうとうき

ひとことで言うと給湯器やエアコンは10年前後で交換を考える設備です。税金の計算に使う法定耐用年数とは別の話です。

ガス給湯器には設計上の標準使用期間が表示されていて、10年としているものが多いとされています。エアコンも10年前後のものが多く、期間をこえると故障や事故の心配が増え、修理用の部品もなくなっていきます。税金の面では、建物に付けた給湯器は建物附属設備として15年、壁掛けのルームエアコンは器具及び備品として6年が法定耐用年数とされています(2026年10月時点)。これは減価償却の年数で、実際に使える年数とは別です。気をつけたい点は、同じ年に入れた設備は壊れる時期も重なることです。全室の製造年を一覧にして、交換の順番と予算を早めに考えておいて下さい。

関連語法定耐用年数、修繕義務(貸主の)、必要経費/修繕費と資本的支出、プロパンガス・都市ガス

給排水管(鉄管・塩ビ管・更新) きゅうはいすいかん

ひとことで言うと水を部屋に届ける給水管と、使った水を外に流す排水管のことです。壁や床の中にあり、傷んでも気づきにくい設備です。

古い建物では給水管に亜鉛めっき鋼管(鉄管)が使われていることがあり、内側のさびで赤い水が出たり、穴があいて水漏れになったりします。新しい建物では、さびない塩ビ管や樹脂管が多く使われています。排水管はつまりや継ぎ目からの漏れが起きやすく、台所の排水は定期的な高圧洗浄が欠かせません。直し方には、内側を樹脂で塗る「更生」と、新しい管に替える「更新」があります。気をつけたい点は、水漏れの費用の多くが、配管そのものより下の部屋の天井や家財の補償にかかることです。区分マンションでは漏れた場所で負担する人が変わるので、管理規約と保険の範囲を確かめて下さい。

関連語受水槽・高置水槽・直結給水、修繕義務(貸主の)、長期修繕計画、築年数

修繕積立金の不足・一時金 しゅうぜんつみたてきん

ひとことで言うと工事に対して修繕積立金が足りない状態のことです。足りない分は、積立金の値上げや一時金で集めます。

不足が起きる主な理由は、新築時の積立金が低く、あとから上げる前提だったこと(段階増額積立方式)、工事の単価の上昇、滞納や計画外の工事です。国土交通省の修繕積立金ガイドライン(2024年6月改訂)では、段階的に上げる場合も最初の額は均等積立の0.6倍以上、最後の額は1.1倍以内が目安とされ、20階未満・延べ床5,000㎡未満の平均は1㎡あたり月335円とされています(2026年10月時点)。値上げや一時金は総会で決まり、反対した人も払う義務を負います。気をつけたい点は、今の積立金が安い部屋ほど、将来の値上げで手残りが減りやすいことです。長期修繕計画で将来の金額を確かめて下さい。

関連語管理費・修繕積立金(区分)、長期修繕計画、大規模修繕、管理組合・総会(区分)

受水槽・高置水槽・直結給水 じゅすいそう

ひとことで言うと受水槽は水道水をいったん貯めるタンク、高置水槽は屋上から水を配るタンク、直結給水はタンクを通さない方式です。

一棟の建物では、水道の水を受水槽に貯め、ポンプで屋上の高置水槽に上げたり、直接各部屋に送ったりする方式があります。水槽があると清掃や点検、ポンプの交換の費用がかかります。受水槽の有効容量が10㎥をこえる建物は水道法の簡易専用水道にあたり、毎年1回以上の清掃と、登録検査機関の検査が求められています(2026年10月時点)。直結給水は水槽の管理が要らず、水も新鮮なまま届きますが、水道管の太さや水圧などの条件があります。気をつけたい点は、ポンプが止まると建物全体が断水することです。買う前に、清掃・検査の記録とポンプの製造年を確かめて下さい。

関連語給排水管(鉄管・塩ビ管・更新)、法定点検(消防設備点検など)、一棟(一棟アパート・一棟マンション)、長期修繕計画

浄化槽・下水道・汲み取り じょうかそう

ひとことで言うと排水を下水道に流すか、敷地の浄化槽できれいにして流すか、タンクに貯めて汲み取るか、という排水の方式の違いです。

下水道は公共の管に流す方式で、建物側の手間はほとんどありません。浄化槽は敷地に埋めた槽で汚水をきれいにしてから流す方式で、持ち主には保守点検と清掃、毎年1回の法定検査を受ける義務があります(浄化槽法。2026年10月時点)。汲み取りは便槽に貯めて定期的に汲み取ってもらう方式です。浄化槽には、トイレだけを処理する単独処理と、生活排水をまとめて処理する合併処理があり、単独処理の新設は2000年の法改正で原則できなくなりました。気をつけたい点は、下水道が使えるようになると接続の義務が生じ、汲み取り便所は3年以内に水洗化する決まりがあることです。費用は持ち主の負担です。

関連語戸建て(戸建て賃貸)、運営費(ランニングコスト)、市街化区域・市街化調整区域、プロパンガス・都市ガス

シロアリ(防蟻・保証) しろあり

ひとことで言うと木を食べて家の土台や柱を内側から傷める虫です。被害を防ぐため薬剤などで処理しておくことを防蟻処理といいます。

シロアリは湿った木材を好み、地面から基礎を伝って床下に入ります。水まわりや、雨漏り・水漏れのあった場所は被害が出やすいところです。建築基準法の決まりで、木造の柱や土台などのうち地面から1m以内の部分には、腐れを防ぐ措置と、必要に応じてシロアリを防ぐ措置が求められています。ただ、薬剤の効果は一般に5年ほどで薄れるとされ、再処理の目安も5年ごとと言われます。気をつけたい点は、前の持ち主が付けた保証が、売買で持ち主が変わると切れたり、手続きをしないと引き継げなかったりすることです。買うときは保証書の写しをもらい、残りの期間と名義の変更を業者さんに確かめて下さい。

関連語屋根裏・床下・点検口、建物状況調査(ホームインスペクション)、契約不適合責任、構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)

長期修繕計画 ちょうきしゅうぜんけいかく

ひとことで言うとマンションなどで、いつ・どこを・いくらで直すかを30年ほど先まで並べた計画です。修繕積立金の額のもとになります。

国土交通省のガイドライン(2024年6月改訂)では、計画期間を30年以上かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とし、5年程度ごとに調査・診断をして見直すことが示されています。大規模修繕工事の周期は12年から15年程度とされています(2026年10月時点)。表には工事の項目ごとの年と金額、修繕積立金の残高の推移が並び、残高がマイナスになる年があれば、その前に値上げか一時金が必要になります。気をつけたい点は、何年も見直していない計画は工事の単価が古く、不足が隠れていることです。作成日と最後の見直しの年、大きな工事が抜けていないかを確かめて下さい。

関連語大規模修繕、管理費・修繕積立金(区分)、修繕積立金の不足・一時金、マンションの管理計画認定・管理規約

DIY・セルフリフォーム でぃーあいわい

ひとことで言うと業者さんに頼まず、大家自身や入居者さんが部屋の修繕や模様替えをすることです。資格の要る作業もあります。

壁紙の張り替え、床材を上から敷く作業、ペンキ塗り、網戸の張り替えなどは、大家が自分でやりやすい作業です。反対に、コンセントやスイッチの交換など配線にふれる作業は電気工事士の資格が要り、ガス機器の接続や、配管を伴う水道の工事も、資格のある人や水道局の指定業者が行う決まりです。入居者さんが自分の費用で手を入れられるDIY型の貸し方もあり、範囲と退去時の扱いを書面で決めておきます。気をつけたい点は、浮いた費用だけで判断しないことです。仕上がりが悪く空室が延びれば、浮いた分はすぐに消えます。入居者さんが毎日使う設備ほど、業者さんに任せる考え方もあります。

関連語リフォーム・リノベーション・原状回復の違い、電気容量・分電盤・アンペア、原状回復・経年劣化・通常損耗、必要経費/修繕費と資本的支出

電気容量・分電盤・アンペア でんきようりょう

ひとことで言うと部屋で同時に使える電気の量の上限のことです。電力会社との契約アンペアと、分電盤のブレーカーで決まります。

分電盤には、契約のアンペアをこえると落ちるアンペアブレーカー、漏電を止める漏電遮断器、回路ごとの安全ブレーカーが並んでいます。100Vの家電なら、ワット数を100で割るとおおよそのアンペアがわかり、電子レンジやドライヤーを重ねて使うと30Aでは足りないことがあります。古い建物には、100Vしか使えない単相2線式の部屋があり、IHや200Vのエアコンを置くには単相3線式への引き直しが要ります。気をつけたい点は、契約だけ上げても、建物の引込線や分電盤の作りで使えないことがある点です。分電盤の工事は電気工事士の資格が要るので、電気工事店に見てもらって下さい。

関連語給湯器・エアコンの耐用年数と交換、DIY・セルフリフォーム、築年数、インターネット無料・Wi-Fi設備

プロパンガス・都市ガス ぷろぱんがす

ひとことで言うと都市ガスは道路下の導管から届くガス、プロパンガスはボンベで建物ごとに運ぶガスです。料金の決まり方が違います。

都市ガスは導管のある地域で使え、料金は公表されています。プロパンガス(LPガス)は導管のない地域でも使え、料金は販売店ごとに決まるため差が出ます。賃貸では、販売店が給湯器などを無償で付け、その費用をガス料金に上乗せする商習慣がありました。これを改めるため、2024年7月から大家などへの過大な利益の提供が制限され、2025年4月からは料金を基本・従量・設備に分けて示すことになりました(2026年10月時点)。気をつけたい点は、物件を買うときに、前の持ち主と販売店の設備の貸し出しや、解約時の精算の約束を引き継ぐことがある点です。契約書と設備の一覧で確かめて下さい。

関連語給湯器・エアコンの耐用年数と交換、運営費(ランニングコスト)、募集図面(マイソク)・内見、浄化槽・下水道・汲み取り

防水(ウレタン・シート・アスファルト) ぼうすい

ひとことで言うと屋上やベランダなど平らな部分に、水を通さない層をつくる工事です。ウレタン、シート、アスファルトなどの種類があります。

ウレタン防水は液体を塗り重ねて膜をつくる方法で、形の複雑なベランダなどに向きます。シート防水は塩化ビニルやゴムのシートを張る方法で、広い屋上に向きますが、継ぎ目のはがれが弱点です。アスファルト防水はシートを何層も重ねる方法で、マンションの屋上などで使われてきました。表面のトップコートを塗り直すだけで済む時期と、層ごとやり直す時期があり、費用は大きく変わります。気をつけたい点は、排水口(ドレン)の詰まりです。落ち葉や土で水があふれると、防水が傷んでいなくても雨漏りになることがあります。年に1回は排水口を見て下さい。

関連語雨漏り(原因・調査・修理)、大規模修繕、長期修繕計画、屋根(スレート・瓦・ガルバリウム)

屋根(スレート・瓦・ガルバリウム) やね

ひとことで言うと雨と日差しから建物を守るいちばん上の部分です。スレート、瓦、ガルバリウム鋼板などがあり、傷み方と直し方が違います。

スレートはセメントの薄い板で、軽く費用を抑えやすい反面、塗装が傷むと割れや反りが出ます。瓦は長持ちしますが、固定する漆喰や下の防水シートは年数とともに傷みます。ガルバリウム鋼板はさびにくい金属の板で、古い屋根の上に重ねるカバー工法によく使われます。直し方は、塗装、部分補修、カバー工法、葺き替えの順に費用が大きくなります。気をつけたい点は、2004年以前の化粧スレートには石綿(アスベスト)を含むものがあることです。はがす工事では事前の調査と、飛び散らない方法での撤去が必要になり、費用が加わります。屋根は自分で上らず、業者さんに写真を撮ってもらって状態を確かめて下さい。

関連語雨漏り(原因・調査・修理)、外壁(サイディング・モルタル・タイル)、石綿(アスベスト)、必要経費/修繕費と資本的支出

リフォーム・リノベーション・原状回復の違い りふぉーむ

ひとことで言うと原状回復は借りたときの状態に戻すこと、リフォームは古いものを新しくすること、リノベーションは価値を上げる工事です。

原状回復は、入居者さんの不注意やふつうをこえた使い方でできた傷や汚れを直すことで、国土交通省のガイドラインでは、年数による劣化や通常の損耗は大家の負担とされています。リフォームは古くなった壁紙や設備を新しくする工事、リノベーションは間取りを変えたり断熱を足したりして価値を上げる工事で、どちらも大家の負担です。税金では、元に戻す修理は修繕費、価値を高める工事は資本的支出として扱われることが多くなります(2026年10月時点)。気をつけたい点は、見積書が「一式」だと負担の線引きができないことです。場所と工事ごとに金額を分けてもらって下さい。

関連語原状回復・経年劣化・通常損耗、必要経費/修繕費と資本的支出、原状回復ガイドライン、DIY・セルフリフォーム

土地・法規・災害

高低差・擁壁・がけ条例 がけじょうれい

ひとことで言うと高低差は周りとの高さの違い、擁壁はその段差の土を支える壁、がけ条例はがけの近くに建てるときのルールを決めた自治体の条例です。

建築基準法は、がけ崩れの被害を受けるおそれがある建物に擁壁などの措置を求めており、その中身を都道府県などの「がけ条例」が決めています。内容は自治体で違い、東京都の条例では高さ2mをこえるがけの近くで、がけの高さの2倍の範囲に建てるときに擁壁などの対策が求められます(2026年10月時点)。安全が確かめられない古い擁壁はないものとして扱われることがあり、建てられる範囲が狭まります。高さ3mの段差なら6mの範囲が規制にかかる計算です。擁壁の持ち主が上の土地とは限らないこと、石積みや積み増しのブロックの擁壁の扱い、道路との高低差による駐車場の工事費も、買う前に見ておきたい点です。

関連語旗竿地・擁壁・越境、盛土・切土・造成宅地、土砂災害警戒区域、再建築不可

マンションの管理計画認定・管理規約 かんりきやく

ひとことで言うと管理計画認定は管理の状態がよいマンションを自治体が認める制度、管理規約はそのマンションの持ち主全員が守るルールです。

管理計画認定制度はマンション管理適正化法にもとづいて2022年4月に始まり、管理組合の申請を市や区など(町村部は都道府県)が認定します。有効期間は5年です。基準には、総会を年1回以上開く、管理費と修繕積立金の区分経理、3か月以上の積立金の滞納が全体の1割以内、30年以上で大規模修繕を2回以上含む長期修繕計画などがあります(2026年10月時点)。管理規約は使い方やリフォーム、駐車場、貸すときの届出などを決めたもので、標準管理規約では部屋を売ったり貸したりすると駐車場の使用契約が終わる考え方がとられています。認定は将来の値上げがないことまで約束しないため、長期修繕計画と議事録もあわせて見ておきます。

関連語管理組合・総会(区分)、区分所有(区分マンション)、管理費・修繕積立金(区分)

境界標・筆界・所有権界 きょうかいひょう

ひとことで言うと境界標は境目の目印、筆界は登記で決まった土地の区切り、所有権界は持ち主どうしで実際に持っている範囲の境目です。

筆界は登記されたときに決まった線で、持ち主どうしの話し合いでは動かせず、変えるには分筆や合筆の登記が要ります。所有権界はだれがどこまで持っているかの線で、一部だけ売って分筆していない、時効で取得された、といった事情で筆界とずれることがあります。筆界の位置で争いがあるときは、法務局の筆界特定制度で筆界の位置を示してもらえますが、所有権の範囲までは決まりません(2026年10月時点)。境界標は土地の角ごとにあるかを現地で見て、なければ土地家屋調査士さんに復元を頼みます。工事のじゃまでも勝手に抜くと、刑法の境界損壊罪にあたるおそれがあります。

関連語境界確定・公簿売買・実測売買、地積測量図・実測図、公図・地目、旗竿地・擁壁・越境

区画整理・換地・仮換地 くかくせいり

ひとことで言うと道路や公園を整えながら土地を並べ直すのが区画整理で、割り当てられる新しい土地が換地、工事中に仮に使う土地が仮換地です。

土地区画整理事業では、仮換地が指定されると従前地は使えなくなり、仮換地の上で家を建てたり貸したりしますが、登記簿は従前地の地番と面積のままです。工事が終わって換地処分が公告されると、その翌日から換地が従前地とみなされ、登記もまとめて書き換えられます。道路や公園、事業費にあてる保留地のために面積が減ることを減歩といい、割り当ての差は清算金で調整されます。清算金は換地処分のときの持ち主に来るのが原則なので、事業の途中で売り買いするときは、売主・買主のどちらが受け取り、負担するかを契約で決めておく必要があります。引き渡される仮換地の場所と面積は、仮換地証明書と図面で見ておくと確実です。

関連語公図・地目、都市計画法・開発許可、売買契約書、地積測量図・実測図

建築協定・地区計画 けんちくきょうてい

ひとことで言うと建築協定は土地の持ち主どうしで結ぶ建物のルール、地区計画は市区町村が都市計画として決める地区ごとのルールです。

建築協定は建築基準法にもとづき、持ち主どうしの合意と市区町村などの認可で結ばれ、用途や階数、塀や外壁の位置などを決めます。認可のあとに土地を買った人にも効力が及び、有効期間があります。地区計画は都市計画法にもとづき、用途、敷地の最低面積、壁面の位置、高さなどを定め、区域内で建てたり土地の形を変えたりするときは、着手の30日前までに届出が要ります(2026年10月時点)。最低面積120㎡の地区では200㎡の土地を2つに分けて建てることはできず、「一戸建ての専用住宅に限る」協定ならアパートは建てられません。計画書や協定書を役所や委員会で見て、期限や改定の予定まで確かめておくと計画が立てやすくなります。

関連語用途地域、都市計画法・開発許可、容積率

私道の持分・通行承諾・掘削承諾 しどうのもちぶん

ひとことで言うと私道の持分は前の道を持つ割合、通行・掘削承諾は、その道を通ることと管のために掘ることを、持ち主から書面で認めてもらうことです。

私道は、道全体を沿道の人で共有する形と、細かく分けて一人ひとりが一部分を持つ形があり、後者では自分の区画以外は他人の土地です。持分がない場合や足りない場合に、ほかの持ち主から書面でもらうのが通行承諾と掘削承諾です。徒歩だけか車も含むか、水道・ガス・下水の工事まで含むか、所有者が変わっても引き継ぐか、で承諾書の値打ちが変わります。本管から自分の区画までの間にある区画の持ち主全員の承諾が要ることが多く、足りないと融資や工事で止まることがあります。2023年4月の民法改正で管を通す決まりなどが整えられましたが、事前の通知や話し合いは要るため、承諾書は今も使われています(2026年10月時点)。

関連語私道(私道負担)、地役権・通行権・囲繞地通行権、接道義務、特約

地盤調査・地盤沈下・液状化 じばんちょうさ

ひとことで言うと建物を支える土の強さを調べるのが地盤調査で、土が沈んだり地震で水のようになったりして建物が傾くのが地盤沈下・液状化です。

新築では地盤調査の結果で基礎の形や地盤改良の要否を決めるのが一般的で、スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)がよく使われます。困るのは一部だけが沈む不同沈下で、床の傾き、建具の不具合、基礎や外壁のひびとして表れます。液状化は地下水位が高く砂の多い地盤で起きやすく、埋立地や旧河道が一つの目安です。中古の戸建てでは、売主さんに地盤調査の報告書や保証書の有無を聞き、自治体の液状化の地図と国のハザードマップで土地の成り立ちを見ておくと見当がつきます。床の傾きは1,000分の6以上で不具合の可能性が高いとする国の参考基準があり(2026年10月時点)、幅4mの部屋なら2.4cmの差です。

関連語盛土・切土・造成宅地、旗竿地・擁壁・越境、建物状況調査(ホームインスペクション)、ハザードマップ(浸水・土砂災害)

所有者不明土地・空き家対策特別措置法 しょゆうしゃふめいとち

ひとことで言うと所有者不明土地は登記簿を見ても持ち主がわからない土地のこと、空き家対策特別措置法は放置された空き家に自治体が対応するための法律です。

持ち主がわからなくなる主な原因は、相続登記がされないまま代替わりが続くことです。相続登記・住所変更登記の義務化に加え、裁判所が管理人を選ぶ所有者不明土地管理制度(2023年4月から)、不明な共有者がいても裁判所の手続きで管理や持分の取得ができる制度、相続した土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度(2023年4月27日から。審査手数料1筆1万4,000円、負担金は原則20万円)が整えられました(2026年10月時点)。空家法は2023年12月の改正で管理不全空家の区分や活用促進区域が加わり、勧告を受けると住宅用地の軽減が外れます。隣地の持ち主が不明なときは、司法書士さんや土地家屋調査士さんに相談するのが近道です。

関連語空き家(特定空家・管理不全空家)、相続登記・名義変更の義務化、相続(不動産)、境界標・筆界・所有権界

相続登記・名義変更の義務化 そうぞくとうき

ひとことで言うと相続や引っ越しで登記の名義や住所が変わったとき、決められた期間のうちに登記を直すことが法律で義務になった制度です。

相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続で取得したことを知った日から3年以内に登記が要ります(怠ると10万円以下の過料)。住所や氏名・名称の変更登記は2026年4月1日から義務になり、変わった日から2年以内(怠ると5万円以下の過料)、施行前の変更は2028年3月31日が期限です(2026年10月時点)。会社の本店移転も対象です。遺産分割がまとまらないときは相続人申告登記でひとまず義務を果たせ、住所の変更は検索用情報の申出(会社は会社法人等番号の申出)をしておけば法務局が職権で直すスマート変更登記の対象になります。住所の変更の登録免許税は不動産1つにつき1,000円です。

関連語相続(不動産)、所有権移転登記・司法書士、登記(登記簿謄本・登記事項証明書)、所有者不明土地・空き家対策特別措置法

地役権・通行権・囲繞地通行権 ちえきけん

ひとことで言うと地役権は自分の土地のために他人の土地を使う権利、囲繞地通行権は道路に出られない土地のために法律で認められた通行の権利です。

地役権は契約で設定し、登記しておけば通られる側の土地の持ち主が代わっても主張できます。囲繞地通行権は、道路に接していない袋地の持ち主に民法が認める権利で、契約がなくても周りの土地を通れますが、損害が最も少ない場所と方法に限られ、原則として通行料(償金)を払います。車が通れる幅まで当然に認められるとは限らず、通れることと建て替えられること(接道)は別の話です。好意で通らせてもらっているだけの通行は、持ち主が代われば続けられる保証がありません。袋地や旗竿地を買うときは、通路にあたる隣地(承役地)の登記簿で地役権の目的と範囲を確かめ、登記のない約束は書面にして引き継げるようにしておくと、あとで困りにくくなります(2026年10月時点)。

関連語私道(私道負担)、私道の持分・通行承諾・掘削承諾、接道義務、再建築不可

地積測量図・実測図 ちせきそくりょうず

ひとことで言うと地積測量図は分筆などの登記のときに法務局に出された測量図、実測図は登記とは別に土地を実際に測って作った図面です。

地積測量図は分筆や地積更正の登記のときに出され、法務局で写しを取れますが、すべての土地にあるわけではありません。年代で精度が違い、1993年10月からは境界標の記載、2005年3月からは公共の基準点にもとづく座標での作成が原則になりました(2026年10月時点)。それより前の分筆では、分ける側だけを測って残りを計算で出す「残地求積」が広く使われ、残りの土地の登記の面積が実際と違うことがあります。実測図には、隣の持ち主の立会いと確認がある確定測量図と、今の状態を測っただけの現況測量図があり、境目の確かさが違います。図面の作成年と種類を見て、どこまで当てにできるかを判断します。

関連語境界確定・公簿売買・実測売買、境界標・筆界・所有権界、公図・地目

都市計画法・開発許可 としけいかくほう

ひとことで言うと都市計画法は街づくりの大枠を決める法律で、開発許可は、建物のために土地の区画や形を変えるとき事前に受ける許可です。

都市計画法は都市計画区域を決め、市街化区域と市街化調整区域の線引きや用途地域などを定める法律です。開発許可は、建物を建てる目的で道路を通して土地を分ける、盛土や切土で形を変えるといった「区画形質の変更」をするときに要ります。規模の目安は、市街化区域で1,000㎡以上(一部の地域では500㎡以上など)、調整区域は原則すべて、線引きのない都市計画区域で3,000㎡以上、区域の外で1ha以上です(2026年10月時点)。許可を受けると道路や排水の基準を満たす工事が求められ、道路の分だけ売れる面積は減ります。許可の有無は、役所の開発登録簿で確かめられます。

関連語市街化区域・市街化調整区域、用途地域、農地転用・農地法、建築協定・地区計画

土砂災害警戒区域 どしゃさいがいけいかいくいき

ひとことで言うとがけ崩れや土石流のおそれがあるとして都道府県が指定した区域で、イエローゾーンとレッドゾーンの2段階があります。

もとになる法律は土砂災害防止法です。土砂災害警戒区域(イエロー)は危険を知らせて避難の体制を整える区域で、建物を建てる制限は基本的にありません。土砂災害特別警戒区域(レッド)は、住宅の分譲などの開発が許可制になり、居室のある建物は土砂に耐える構造が求められます。どちらに入っているかは重要事項説明で説明され、指定に持ち主の同意や補償はありません(2026年10月時点)。建物の一部でもレッドにかかると構造の規制を受けるため、建て替えの費用や配置に影響し、売るときの価格や融資にも響くことがあります。都道府県の基礎調査の結果も公表されているので、指定の前の場所も調べられます。

関連語ハザードマップ(浸水・土砂災害)、高低差・擁壁・がけ条例、重要事項説明(重説)

土壌汚染・地中埋設物 どじょうおせん

ひとことで言うと土壌汚染は有害な物質で土が汚れていること、地中埋設物は古い建物の基礎やがれきなど地中に残っている物のことです。

土壌汚染対策法では、有害物質を使う施設をやめたときや、3,000㎡以上の土地の形を変えるときなどに調査や届出が求められ、汚染が確かめられた土地は要措置区域・形質変更時要届出区域として台帳で公表されます(2026年10月時点)。地中埋設物は法律で調査が決まっていませんが、建て替えで見つかると撤去の費用と日数がかかり、計画の利回りが下がります。登記簿の過去の持ち主や古い住宅地図、航空写真で前の使われ方を調べ、見つかったときの費用の負担を契約で決めておくことが、買う側にできる備えです。売主さんが責任を負わない特約や現況有姿の売買では、買った側の負担になることがあります。

関連語契約不適合責任、現況有姿、文化財・埋蔵文化財包蔵地

日照・眺望・隣地との関係 にっしょう

ひとことで言うと日照は日当たり、眺望は窓からの見晴らしで、どちらも隣地の建物しだいで変わり、隣地との間には民法の決まりもあります。

日当たりは日影規制や北側斜線などである程度守られますが、規制の範囲で建てられた建物による日陰は受け入れるしかないことが多く、裁判では我慢すべき範囲(受忍限度)をこえるかで判断されるとされています。眺望はさらに守られにくいものです。民法には、建物を境界線から50cm以上離す、1m未満の位置で隣の宅地を見通せる窓には目隠しを付ける、といった決まりがあり、2023年4月からは、越境した枝を求めても切ってもらえないときなどに自分で切れるようになりました(2026年10月時点)。南側に空き地や駐車場がある物件は、そこに建物が建ったときの家賃への影響まで考えておくと安全です。

関連語旗竿地・擁壁・越境、境界標・筆界・所有権界、地役権・通行権・囲繞地通行権

農地転用・農地法 のうちてんよう

ひとことで言うと農地法は田や畑を守るための法律で、農地転用は農地を住宅や駐車場など農地以外の使い方に変えることです。

農地かどうかは登記の地目ではなく今の状態で判断されるのが原則です。農地のまま売買・貸し借りするのが3条(農業委員会の許可)、持ち主が自分で転用するのが4条、転用目的で売買・貸し借りするのが5条で、4条・5条は市街化区域内なら農業委員会への届出、それ以外は許可が要ります。3条の下限面積の決まりは2023年4月に廃止されました(2026年10月時点)。許可が要る売買は許可が出るまで所有権が移らないため、許可が下りなければ契約をなかったことにする条件を付けるのが一般的です。手続きの前に砂利を敷くなどの工事をすると、原状回復を求められることがあります。

関連語公図・地目、市街化区域・市街化調整区域、都市計画法・開発許可

ハザードマップ(浸水・土砂災害) はざーどまっぷ

ひとことで言うと洪水・内水・高潮・土砂災害などが起きたときに、どこがどのくらい危ないかを、市区町村などが地図にまとめたものです。

浸水の地図には想定される水の深さが色分けで示され、土砂災害の地図には警戒区域などが示されます。2020年8月28日からは、売買でも賃貸でも、重要事項説明で水害(洪水・雨水出水・高潮)のハザードマップ上の物件の位置を示すことになっています(2026年10月時点)。自分で調べるなら国土交通省のハザードマップポータルサイトが便利です。色がない場所でも水が来ないとは限らず、地図は見直されることもあります。2024年10月からは火災保険の水災の保険料を市区町村ごとのリスクで分ける考え方が入ったため、区域に入る物件は保険の見積りまで取って収支に入れておくと、あとで慌てずに済みます。

関連語土砂災害警戒区域、地盤調査・地盤沈下・液状化、重要事項説明(重説)、火災保険・施設賠償責任保険

固定資産税の課税明細・評価替え ひょうかがえ

ひとことで言うと課税明細書は固定資産税の計算の中身を1件ずつ示した書類、評価替えはその元になる評価額を3年ごとに見直すことです。

課税明細書には、土地・建物ごとの所在、面積、価格(評価額)、課税標準額、住宅用地の内訳などが並びます。評価替えは3年ごとで、基準年度は2024年度、2027年度、2030年度と続き、建物の評価額は原則として3年間据え置かれます(2026年10月時点)。住宅用地は1戸あたり200㎡までが小規模住宅用地(固定資産税の課税標準は評価額の6分の1)、こえる部分が一般住宅用地(3分の1)で、内訳が書かれていなければ軽減の付け忘れを疑う手がかりになります。評価額に納得できないときは、公示の日から納税通知書を受け取った日のあと3か月までに審査の申出ができます。明細書には未登記の建物が載っていることもあります。

関連語固定資産税・都市計画税、固定資産税評価額、固定資産税等の精算(日割り)、空き家(特定空家・管理不全空家)

文化財・埋蔵文化財包蔵地 ぶんかざい

ひとことで言うと土器や住まいの跡などの遺跡が地中にあるとわかっている土地のことで、工事の前に届出や調査が求められます。

もとになる法律は文化財保護法で、遺跡の範囲は教育委員会の遺跡地図で調べられます。包蔵地で建築や造成などの工事をするときは、着手の60日前までに届出が要り(2026年10月時点)、工事の深さや規模によって、立会い、試掘・確認調査、本調査などの指示が出ます。本調査になると数か月かかることもあり、着工や入居の募集の時期がずれます。調査の費用は、個人が住む住宅なら公費で行われることが多い一方、アパートなど事業のための工事では、工事をする側の負担になることが多いとされています。土地から新築を考えるときは、買う前に包蔵地かどうかと、範囲の線の位置を確かめておくと計画が狂いにくくなります。

関連語重要事項説明(重説)、土壌汚染・地中埋設物、都市計画法・開発許可

盛土・切土・造成宅地 もりど

ひとことで言うと盛土は土を盛って高くすること、切土は削って低くすること、造成宅地はそうした工事で平らに作られた宅地のことです。

切土の部分はもとの地盤が出るため比較的安定していることが多い一方、盛土の部分は締め固めが足りないと沈んだり、大雨や地震で崩れたりすることがあります。1つの敷地に盛土と切土がまたがると、建物の一部だけが沈む原因にもなります。2023年5月26日には盛土規制法が施行され、規制の区域内で一定の規模をこえる盛土・切土には許可や届出が要ります(2026年10月時点)。谷を埋めた3,000㎡以上の盛土などは「大規模盛土造成地」として自治体のマップで公表されています。造成の許可や完了検査の記録、擁壁の水抜き穴やふくらみを、買う前に役所と現地で見ておくと、判断の材料が増えます。

関連語地盤調査・地盤沈下・液状化、高低差・擁壁・がけ条例、旗竿地・擁壁・越境、土砂災害警戒区域

賃貸・売買の補足

オープンハウス・内見・申込 おーぷんはうす

ひとことで言うと売り出し中の物件を自由に見られる日を設けることと、買いたい人が中を見ることと、買う意思を書面で伝えることのことです。

オープンハウスは、売り出し中の物件を、予約なしで見られる日を決めて公開する売り方で、現地販売会とも呼ばれます。内見で気に入った人は、購入の申込書(買付証明書)で価格や条件を伝えます。申込みは契約ではなく、売主・買主のどちらも、売買契約を結ぶまでは取りやめられるのが一般的です。申込みが何件か入ったときは、価格だけでなく、住宅ローンの事前審査の結果、手付金の額、引渡しの時期をあわせて比べます。宅建業者さんが申込金を預かった場合、申込みが撤回されたら返さなければならない決まりがあります。賃貸の申込みでも同じです(2026年10月時点)。

関連語買付証明書、売渡承諾書、ローン特約(融資特約)、募集図面(マイソク)・内見

外国人入居・保証会社・緊急連絡先 がいこくじんにゅうきょ

ひとことで言うと外国籍の方に部屋を貸すときに使う家賃保証会社の選び方と、何かあったときに連絡する先(緊急連絡先)の決め方のことです。

外国籍の方の申込みで大家の側が確かめたいのは、家賃を払い続けられるかと、連絡がつくかどうかです。在留カードでは在留資格と在留期間の満了日を見て、契約の期間と並べます。日本で連帯保証人を立てるのは難しいことが多いため、多言語に対応した家賃保証会社を使うのが一般的です。緊急連絡先は、事故や病気のときに連絡する相手で、保証人と違って家賃を代わりに払う義務はありません。国内で実際に連絡がつく人を、勤め先や学校の担当者も含めて決めておきます。国籍だけを理由に一律に断ることは避け、ゴミの出し方などの生活のルールは、入居のときに分かる言葉の資料で伝えて下さい(2026年10月時点)。

関連語家賃保証会社、入居審査、連帯保証人・極度額、ゴミ置き場・共用部の清掃

強制退去・明渡訴訟・強制執行 きょうせいたいきょ

ひとことで言うと入居者さんが出ていかないときに、裁判で明け渡しを命じる判決を得て、裁判所の執行官の手で部屋を明け渡してもらう手続きのことです。

家賃の滞納などで契約を解除しても、入居者さんが出ていかなければ、大家が自分で鍵を替えたり荷物を出したりすることはできません。まず明渡しを求める訴訟を起こし、判決や和解で明け渡しが決まっても出ていかないときに、地方裁判所の執行官に強制執行を申し立てます。執行官は、引渡しの期限(原則として催告の日から1か月)を決めて明け渡しを催告し、それでも退去しなければ、期限の内に荷物を運び出して部屋を大家に戻します(断行)。申立てには予納金が要り、荷物の搬出や保管の費用もかかります。滞納の始まりから部屋が戻るまで、半年から1年ほどかかることも珍しくありません(2026年10月時点)。

関連語滞納、家賃の送金・口座管理・督促の流れ、残置物、家賃保証会社

原状回復ガイドライン げんじょうかいふくがいどらいん

ひとことで言うと退去のときの修理費を、大家と入居者さんでどう分けるかの目安を、国土交通省がまとめた資料のことです。

正式には「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で、1998年に作られ、2011年8月の再改訂版が今の形です。法律ではありませんが、裁判や消費生活センターでの話し合いで目安として使われています。年月や普通の暮らしで傷んだ分は大家の負担、入居者さんの不注意などで傷めた分は入居者さんの負担とし、壁紙やカーペットは6年で価値が1円まで下がる考え方で、住んだ年数に応じて負担を減らします。これに対し、フローリングの部分補修や、畳表・襖紙のような消耗品は、年数を考えません。張り替える範囲(壁紙は㎡単位から一面まで、畳は1枚単位など)や、入居・退去のときのチェックリスト、契約書に付ける様式も載っています。東京都では、契約のときに説明する決まり(東京ルール)もあります(2026年10月時点)。

関連語原状回復・経年劣化・通常損耗、敷金、退去立会い、敷金返還トラブルと少額訴訟

更新・再契約・法定更新 こうしん

ひとことで言うと契約の期間が来たときに続ける3つの形で、合意して続ける更新、新しく結び直す再契約、手続きなしで続く法定更新のことです。

普通借家では、期間が来たときに双方が合意して契約を続けるのが合意更新、書類を交わさないまま期間が過ぎて同じ条件で続くのが法定更新です。法定更新を避けるには、期間が終わる前に更新の書類を交わしておくことです。法定更新のあとは期間の定めのない契約になり、次の更新がなくなります。定期借家には更新がなく、続けるときは新しい契約を結び直します(再契約)。再契約では、契約の前の説明の書面からやり直します。どの形でも、更新の時期は、家賃保証会社の契約や入居者さんの火災保険が切れていないか、緊急連絡先が変わっていないかを確かめる区切りになります(2026年10月時点)。

関連語普通借家契約、定期借家契約、更新料、賃料の増減額請求・賃料改定

孤独死・事故物件・告知義務 こどくし

ひとことで言うと一人暮らしの人が誰にも看取られずに亡くなることと、人の死があった物件と、次の借主や買主にそれを伝えるかどうかの決まりのことです。

病気などによる自然死でも、発見が遅れると特殊清掃や内装の工事が要り、空室の期間も延びます。人の死を伝えるかどうかは、国土交通省の2021年10月のガイドラインが宅建業者さんの判断の目安で、自然死や日常の事故で早く見つかった場合は原則として伝えなくてよく、特殊清掃などが行われた場合は、賃貸ではおおむね3年は伝える対象とされています。大家の側で戸惑いやすいのは、入居者さんが亡くなっても賃貸借の契約は自動的には終わらず、相続人に引き継がれる点です。契約の解約や残った荷物の扱いは、相続人と話し合って決めることになります(2026年10月時点)。

関連語瑕疵・告知事項(心理的瑕疵)、残置物、学生・高齢者・生活保護の入居、火災保険・施設賠償責任保険

ゴミ置き場・共用部の清掃 ごみ

ひとことで言うとアパートやマンションのゴミの集積場所と、廊下・階段・駐輪場など共用部分の掃除を、誰がどう管理するかのことです。

入居者さんのゴミは、自治体の決まり(分別・曜日・指定の袋)に沿って集積所に出してもらいます。集積所の管理や掃除は、建物の持ち主である大家の側の仕事になることが多く、管理会社さんや清掃業者さんに定期清掃を頼む形が一般的です。ゴミ置き場が荒れると、カラスや悪臭で近所からの苦情につながり、内見に来た人の印象も下がります。分別のルールは入居のときに書面で伝え、守られていないときは、名指しではなく全体への掲示から始めて下さい。物件を買う前には、集積所の場所が近所の家の前になっていないか、粗大ゴミが置かれたままになっていないかを、自分の目で確かめておくと、あとで困りにくくなります(2026年10月時点)。

関連語運営費(ランニングコスト)、管理会社・管理委託、騒音・近隣トラブルの対応、外国人入居・保証会社・緊急連絡先

敷金返還トラブルと少額訴訟 しきんへんかん

ひとことで言うと退去のあとの敷金の精算をめぐる争いと、60万円以下のお金の請求を原則1回の審理で終える簡易裁判所の手続きのことです。

敷金の精算では、壁紙の張り替えやクリーニングの費用をどこまで入居者さんの負担にするかで、もめごとが起きやすくなります。話し合いで決まらないとき、入居者さんが使いやすいのが少額訴訟です。60万円以下のお金の支払いを求めるもので、原則として1回の審理で判決まで進み、同じ簡易裁判所では1人年10回までという制限があります。判決には控訴できず、2週間以内に異議を申し立てる形になります。2026年5月の法改正で、申立てのときの郵便代は手数料に一本化されました。大家の側では、入居のときと退去のときの部屋の写真、チェックシート、見積書と精算書をそろえておくことが、何よりの備えになります(2026年10月時点)。

関連語敷金、原状回復・経年劣化・通常損耗、原状回復ガイドライン、退去立会い

住宅ローン控除・住み替え・実需 じゅうたくろーんこうじょ

ひとことで言うと住宅ローンで家を買って住む人が、年末のローン残高の0.7%を、所得税などから一定の年数差し引ける制度のことです。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、ローンで住宅を買って自分で住む人が、年末の残高の0.7%を所得税(引ききれない分は住民税の一部)から差し引ける制度です。令和8年度の税制改正で、2030年12月31日までに住み始めた人まで延長され、合計所得1,000万円以下の人は、床面積40㎡以上の住宅も対象になりました(新築・中古とも)。面積は登記簿の数字で判断されるので、区分マンションでは広告の面積(壁芯)より小さい内法の面積で見ます。住む人向けに売るときは、買う人がこの控除を使えるかが、買える値段に影響します。住み替えで今の家を貸すと、本人が住まなくなるので控除は使えなくなり、住宅ローンのまま貸すことには金融機関の承諾も要ります(2026年10月時点)。

関連語収益物件・実需、専有面積・壁芯・内法、譲渡所得(短期・長期)、確定申告・税理士

学生・高齢者・生活保護の入居 せいかつほご

ひとことで言うと学生、高齢の方、生活保護を受けている方に部屋を貸すときの、契約の形や家賃の受け取り方、見守りなどの考え方のことです。

学生は4年ほどで入れ替わり、入居と退去が春に集中します。2022年4月から成年年齢が18歳になり、18歳の学生は本人だけで契約できますが、親を連帯保証人や緊急連絡先にする形が多いです。高齢の方は長く住む傾向がありますが、健康や見守りが課題になります。2025年10月からは、居住支援法人などが安否の確認や見守りを行う「居住サポート住宅」の認定も始まっています。生活保護を受けている方の家賃は、住宅扶助として地域と世帯の人数ごとの上限の範囲で支給され、福祉事務所から大家や管理会社に直接払ってもらう代理納付を使える場合があります。どの層も、一律に断るのではなく、事情に合った仕組みを使えないかを先に考えて下さい(2026年10月時点)。

関連語入居審査、孤独死・事故物件・告知義務、外国人入居・保証会社・緊急連絡先、家賃保証会社

騒音・近隣トラブルの対応 そうおん

ひとことで言うと入居者さんどうしや近所の方との間で起きる、音・におい・ゴミ・駐車などの困りごとに、大家と管理会社さんが対応することです。

大家には、入居者さんが部屋を落ち着いて使えるようにする役目があり、ほかの入居者さんの迷惑行為で暮らしが妨げられているときは、放っておけません。対応は、苦情の中身を記録する(いつ・どんな音・どこから)、建物全体への掲示やお知らせで注意を呼びかける、出どころがはっきりしたら個別に書面で伝える、という順に進めるのが一般的です。音は伝わり方で出どころを思い違いやすく、給水ポンプなどの設備の音のこともあります。苦情を言った方の名前は相手に伝えず、大家が直接相手の部屋を訪ねるのも避けて下さい。改善しないまま長引くときは、弁護士さんに相談します(2026年10月時点)。

関連語ペット可・楽器可・SOHO可、管理会社・管理委託、構造(木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC)、ゴミ置き場・共用部の清掃

駐車場・駐輪場・バイク置き場の扱い ちゅうしゃじょう

ひとことで言うとアパートやマンションの敷地にある、車・自転車・バイクを置く場所と、その貸し方・料金・管理のしかたのことです。

駐車場は、部屋の契約とは別に「駐車場使用契約」を結んで月いくらで貸す形が多く、入居者さん以外に貸すこともあります。家賃とは別に駐車場代を取ると、住宅の家賃と違って消費税の対象になります。1戸に1台分以上を割り当て、家賃に含めて別料金を取らない場合は、住宅の貸付に含めて非課税とされています。駐輪場やバイク置き場は無料のことが多いのですが、放置された自転車やバイクの処分で困る場所です。持ち主の物なので勝手には捨てられず、警告の貼り紙と一定の期間を置くなど、手順を決めておく必要があります(2026年10月時点)。

関連語消費税(住宅家賃は非課税)、想定利回り・現況利回り、火災保険・施設賠償責任保険、ゴミ置き場・共用部の清掃

借主の中途解約・違約金 ちゅうとかいやく

ひとことで言うと契約期間の途中で入居者さんが契約を終えることと、早い時期の解約に備えて契約で決めておくお金のことです。

期間を決めた賃貸借は、本来は途中でやめられないのが民法の考え方ですが、住宅の契約では「1か月前に予告すれば解約できる」という条項を置くのが一般的です。これに加えて、入居から1年未満の解約には家賃1か月分の違約金、のように短期解約の違約金を決めることがあります。フリーレントや広告料など、入居のときに大家が先に出したお金を回収するためのものです。違約金は契約書と重要事項説明に書かれていることが前提で、平均的な損害を大きく超える額は無効とされるおそれがあります。定期借家でも、住まいとして借りる200㎡未満の部屋では、やむをえない事情があれば借主から途中で解約できます(2026年10月時点)。

関連語解約予告、フリーレント、定期借家契約、特約

賃貸住宅管理業法(管理業者の登録・管理受託) ちんたいじゅうたくかんりぎょうほう

ひとことで言うと賃貸住宅の管理を仕事として請け負う会社に、国への登録や契約前の説明、預かったお金の分別管理などを求める法律のことです。

正式には「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」で、管理業者の登録制度は2021年6月から始まっています。管理する戸数が200戸以上の会社は国土交通大臣の登録が要り、営業所ごとの業務管理者の配置、契約前の重要事項の説明、家賃や敷金を自社のお金と分けて管理すること、大家への定期的な報告などが求められます。サブリースの誇大な広告や不当な勧誘も、この法律で禁止されています。ただ、法律が決めているのは手順の最低限で、管理の質までは保証しません。委託料に何が含まれるか、報告がどのくらいの間隔で届くかは、契約書と重要事項説明の書面で確かめて下さい(2026年10月時点)。

関連語管理会社・管理委託、サブリース(一括借り上げ)、自主管理、家賃の送金・口座管理・督促の流れ

賃料の増減額請求・賃料改定 ちんりょうかいてい

ひとことで言うと家賃が税金や物価、周りの家賃と比べて合わなくなったときに、貸主・借主のどちらからも改定を求められるしくみのことです。

借地借家法で、建物の家賃が税金や建物の価格、周辺の家賃などと比べて不相当になったときは、契約の途中でも、将来に向かって増額・減額を求められるとされています。まずは話し合い、まとまらなければ調停、それでも決まらなければ裁判という順に進みます。「一定の期間は値上げしない」という特約は有効ですが、普通借家で「値下げは一切しない」と決めても、減額の請求は止められないとされています。定期借家では、家賃の改定についての特約を置けば、この請求をしない形にもできます。値上げは、退去されたときの空室の費用と比べてから考えて下さい(2026年10月時点)。

関連語借地借家法、普通借家契約、定期借家契約、更新・再契約・法定更新

反社会的勢力の排除条項 はんしゃ

ひとことで言うと契約の当事者が暴力団などの反社会的勢力でないことを互いに約束し、違反があれば契約を解除できるとする条文のことです。

2011年に不動産の業界4団体が、売買契約書・媒介契約書・賃貸住宅契約書に入れる排除条項のモデルを定め、今では多くの契約書に入っています。中身は、自分や役員が反社会的勢力でないことの約束、物件を事務所などに使わせないことの約束、違反があったときは催告なしに解除できること、などです。売買のモデル条項では、違反による解除のときに売買代金の20%の違約金を定める形が示されています。ただ、条項があっても相手の素性を見抜けるわけではありません。古い賃貸借契約には条項がないこともあるので、オーナーチェンジで引き継いだ部屋は契約書で確かめて下さい(2026年10月時点)。

関連語売買契約書、普通借家契約、入居審査、特約

不動産会社の選び方・担当者の見極め ふどうさんがいしゃ

ひとことで言うと売買や賃貸を頼む不動産会社を、免許や処分の履歴、得意な分野で選ぶことと、実際に動く担当者の力量や誠実さを見ることです。

不動産会社は、宅地建物取引業の免許を受けて営業しています。免許の有効期間は5年で、免許番号の括弧の中の数字は更新のたびに1つ増えるので、数字が大きいほど長く営業している目安になります。ただ、都道府県知事の免許から国土交通大臣の免許に切り替えると数字は1に戻ります。過去の行政処分は、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトや、都道府県の宅建業者名簿で調べられます。会社を選んでも、実際に動くのは担当者です。査定の根拠となる成約事例を見せてくれるか、都合の悪い情報も先に伝えてくれるか、返事が早く書面で残してくれるかを見て下さい(2026年10月時点)。

関連語宅地建物取引業(宅建業・宅建業者)、宅地建物取引士(宅建士)、査定・相場・成約事例、媒介契約(一般・専任・専属専任)

ペット可・楽器可・SOHO可 ぺっとか

ひとことで言うとふつうの住宅の契約では制限されることの多い、動物を飼う・楽器を弾く・仕事場として使うことを認める募集条件のことです。

募集の条件を広げると、それを探している人に選ばれやすくなり、家賃を少し上乗せできることもあります。そのかわり、ペットでは床や壁の傷みとにおい、楽器では音、SOHOでは来客や郵便物、事業での使い方が、ほかの入居者さんや建物に影響します。何を認めて何を認めないか(動物の種類や頭数、楽器の種類と時間帯、看板や法人登記の可否)を、特約や細則で具体的に書いておくことが前提です。区分マンションでは、管理規約でペットや事務所としての使用が禁止されていることがあり、大家だけでは決められません。仕事場としての使い方によっては、消費税や火災保険の扱いが変わることもあるので、税理士さんや保険会社に確かめて下さい(2026年10月時点)。

関連語原状回復・経年劣化・通常損耗、騒音・近隣トラブルの対応、特約、火災保険・施設賠償責任保険

家賃の送金・口座管理・督促の流れ やちんのそうきん

ひとことで言うと入居者さんが払った家賃が大家に届くまでの流れと、それを受ける口座の分け方、払われなかったときに請求する手順のことです。

家賃の受け取り方は、管理会社さんが集めて手数料などを引いて送金する形、家賃保証会社が引き落として送金する形、大家の口座に直接振り込んでもらう形の3つが多いです。管理会社さんから届く送金明細には、入金のあった家賃、委託料、立て替えた修理代などが並ぶので、毎月レントロールと照らし合わせます。口座は物件や法人ごとに分け、敷金は手をつけない口座に移しておくと、確定申告と精算が楽になります。払われなかったときは、連絡、書面での督促、保証会社や保証人への請求、内容証明郵便、裁判所の手続き(支払督促や訴訟)と段階を踏みます。家賃の請求は、一般に5年で時効にかかります(2026年10月時点)。

関連語管理会社・管理委託、滞納、家賃保証会社、賃貸住宅管理業法(管理業者の登録・管理受託)

リースバック・買戻し りーすばっく

ひとことで言うと自宅などを売ったあとも、買主からその家を借りて住み続ける取引と、売った物件を後で買い戻す約束のことです。

リースバックでは、売った人は売却代金をまとまって受け取り、その後は家賃を払って住み続けます。買主は事業者や投資家で、家賃は売却価格と買主が求める利回りから決まるのが一般的です。賃貸借は期間の決まった定期借家にすることが多く、再契約が約束されているとは限りません。買戻しは当然に認められる権利ではなく、価格や期限は契約で決めます。民法の買戻しの特約(期間は10年以内)の形と、改めて売り買いする約束の形があります。国土交通省のガイドブックでは、売却価格を複数の会社に聞くこと、何年住むと家賃の合計がいくらになるかを計算することなどが勧められています。宅建業者に売る場合は、クーリングオフが使えないことが多い点にも注意が要ります(2026年10月時点)。

関連語買取(業者買取)、定期借家契約、査定・相場・成約事例、クーリングオフ(宅建業法)

融資・金融

アパートローンと住宅ローンの違い あぱーとろーん

ひとことで言うと自分が住む家のための借入が住宅ローン、賃貸用の物件のための借入がアパートローンで、入れ替えて使うことはできません。

住宅ローンは給料など本人の収入で返す前提で、金利は低めです。アパートローンは主に家賃で返す前提で、物件の収支や担保の評価も審査され、金利は高めに設定されることが多くあります。住宅ローン控除が使えるのは自分が住む家の借入だけです。はじめから貸すつもりで住宅ローンを使うと契約違反となり、一括返済を求められることがあります。転勤などで自宅を貸すことになったら、貸し始める前に金融機関に相談します。アパートローンへの切り替えを求められると、返済が家賃を上回ることもあります。住宅ローン控除は、貸しているあいだは受けられないのが一般的です。

関連語融資(不動産投資ローン・アパートローン)、団体信用生命保険(団信)、住宅金融支援機構(フラット35)、ペアローン・収入合算

借り換えにかかる費用と判断基準 かりかえひよう

ひとことで言うと借り換えでかかる違約金・登記・手数料などの費用と、それを差し引いて得になるかを見分ける考え方です。

借り換えでは、今のローンの違約金や手数料、抵当権の抹消と設定の登録免許税(抹消は1件1,000円、設定は借入額の0.4%)、司法書士さんの報酬、新しい金融機関の事務手数料や保証料、金銭消費貸借契約書の印紙税がかかります(2026年10月時点)。「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残り10年以上」という目安がよく言われますが、費用は契約で大きく変わるので、浮く利息から費用を引いた金額で比べます。物件の評価がやり直され、全額を借り換えられないこともあります。金利の差が小さいときは、先に今の金融機関に金利の見直しを相談する方法もあります。

関連語借り換え、抵当権・根抵当権、登録免許税、印紙税

元利均等返済の仕組みと残高の減り方 がんりきん

ひとことで言うと毎月の返済額をそろえる返し方で、最初は利息が多いため、残高は前半ゆっくり、後半ほど速く減ります。

元利均等返済では、毎月の返済額からまず「残高×金利÷12」が利息に充てられ、残りが元金の返済になります。最初は残高が大きく利息が多いので元金はあまり減らず、残高が減るにつれて元金に回る額が増えていきます。3,000万円・30年・金利2.0%なら、15年後でも約1,723万円が残る計算で、金利が高いほど減りは遅くなります。売却や借り換えの計画は、感覚ではなく返済予定表の残高で立てたいところです。繰上返済は早い時期ほど利息を減らす効き目があります。変動金利で返済額を据え置く契約では、金利が上がると残高の減りが遅くなる点にも気をつけて下さい。

関連語元利均等返済・元金均等返済、ローンの総返済額・利息計算、担保割れ・担保余力、繰上返済

期限の利益の喪失・一括返済 きげんのりえき

ひとことで言うと分割で返してよいという約束がなくなり、残りの借入れを一度に返すよう求められる状態のことです。

ローンを分割で返せるのは、期限が来るまで払わなくてよいという「期限の利益」があるからです。破産手続の開始などで当然に失う場合と、返済の遅れなどがあって金融機関の請求で失う場合があり、どの事情が当たるかは金銭消費貸借契約書や銀行取引約定書に書かれています。失うと残高の一括返済を求められ、保証会社の代位弁済、任意売却や競売へと進むことがあります。住宅ローンで買った家を無断で貸すことや、担保の物件を了解なく売ることも、喪失の理由に当たるおそれがあります。返済が苦しくなりそうなら、遅れる前に金融機関へ相談して下さい。

関連語任意売却、競売、金銭消費貸借契約(金消契約)、保証人・連帯債務・連帯保証の違い

基準金利・優遇金利・店頭金利 きじゅんきんり

ひとことで言うと金融機関が決める基準の金利が店頭金利(基準金利)、そこから差し引く幅が優遇で、残りが実際に払う金利です。

変動金利のローンの多くは「店頭金利-優遇幅=適用金利」で金利が決まります。店頭金利は短期プライムレートなどをもとに金融機関が決め、世の中の金利に合わせて見直されます。優遇幅は審査の結果をふまえて借りるときに決まるのが一般的で、同じ商品でも人によって適用金利が違います。店頭金利が上がれば、優遇幅が同じでも適用金利は同じだけ上がります。優遇が全期間続くのか最初の数年だけなのか、取引の条件を外れると縮むのかは、契約の前に確かめておきます。広告の「最大○%優遇」は条件を満たした人の幅なので、審査のあとに決まる実際の幅で収支を組みます。金利のお知らせは、3つの数字を分けて控えておくと動きが分かります。

関連語固定金利期間選択型・当初固定、短期プライムレート・長期プライムレート、金利(固定金利・変動金利)、金融機関の種類(都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・公庫・ノンバンク)

銀行格付・自己査定 ぎんこうかくづけ

ひとことで言うと銀行が取引先の返済の力を段階で表したのが格付、それをもとに貸出しを点検する作業が自己査定です。

格付は、決算書の利益・自己資本・借入れの多さなどを点数にし、事業の見通しを加えて段階をつけたもので、段階の数や呼び方は銀行ごとに違い、公表されていません。自己査定は、格付をもとに債務者区分を決め、貸倒れに備える引当金を積む銀行の作業です。格付は新しい融資が通るか、金利、担保や保証の条件に効いてきます。節税で帳簿上の赤字が続くと、手残りがあっても評価が低く出ることがあります。個人の大家さんは確定申告書が決算書の代わりに見られます。決算書を出すときは、手元に残ったお金や役員との貸し借りの理由を説明できるようにしておきたいところです。

関連語債務者区分・正常先・要注意先、決算・決算書、属性、メインバンク・取引実績・預金

金利上昇リスク・金利ショック きんりじょうしょう

ひとことで言うと借りたあとに金利が上がり、返済の増加や物件の値下がり、融資の条件の悪化につながる危険のことです。

変動金利なら返済額が増え、固定金利でも固定期間が終われば上がった金利で決め直すことになります。金利が上がると買い手が借りられる額も減るため、物件の値段が下がりやすく、売っても借入を返しきれないことがあります。審査で使う試算の金利も上がり、次の融資で借りられる額が減ることもあります。日本銀行は2024年3月にマイナス金利をやめ、2026年9月には政策金利を1.25%程度としています(2026年10月時点)。買う前に金利を1〜2%上げた収支を出し、手元のお金を残しておくのが基本の備えです。金融機関から返済額を据え置いて期間を延ばす扱いを示されたときは、残高の減り方も確かめます。

関連語金利(固定金利・変動金利)、DSCR(返済余裕率)、変動金利と固定金利、短期プライムレート・長期プライムレート

金利スワップ・金利キャップ きんりすわっぷ

ひとことで言うと変動金利を実質的に固定金利に変える契約が金利スワップ、上限を超えた金利分を受け取る権利が金利キャップです。

金利スワップは、一定の期間「変動金利を受け取り固定金利を払う」約束を銀行と交わし、借入れの変動金利と打ち消しあって実質的に固定金利にするデリバティブ取引です。金利が上がっても負担は増えませんが、下がっても固定金利を払い続けます。ローンとは別の契約なので、物件を売ってローンを返してもスワップは残り、途中でやめると市場の金利しだいで清算金がかかります。金利キャップは最初に料金を払って上限を決める形で、金利が下がれば低い金利のまま払えます。提案を受けたら、ローン自体を固定金利にした場合と比べ、会計・税務の扱いも確かめたいところです。

関連語金利(固定金利・変動金利)、法人化(資産管理会社)、金銭消費貸借契約(金消契約)

決算書・確定申告書・事業計画書(融資で出す書類) けっさんしょ

ひとことで言うと融資の審査で出す、これまでの成績を示す決算書・確定申告書と、これからの収支の見込みを示す事業計画書のことです。

会社員なら源泉徴収票など、個人で事業をしている方は確定申告書と決算書、法人は決算書と法人税の申告書を出すのが一般的で、何期分かは金融機関によって2〜3期分が多いようです。事業計画書は、家賃収入・経費・返済・手残りの見込みをまとめたもので、金融機関は数字そのものより空室や経費の置き方の根拠を見ます。節税で利益を小さくしすぎると審査で不利に読まれることがあり、申告書・レントロール・計画書の家賃がそろっているかも確かめられます。出す前に3つの書類を並べて見比べておくと、説明を求められたときに慌てずに済みます。

関連語決算・決算書、確定申告・税理士、融資審査の流れ(事前審査・本審査・稟議)、DSCR(返済余裕率)

個人名義の融資と法人名義の融資 こじんめいぎ

ひとことで言うと個人の名前で借りるか、会社の名前で借りるかの違いで、法人名義でも代表者の連帯保証が付くのが一般的です。

個人名義の融資は本人の年収・資産・ほかの借入と物件の収支をあわせて審査され、その借入は次の住宅ローンなどの審査でも数えられます。法人名義の融資は会社の決算書と物件の収支に加えて、代表者個人の資産や収入も見られることが多く、設立したばかりの会社は代表者の属性で判断されます。法人でも代表者が連帯保証人になるのが一般的です。名義はあとから移すと売買として税金や登記の費用がかかり、借入の名義も金融機関の承諾なしには移せないので、最初に税理士さんと金融機関に相談して決めます。新しく作った会社で借りるときは、会社の目的や代表者の経歴を説明できる資料も求められます。

関連語法人化(資産管理会社)、属性、決算書・確定申告書・事業計画書(融資で出す書類)、返済比率

固定金利期間選択型・当初固定 ことていきんり

ひとことで言うと最初の3年・5年・10年などだけ金利を固定し、期間が終わったらその時点の金利で決め直すローンのことです。

固定期間が終わると、もう一度固定を選ぶか変動に移るかを決めます。手続きをしないと自動で変動に切り替わる商品もあります。期間終了後の金利は、多くの場合その時点の店頭金利から優遇幅を引いたもので、優遇が全期間続く型か、最初の期間だけ大きい型かで、11年目以降の返済が大きく変わります。固定期間中の繰上返済や借り換えには違約金がかかる契約もあるので、売る予定の時期と固定の期間を合わせて考えます。固定期間が終わる月は、返済予定表で確かめておきます。最初の金利の低さだけでなく、期間が終わったあとの金利の決まり方を書面で確かめてから選びます。

関連語変動金利と固定金利、基準金利・優遇金利・店頭金利、金利(固定金利・変動金利)、金銭消費貸借契約(金消契約)

債務者区分・正常先・要注意先 さいむしゃくぶん

ひとことで言うと銀行が貸している相手を返済の確かさで段階に分けたもので、正常先が最上位、次が要注意先です。

債務者区分は、上から正常先・要注意先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先の5つが基本で、要注意先のうち3か月以上の延滞や条件を緩めた借入れがある相手は要管理先と呼ばれます。もとは金融検査マニュアル(2019年12月廃止)の分け方ですが、今も多くの金融機関が実務の出発点にしているとされます(2026年10月時点)。区分が下がると銀行は引当金を多く積む必要があり、新しい融資に慎重になります。リスケを受けると要注意先などに下がるのが一般的で、しばらく次の借入れが難しくなることがあります。赤字の年は、理由と立て直しの見込みを数字で説明しておきたいところです。

関連語銀行格付・自己査定、リスケ(返済条件の変更)、決算・決算書、属性

個人信用情報機関(CIC・JICC・KSC) しんようじょうほうきかん

ひとことで言うとローンやクレジットの契約と支払いの記録を集めて金融機関に提供する機関で、CIC・JICC・KSCの3つです。

CICはクレジットカード・信販、JICCは消費者金融、KSC(全国銀行個人信用情報センター)は銀行や信用金庫の加盟が多く、銀行のアパートローンの記録は主にKSCに入ります。延滞などの一部の情報は3機関で交流されています。KSCの登録期間は、取引の情報が契約期間中と終了後5年以内、官報情報が7年以内、照会の記録は加盟先への提供が6か月以内とされています(2026年10月時点)。自分の記録はCICがネット500円、JICCがスマホ700円、KSCがネット800円で取り寄せられます。入っている場所が違うので、融資の前には3つともそろえて見ておきたいところです。

関連語信用情報、属性、融資(不動産投資ローン・アパートローン)、保証人・連帯債務・連帯保証の違い

信用保証協会・保証付き融資 しんようほしょうきょうかい

ひとことで言うと中小企業や個人事業主の借入に保証を付ける公的な機関で、その保証が付いた融資を保証付き融資と呼びます。

信用保証協会は信用保証協会法にもとづく公的な機関で、借りた側が返せなくなると協会が金融機関に代わりに返し(代位弁済)、そのあと借りた側に返済を求めます。借りる側は保証料を払い、料率は経営状況などで段階に分かれます。多くの保証付き融資では協会が8割、金融機関が2割を負う責任共有制度がとられ、金融機関が貸しやすくなります。不動産業も対象の業種ですが、賃貸用の物件の取得資金への使い方は協会や制度で扱いが分かれます。金利に保証料を足した負担で比べ、保証の枠の上限にも気を配ります。代位弁済になると、協会から一括での返済を求められるのが一般的です。

関連語保証料・保証会社、プロパーローン・パッケージローン、日本政策金融公庫、個人名義の融資と法人名義の融資

積算評価・収益還元評価 せきさんひょうか

ひとことで言うと土地と建物の値段を足す積算評価と、利益から逆算する収益還元評価のことで、銀行の担保評価の柱です。

不動産鑑定評価基準には原価法・取引事例比較法・収益還元法の3つの手法があり、銀行の積算評価は原価法、収益還元評価は収益還元法を融資向けに簡単にしたものと考えるとわかりやすいと思います。積算は土地の単価×面積に、建物の再調達価格から古くなった分を引いた額を足して出します。収益還元は1年の利益を利回りで割る直接還元法が多く使われます。土地の広い郊外の物件は積算が、家賃のとれる都市部の小さな物件は収益還元が高く出やすく、どちらを重く見るかで銀行の貸せる額が変わります。割り戻す利回りを1%変えるだけで評価は大きく動くので、銀行ごとの見方を聞いておきたいところです。

関連語担保評価(積算評価・収益還元評価)、一物四価(実勢価格・公示地価・路線価・固定資産税評価額)、キャップレート(還元利回り)、法定耐用年数

ローンの総返済額・利息計算 そうへんさいがく

ひとことで言うと借りたお金に最後までの利息を足した合計が総返済額で、利息は残高に金利をかけて計算します。

毎月の利息は「残高×年の金利÷12」で計算されることが多く、日割りで計算する金融機関もあります。総返済額は毎月の返済額×回数で、元金を引いた分が利息の合計です。2,000万円・25年の元利均等返済なら、金利1.5%で利息は約400万円、3.0%では約845万円と、2倍を超えます。期間を延ばすと毎月の負担は軽くなる一方、利息は増えます。変動金利の総返済額は今の金利が続く前提の数字で、保証料や手数料、団信の上乗せは入っていないことが多いので、諸費用まで足した合計で比べたいところです。経費にできるのは利息の部分だけです。

関連語元利金等返済の仕組みと残高の減り方、元利均等返済・元金均等返済、繰上返済、融資期間

団体信用生命保険の種類(がん団信・ワイド団信) だんしんのしゅるい

ひとことで言うとがんや三大疾病の保障を足した型や、持病があっても入りやすいワイド団信など、保障や条件が違う団信の型です。

一般の団信は亡くなったときなどに残りのローンが返される型で、住宅ローンでは金利に含まれていることが多くあります。がん団信はがんと診断されたときに残高の全部や半分が返され、三大疾病やさらに範囲を広げた型もあります。ワイド団信は持病のある人向けに引き受けの条件をゆるめた型です。保険料は金利の上乗せで払うのが一般的で、フラット35の新3大疾病付機構団信は年0.24%です(2026年10月時点)。2,500万円・35年なら総額で約131万円の差になる計算です。上皮内がんの扱いや待ち期間、年齢の上限などの条件を読んでから選びたいところです。

関連語団体信用生命保険(団信)、金利(固定金利・変動金利)、相続(不動産)、ローンの総返済額・利息計算

短期プライムレート・長期プライムレート たんぷら

ひとことで言うと金融機関が信用の高い会社に貸すときの最も優遇した金利で、1年未満の基準が短期、1年以上の基準が長期です。

短期プライムレート(短プラ)は各金融機関が決め、日本銀行の政策金利に合わせて見直されることが多く、変動金利のローンの土台になっています。長期プライムレート(長プラ)は大手銀行が毎月のように見直し、長い期間の市場金利の動きを映す数字です。日本銀行のまとめでは、主要行の短プラは2009年から長く1.475%でしたが、2026年8月には2.375%まで上がっています(2026年10月時点)。短プラが上がっても、自分の金利にいつ反映されるかは契約しだいなので、金銭消費貸借契約書で基準と見直しの時期を確かめます。

関連語基準金利・優遇金利・店頭金利、金利上昇リスク・金利ショック、金利(固定金利・変動金利)、変動金利と固定金利

担保割れ・担保余力 たんぽわれ

ひとことで言うと物件の値打ちがローン残高を下回る状態が担保割れ、値打ちが残高を上回っている分が担保余力です。

フルローンやオーバーローンで買うと、買った直後から残高が物件の値打ちを上回る担保割れになりやすく、建物の値下がりが返済より速いと長く続きます。担保割れのまま売ると、足りない分と仲介手数料などを手元のお金で埋めないと抵当権を外せません。担保余力は物件の評価から残高を引いた「あまり」で、銀行は評価の一定割合までを貸せる額と見ることが多いため、余力もその割合で考えます。余力のある物件は共同担保や借り換えの材料になりますが、見方は銀行ごとに違います。共同担保に入れた物件は、売るときに別の借入れが絡むことがある点にも気をつけたいところです。

関連語積算評価・収益還元評価、共同担保、任意売却、フルローン・オーバーローン

つなぎ融資・ブリッジローン つなぎゆうし

ひとことで言うと本来のローンが実行されるまでの短い期間だけ、足りない支払いのお金を借りる融資のことです。

住宅ローンやアパートローンの多くは建物の完成後にまとめて実行されるため、土地の代金や着工金・中間金など完成前の支払いをつなぎ融資でまかない、本来のローンが出たときに返します。ブリッジローンは、住み替えで今の家が売れるまでの間だけ借りるお金を指すことが多い言葉です。どちらも金利は高めで、事務手数料なども別にかかります。工事の遅れや売却の遅れはそのまま利息の増加になり、本来のローンの承認が取り消されると返すお金が足りなくなるので、承認とそろえて計画します。利息の計算は、予定より数か月延びた場合の数字も出しておきます。

関連語金銭消費貸借契約(金消契約)、決済(残代金決済)、自己資金・頭金・諸費用、融資審査の流れ(事前審査・本審査・稟議)

抵当権の抹消・設定費用 ていとうけんのまっしょう

ひとことで言うと抵当権を登記するときと消すときにかかる、登録免許税や司法書士さんの報酬などの費用のことです。

抵当権の設定の登録免許税は債権額の0.4%で、自分が住む家の住宅ローンなら要件を満たすと0.1%に下がります(2027年3月31日までの措置。2026年10月時点)。投資用には使えません。抹消は不動産1個につき1,000円で、土地と建物なら2,000円です。ほかに司法書士さんの報酬や登記事項証明書の費用がかかり、報酬は事務所ごとに違います。3,000万円を借りれば設定の登録免許税だけで12万円です。完済後に抹消を放っておくと、売るときに書類が見当たらず慌てることがあるので、書類が届いたら早めに抹消を済ませたいところです。抹消は自分で申請することもできます。

関連語抵当権・根抵当権、登録免許税、所有権移転登記・司法書士、金銭消費貸借契約(金消契約)

日本政策金融公庫 にほんせいさくきんゆうこうこ

ひとことで言うと国が全額を出資する政策金融機関で、個人事業主や小さな会社への融資を多く手がけています。

株式会社日本政策金融公庫は政府が株式を持つ金融機関で、個人事業主や小さな会社への融資は国民生活事業が受け持っています。2026年8月時点の案内では、一般貸付の限度額は4,800万円、返済期間は設備資金10年以内・運転資金7年以内で、金利は固定です。個人事業主は原則として保証人が要らず、法人でも条件しだいで代表者の保証を外せる制度があります。期間が短めなので物件の購入資金を全部借りると返済が重くなりがちで、事業の中身と返し方を説明できる準備をしてから相談します。制度や金利は年度の途中でも見直されるので、案内は日付を見てから読みます。

関連語金融機関の種類(都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・公庫・ノンバンク)、決算書・確定申告書・事業計画書(融資で出す書類)、信用保証協会・保証付き融資、融資期間

ノンバンク・ローン会社 のんばんく

ひとことで言うと預金を扱わずにお金を貸す会社で、不動産の購入資金や不動産担保の融資を扱うところもあります。

ノンバンクは自分で調達したお金を貸すため、金利は銀行より高めになるのが一般的です。そのかわり、築年数の古い物件や借地の物件など銀行で評価が出にくい物件にも貸すことがあり、審査が早いこともあります。貸金業者は貸金業法にもとづく登録が必要で、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで確かめられます。個人向けの総量規制(年収の3分の1まで)には、不動産担保の貸付など対象から外れるものがあります。あとで借り換える前提で借りず、その金利で最後まで返せるかを計算してから決めます。繰上返済の手数料や違約金が高めに決められていることもあるので、契約書のその条項も読んでおきます。

関連語金融機関の種類(都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・公庫・ノンバンク)、借り換え、借り換えにかかる費用と判断基準、キャッシュフロー

不動産担保ローン・カードローン ふどうさんたんぽろーん

ひとことで言うと不動産を担保に借りるのが不動産担保ローン、担保なしで枠の中から何度でも借りられるのがカードローンです。

不動産担保ローンは担保の評価に応じてまとまった額を借りられ、金利は無担保より低めですが、審査に時間がかかり登記の費用も要ります。カードローンはすぐ借りられる反面、金利が高めで、上限は利息制限法で100万円以上なら年15%です(2026年10月時点)。貸金業者からの個人の借入れには年収の3分の1までの総量規制があり、自宅以外の不動産を担保とする貸付けや、銀行からの借入れは対象外です。カードローンの利用は信用情報に残り、アパートローンの審査で資金繰りの苦しさと受け止められることもあります。担保に入れる物件の収支で返せるかを先に確かめておきたいところです。

関連語金融機関の種類(都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・公庫・ノンバンク)、リバースモーゲージ、個人信用情報機関(CIC・JICC・KSC)

住宅金融支援機構(フラット35) ふらっとさんじゅうご

ひとことで言うと住宅金融支援機構と民間の金融機関が扱う、全期間固定金利の住宅ローンです。投資用の物件には使えません。

窓口の民間の金融機関が貸し出し、国の独立行政法人である住宅金融支援機構がそのローンを買い取るなどして、長い期間の固定金利を実現しています。本人か親族が住む家のためのもので、借入は100万円以上8,000万円以下、期間は15年以上35年以内、床面積は戸建て70㎡以上・マンション30㎡以上で、技術基準に合うかを検査で確かめます(2026年10月時点)。人に貸すと契約違反として一括返済を求められることがあります。大家にとっては、家を売るときに買主さんが使えるかどうかで関わってきます。金利は毎月見直され、お金を受け取るときの金利が使われます。

関連語アパートローンと住宅ローンの違い、変動金利と固定金利、収益物件・実需、専有面積・壁芯・内法

ペアローン・収入合算 ぺあろーん

ひとことで言うと2人の収入で住宅ローンを組む方法で、別々に2本組むのがペアローン、1本に収入を合わせるのが収入合算です。

ペアローンは2人がそれぞれ借り手になってお互いの連帯保証人になる形が一般的で、団信には2人とも入り、住宅ローン控除もそれぞれ受けられますが、手数料などは2本分かかります。収入合算は1本のローンに収入を足して審査する形で、足す側が連帯保証人になる型では控除や団信は原則として借り手だけ、連帯債務者になる型では控除をそれぞれの負担割合で受けられます。借りられる額は大きく増えますが、片方の収入が減っても返済は変わらないので、1人分の収入で払えるかを確かめておきます。離婚などで家を手放すときに整理が難しくなる点も、借りる前に知っておきたいところです。

関連語アパートローンと住宅ローンの違い、団体信用生命保険(団信)、住宅金融支援機構(フラット35)、返済比率

返済期間短縮型・返済額軽減型 へんさいきかんたんしゅくがた

ひとことで言うと繰上返済のあと、返し終わりを早めるのが期間短縮型、毎月の返済を減らすのが返済額軽減型です。

繰上返済したお金は元金に充てられ、その分の先の利息がなくなります。期間短縮型は毎月の返済額を変えずに返し終わる時期を早める型で、利息の減り方が大きいのが特徴です。返済額軽減型は期間を変えずに毎月の返済を減らす型で、利息の減り方は小さめですが、毎月の手残りがすぐ増え、次の融資の審査で返済の割合が良く見えることもあります。どちらを選べるか、手数料がかかるかは金融機関や商品で違います。返したお金は戻らないので、修繕と空室の備えを残してから返します。返し終わる時期を建物の古さや完済の年齢に合わせたいのか、毎月を楽にしたいのかで、選ぶ型が変わります。

関連語繰上返済、元利均等返済・元金均等返済、融資期間、DSCR(返済余裕率)

変動金利と固定金利 へんどうきんり

ひとことで言うと借りたあとも金利が動くのが変動金利、決めた期間は金利が変わらないのが固定金利です。

変動金利は短期プライムレートなどに合わせて見直され、借りる時点では固定より低めのことが多い一方、金利が上がったときの負担は借りる側が持ちます。固定金利は期間中の返済額が読めるかわりに、借りる時点の金利が高めです。どちらが得かは借りたあとの金利しだいで、事前には分かりません。比べるときは今の金利の差だけでなく、何年持つつもりか、金利が上がったらどう払うかを合わせて考えます。投資用の融資の固定は3年・5年など短めの期間が多く、期間が終わると金利を決め直す契約が一般的です。迷ったときは、金利が2%上がった場合の返済で収支が回るかを確かめておくと、判断がぶれにくくなります。

関連語金利(固定金利・変動金利)、固定金利期間選択型・当初固定、短期プライムレート・長期プライムレート、金利上昇リスク・金利ショック

保証人・連帯債務・連帯保証の違い ほしょうにん

ひとことで言うと保証人・連帯保証人は本人の代わりに返す人、連帯債務者ははじめから本人と並んで借りる人のことです。

保証人には先に本人へ請求するよう求める権利(催告・検索の抗弁)がありますが、連帯保証人にはなく、金融機関はいきなり全額を求められます。金融機関の融資の保証はほとんどが連帯保証です。連帯債務者は借りた本人の一人で、夫婦の収入合算などで使われ、それぞれが全額の責任を負います。2020年4月からは、個人が事業用融資の保証人になるとき、取締役などを除いて公証人による意思確認(保証意思宣明公正証書)が要り、保証を頼む側には財産や収支を伝える義務があります(2026年10月時点)。経営者保証に関するガイドラインでは、条件を満たせば保証なしで借りる道も示されています。

関連語連帯保証人・極度額、保証料・保証会社、金銭消費貸借契約(金消契約)、期限の利益の喪失・一括返済

メインバンク・取引実績・預金 めいんばんく

ひとことで言うといちばん多く取引をしている銀行のことで、借入れや預金、入出金をまとめるほど取引実績が厚くなります。

メインバンクは法律の言葉ではありませんが、融資の相談ではよく使われます。銀行が見る取引実績は、借入れと返済の状況、預金の残高、家賃の入金や税金の支払いといったお金の出入りの積み重ねで、決算書では見えないお金の流れが口座の動きから伝わります。事情を知っている分、困ったときに相談に乗ってもらいやすい反面、1行だけに頼ると方針が変わったときに次の融資の道が細くなります。融資と引き換えの過度な預金の要求は問題とされているので、頼まれたら条件との関係を聞いてみて下さい。口座を移すときは、管理会社さんなどへの連絡の手間も見込んでおきたいところです。

関連語銀行格付・自己査定、金融機関の種類(都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・公庫・ノンバンク)、プロパーローン・パッケージローン、融資の総量・与信枠・融資姿勢

融資審査の流れ(事前審査・本審査・稟議) ゆうししんさ

ひとことで言うと融資の申込みから承認までの手順のことで、事前審査・本審査・稟議を順に経て承認が出ます。

事前審査(仮審査)では本人の情報と物件のおおまかな資料で借りられそうかを見て、本審査では確定申告書や物件の資料をそろえて担当の方が審査します。稟議は、担当の方がまとめた書類を支店長や本部が見て、貸すかどうかを決める段階です。承認が出ると金額・金利・期間が決まり、金銭消費貸借契約を経て決済の日にお金が振り込まれます。事前審査が通っても本審査で金額が減ることはあるので、ローン特約の期限は本審査と稟議の日数を聞いてから決めます。審査の途中で追加の書類を求められることも多いので、出せる書類は申込みの前にそろえておきます。

関連語ローン特約(融資特約)、金銭消費貸借契約(金消契約)、決算書・確定申告書・事業計画書(融資で出す書類)、属性

融資手数料・事務手数料・印紙代 ゆうしてすうりょう

ひとことで言うと借りるときに金融機関に払う手数料と、ローンの契約書にかかる印紙税など、金利とは別の費用のことです。

融資手数料・事務手数料には、数万円の定額の形と、借入額の何%という定率の形があり、定率は借入れが大きいほど重くなります。金銭消費貸借契約書の印紙税は、1,000万円超5,000万円以下で2万円、5,000万円超1億円以下で6万円です(2026年10月時点)。電子契約ならかかりません。定率の手数料は早く返しても戻らないのが一般的なので、金利が低くても手数料が高い借入れは、短い期間で返すと割高になることがあります。何年借りるつもりかを決めたうえで、手数料・印紙代・保証料・登記の費用と利息を並べて比べたいところです。

関連語保証料・保証会社、印紙税、自己資金・頭金・諸費用、抵当権の抹消・設定費用

融資の総量・与信枠・融資姿勢 ゆうしのそうりょう

ひとことで言うと銀行が1人や1社に貸せる上限が与信枠、その時々で銀行がどれだけ積極的に貸すかが融資姿勢です。

与信枠は、借りる人の収入・資産・既存の借入れなどから銀行が考える貸出しの上限で、計算式は公表されておらず銀行ごとに違います。銀行は自分のところだけでなく、すべての借入れの合計を家賃と本業の収入で返していけるかを見ます。融資姿勢は景気や金利、当局の方針、銀行の業績で変わり、返済が順調でも枠が狭まることがあります。法人を分けても、代表者や保証人が同じなら合わせて見られるのが一般的です。貸してもらえることと返していけることは別なので、返済比率や手元の現金の下限など、借りすぎない線を自分で決めておきたいところです。

関連語属性、メインバンク・取引実績・預金、返済比率、銀行格付・自己査定

リスケ(返済条件の変更) りすけ

ひとことで言うと返済が苦しくなったときに、金融機関と合意して返済の期間や金額などの条件を変えてもらうことです。

元金の返済を一定期間止めて利息だけを払う、期間を延ばして毎月の返済を減らす、といった変え方があります。中小企業金融円滑化法は2013年3月末で期限を迎えましたが、金融庁はその後も金融機関に条件変更の相談に応じるよう求めています。ただし借りる側の権利ではなく、金融機関との合意で、立て直しの計画を求められるのが一般的です。止めた元金は消えないので、あとの返済が重くなり、しばらく新しい融資も受けにくくなります。相談は返済が遅れる前にします。家賃の見込みや手元のお金を紙にまとめ、売却などほかの手とも比べたうえで相談すると、話が早く進みます。

関連語金銭消費貸借契約(金消契約)、キャッシュフロー、任意売却、返済比率

リバースモーゲージ りばーすもーげーじ

ひとことで言うと自宅を担保に借りて利息だけを払い、元金は亡くなったあとに自宅を売るなどして返すローンのことです。

銀行独自の商品のほか、住宅金融支援機構と提携した金融機関の「リ・バース60」があります。リ・バース60は住宅の購入やリフォーム、借り換えなど住まいのための資金に使う形で、生活費や投資用物件の購入には使えません(2026年10月時点)。借りられる額は担保評価の50%か60%までです。売っても足りない分を相続人が返さなくてよいノンリコース型と、返す必要があるリコース型があり、ノンリコース型で返さずに済んだ分には所得税などがかかる可能性があるとされます。毎月の利息を年金から払い続けられるか、家族が借入れのことを知っているかを、借りる前に確かめておきたいところです。

関連語不動産担保ローン・カードローン、相続(不動産)、リースバック・買戻し

ビジネス・法人・会計

iDeCo・NISA・つみたて投資 あいでこ

ひとことで言うと掛金が所得控除になる老後の積立てがiDeCo、利益が非課税になる口座がNISAです。

NISAは2024年からの制度で、年360万円(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)、生涯1,800万円まで利益が非課税になり、いつでも引き出せます。iDeCoは掛金が全額所得控除になる代わりに、原則60歳まで引き出せません。掛金の上限は2026年12月の掛金から引き上げられます(2026年10月時点)。どちらも個人の制度で、法人のお金では使えません。大家にとって手元資金は空室や修繕への備えでもあるため、引き出せないiDeCoに回しすぎると、工事の年に預金が足りなくなることがあります。受け取るときの税金の扱いも、制度ごとに違います。

関連語小規模企業共済・経営セーフティ共済、自己資金・頭金・諸費用、個人と法人の税率の違い(所得税と法人税)

売上原価・販売費及び一般管理費 うりあげげんか

ひとことで言うと売上を生むために直接かかった費用が売上原価、会社を回すための営業・事務の費用が販管費です。

売上原価は売上に直接ひもづく費用、販売費及び一般管理費(販管費)は役員報酬や税理士報酬、事務の費用など会社を回すための費用です。家賃が売上の会社には決まった分け方がなく、減価償却費や管理・修繕費を賃貸原価として原価に入れる会社も、すべて販管費にまとめる会社もあります。分け方を変えても営業利益は同じですが、売上総利益の見え方が大きく変わるため、他社と比べるときは入れ方をそろえる必要があります。物件の売買を事業にする会社では、販売用の物件は在庫として扱い、減価償却はしません。分け方は会社ごとに違ってかまいませんが、毎年同じ分け方を続けることが前提です。

関連語損益計算書(P/L)、固定費・変動費、減価償却

会計ソフト・クラウド会計・仕訳 かいけいそふと

ひとことで言うとお金の動きを2つの面から記録するのが仕訳、それを入力して帳簿を作る道具が会計ソフトです。

仕訳は、1つの取引を借方と貸方の2つに分けて記録することで、積み上げると損益計算書と貸借対照表ができます。クラウド会計は銀行やカードの明細を自動で取り込み、仕訳の候補を出してくれます。大家に多い誤りは、ローンの返済額を全部経費にすること(経費になるのは利息だけ)と、返すお金である敷金を売上にすることです。メールなどで受け取った請求書や領収書は、データのまま保存することが求められています(2026年10月時点)。ソフトの乗り換えに備えて、決算ごとに帳簿を書き出して保管しておきたいところです。自動取込みの候補は、そのまま確定させずに中身を確かめることが前提です。

関連語青色申告、貸借対照表(B/S)、税務調査の流れと準備

キャッシュフロー計算書 きゃっしゅふろーけいさんしょ

ひとことで言うと会社のお金が1年間でなぜ増え、なぜ減ったかを、3つの区分で示した表のことです。

キャッシュフロー計算書は、お金の動きを営業(家賃と経費・税金)、投資(物件や設備の売り買い)、財務(借入れと返済、出資)の3つに分けて示します。損益計算書の利益と預金の増減がずれる理由が分かる表で、減価償却費はお金が出ていかず、元金の返済は利益の計算に入らないことが、ずれの主な原因です。中小の会社では作っていないことも多いのですが(2026年10月時点)、通帳を3つの区分に分けて合計すれば大まかに確かめられます。営業の区分が元金の返済を下回る年が続くなら、預金で返済している状態です。税理士さんに作成を頼めることもあります。

関連語キャッシュフロー、デッドクロス、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)

決算月・事業年度の決め方 けっさんづき

ひとことで言うと会社の1年の区切り(事業年度)を決めることで、その最後の月が決算月です。

会社は定款で事業年度を決め、好きな月を決算月にできます。設立の日から最初の決算月の末日までが1期目で、申告と納税の期限は原則として決算月の末日から2か月以内です(2026年10月時点)。設立月の前月を決算月にすると1期目がほぼ12か月になり、12月決算にすると社長個人の確定申告の時期と重なります。消費税の免税の期間や役員報酬を決める時期(期首から3か月以内)にもかかわります。あとから変えることもできますが、定款の変更と届出が要り、その年は決算が1回増えます。1期目が短いと、決算の手間と費用が早く1回分かかる点も考えに入れておきたいところです。

関連語決算・決算書、定款・登記事項(会社)、役員報酬

欠損金の繰越控除 けっそんきん

ひとことで言うとある年の赤字を翌年以降に持ち越して、黒字の年の所得から差し引ける制度のことです。

法人は、青色申告の承認を受けていれば、赤字(欠損金)を10年間繰り越せます(2018年4月1日以後に始まった事業年度の分。2026年10月時点)。中小法人は黒字の全額まで差し引けますが、大きな会社は所得の50%までです。個人は青色申告なら純損失を3年間繰り越せます。物件を買った年は諸費用で赤字になりやすく、繰越しがあると翌年以降の税金が大きく変わります。条件は、赤字の期を含めて毎期申告を続けることと帳簿の保存で、新設の会社は青色申告の承認申請の期限を逃さないことが要です。繰越しがあっても、赤字の決算は融資の審査で不利に働くことがある点は、別に考えておきたいところです。

関連語青色申告、法人税、損益通算、税務調査の流れと準備

源泉徴収・給与・賞与 げんせんちょうしゅう

ひとことで言うと給与や報酬を払う側が所得税を差し引いて預かり、代わりに国へ納めるしくみのことです。

役員報酬を含む給与、賞与、税理士・弁護士・司法書士などへの報酬を払うときは、払う側が所得税を差し引いて預かり、原則として翌月10日までに納めます。給与を払う人が常に10人未満なら、届け出て年2回にまとめる納期の特例が使えます(2026年10月時点)。税理士への報酬なら、100万円以下の部分は10.21%です。届出のない役員賞与は会社の経費になりませんが、源泉徴収は要ります。海外に住む人から日本の土地・建物を買うときも、原則として代金の10.21%を源泉徴収する点に注意が要ります。預かった税を納め忘れると、不納付加算税と延滞税がかかります。

関連語役員報酬、社会保険(法人)、確定申告・税理士

法人の交際費・接待費・福利厚生費 こうさいひ

ひとことで言うと取引先などへの接待や贈り物が交際費、役員・従業員みんなのための費用が福利厚生費です。

法人の交際費は原則として経費になりませんが、資本金1億円以下などの中小法人は、年800万円までか接待飲食費の50%までの多いほうを経費にできます(2026年10月時点)。2024年4月以後の飲食は、1人1万円以下なら、参加者や人数などを書いた書類を残すことで交際費から外せます(社内だけの飲食は除く)。福利厚生費は全員を対象にした常識的な範囲の費用です。家族との食事や、対象が実質社長だけの支出は、給与とみなされたり経費から外されたりすることがあるため、目的と参加者の記録が欠かせません。飲食の領収書には、その場で相手と目的を書き残しておくと説明しやすくなります。

関連語税務調査の流れと準備、法人名義の車・パソコン・備品の経費、法人税

個人と法人の税率の違い(所得税と法人税) こじんとほうじん

ひとことで言うと個人は所得が増えるほど段階的に税率が上がり、法人は率の上がり方がゆるやか、という違いのことです。

個人の所得税は課税所得に応じて5%〜45%の7段階で、住民税10%と復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わります。中小法人の法人税は、所得800万円以下の部分が15%、こえる部分が23.2%で、地方法人税などを合わせても800万円以下の部分は2割台が目安です(2026年10月時点)。高い率がかかるのは段階をこえた部分だけなので、比べるときは平均の税率ではなく「増える部分の税率」を見ます。課税所得1,000万円の方の平均は28%ほどでも、増える部分には約43.7%がかかります。会社から受け取るときの税金も含めた合計での比較が要ります。

関連語法人化(資産管理会社)、法人税、不動産所得、小規模企業共済・経営セーフティ共済

固定費・変動費 こていひ

ひとことで言うと売上にかかわらずかかる費用が固定費、売上や入居に合わせて動く費用が変動費のことです。

大家の固定費には、ローンの返済、固定資産税、火災保険料、共用部の電気代や清掃・点検、法人なら税理士報酬や均等割があります。変動費は、家賃の%で払う管理委託料、入居が決まったときの広告料や仲介手数料、退去ごとの原状回復などです。賃貸経営は固定費の割合が大きく、満室に近いと手残りが大きい一方、空室が1室出るだけで手残りが大きく減ることがあります。固定費は契約で積み上がりやすく下げにくいので、新しい契約の前にやめるときの条件を確かめておきたいところです。家賃から変動費を引いた残り(限界利益)で固定費をどれだけまかなえているかを見ると、物件の強さが分かりやすくなります。

関連語損益分岐点(入居率)、運営費(ランニングコスト)、売上原価・販売費及び一般管理費

事業承継・会社の売却・清算 じぎょうしょうけい

ひとことで言うと会社を次の代に渡す、会社ごと売る、財産を整理して会社をなくす、という会社の渡し方・終わらせ方のことです。

事業承継は株を贈与・相続・売買で次の代に渡すことで、株の評価には会社が持つ物件の評価が大きく響きます。会社の売却は株を買い手に売る方法で、物件の名義は会社のままなので登記や不動産取得税はかからず、売った個人には株の売却益に20.315%がかかります(2026年10月時点)。清算は、解散の登記、2か月以上の官報公告、財産の換金と返済、残りの分配、清算結了の登記と進み、出資をこえて受け取る分はみなし配当として配当所得になります。融資の契約の条項や、株を誰が持つかも早めに確かめておきたいところです。清算には、物件の売却を含めて半年から1年ほどかかることもあります。

関連語相続(不動産)、相続税評価(不動産)、同族会社・特殊関係者、資本金・資本準備金

資本金・資本準備金 しほんきん

ひとことで言うと株主が出したお金のうち、登記する部分が資本金、資本金にせず積み立てる部分が資本準備金です。

資本金は登記事項で、登記事項証明書から誰でも見られます。株主が出したお金のうち2分の1までは、資本金にせず資本準備金にできます。資本金は金庫に置いておく現金ではなく、設立後は物件の購入などに使えます。2026年10月時点の一般的な扱いでは、資本金1,000万円以上で設立すると最初の2期も消費税の免税にならず、法人住民税の均等割は「資本金等の額」が1,000万円を超えると段階が上がります。増資の登録免許税は資本金に入れた額の0.7%(最低3万円)なので、準備金に回すと登録免許税は下がりますが、均等割の判定には準備金も入ります。

関連語株式会社・合同会社、法人化(資産管理会社)、役員借入金・貸付金、定款・登記事項(会社)

小規模企業共済・経営セーフティ共済 しょうきぼきぎょうきょうさい

ひとことで言うと経営者個人の退職金づくりが小規模企業共済、取引先の倒産への備えが経営セーフティ共済です。

小規模企業共済は、掛金月1,000円〜7万円を全額、経営者個人の所得控除にできる退職金の積立てです。経営セーフティ共済は、掛金月5,000円〜20万円(積立ては800万円まで)を法人の損金・個人事業の必要経費にでき、取引先の倒産時に借入れもできる制度です(2026年10月時点)。セーフティ共済は40か月以上で解約手当金が掛金の全額になりますが、戻ったお金は収入として課税されるため、税金の先送りと考えたほうが実態に近いと思います。2024年10月以後の解約・再加入は2年間の掛金が経費にならず、不動産賃貸だけの事業で加入できるかは窓口での確認が要ります。

関連語iDeCo・NISA・つみたて投資、個人と法人の税率の違い(所得税と法人税)、役員報酬

税務調査の流れと準備 ぜいむちょうさ

ひとことで言うと申告が正しいかを、税務署が帳簿や書類で確かめる手続きと、それへの備えのことです。

税務調査は、多くは税理士経由の事前通知から始まり、当日は事業の聞き取りのあと、帳簿・通帳・契約書などが確かめられます。小さな会社なら1〜2日ほどが目安です。指摘があれば修正申告などで追加の税金を納め、過少申告加算税(原則10%)や延滞税がかかります(2026年10月時点)。不動産では、修繕費と資本的支出の区分、家賃の計上時期、土地と建物の按分、家族への給与などが見られやすいところです。調査の通知前に自分で修正申告すれば過少申告加算税はかからないため、気づいた時点で直すのが近道です。準備としては、帳簿・通帳・契約書・工事の見積書や写真などをふだんからそろえ、法人なら原則7年保存します。

関連語確定申告・税理士、必要経費/修繕費と資本的支出、会計ソフト・クラウド会計・仕訳、法人の交際費・接待費・福利厚生費

損益計算書(P/L) そんえきけいさんしょ

ひとことで言うと1年間の収入から費用を順に引いて、会社のもうけを段階ごとに示した表のことです。

損益計算書(P/L)には、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益の順に利益が並びます。大家の会社では家賃や礼金・更新料が売上で、借入金の利息は営業外費用、物件の売却益は多くの場合特別利益に入ります。金融機関が毎年の力として見るのは、利息まで払ったあとの経常利益であることが多いようです。減価償却費はお金が出ていかない費用で、元金の返済は表に出てこないため、利益と預金の増え方は一致しません。売却益で黒字に見える年は、その分を除いて読むと実態に近づきます。決算書を読むときは、経常利益の数年分の推移を並べて見るのが基本です。

関連語決算・決算書、貸借対照表(B/S)、売上原価・販売費及び一般管理費、キャッシュフロー

貸借対照表(B/S) たいしゃくたいしょうひょう

ひとことで言うと決算日の時点で、会社の資産・負債・純資産を1枚に並べた表のことです。

貸借対照表(B/S)は決算書の中心になる表で、左側に資産、右側に負債と純資産が並び、左右の合計は同じ額になります。大家の会社では、資産に預金・土地・建物、負債に借入金や預かった敷金、純資産に資本金とこれまでの利益が載ります。土地は買った金額のまま、建物は減価償却で毎年簿価が下がるため、表の金額は時価とは別物です。設立直後は諸費用で赤字になり、純資産がマイナス(債務超過)になることもあります。融資では金融機関がこの表を細かく見るので、借入金と純資産の動きは毎期確かめておきたいところです。数字の読み方に迷ったら、前の期との違いを税理士さんに聞いてみるのが近道です。

関連語決算・決算書、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書、役員借入金・貸付金

定款・登記事項(会社) ていかん

ひとことで言うと会社の基本ルールを書いた書類が定款、そのうち法務局に登録され公開される情報が登記事項です。

定款には商号・目的・本店・資本金・役員・事業年度などを書き、会社で保管します。登記事項は、商号・本店・目的・資本金・役員の氏名・代表者の住所などで、法務局で登記事項証明書を取れば誰でも見られます。登記事項が変わったら、2週間以内に変更の登記をします(2026年10月時点)。目的に書いていない事業のための借入れでは、金融機関から目的の追加を求められることがあるため、事業を広げる前に定款を確かめておきたいところです。自宅を本店にすると住所が公開される点にも注意が要ります。代表者の住所は、2024年10月から申し出により一部を表示しない扱いもできます。

関連語株式会社・合同会社、資本金・資本準備金、決算月・事業年度の決め方、登記(登記簿謄本・登記事項証明書)

同族会社・特殊関係者 どうぞくがいしゃ

ひとことで言うと上位3人までの株主とその家族などで株の50%超を持つ会社が同族会社です。

同族会社は、上位3人までの株主とその特殊関係者(6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族、内縁の人、株主が支配する会社など)で株式の50%超を持つ会社です。家族で作った資産管理会社の多くが当てはまります。同族会社では、税金を不当に減らすやりとりを税務署が普通の取引に置き直して計算できるほか、家族の会社への売却で特例が使えない場面もあります。社長個人と会社のあいだで物件を時価より安く売ると、会社に受贈益が出ることもあるため、値段の根拠と書類をそろえておきたいところです。家族への給与や地代なども、他人と取引するときと同じ基準で説明できるかが見られます。

関連語法人化(資産管理会社)、役員借入金・貸付金、譲渡所得(短期・長期)、事業承継・会社の売却・清算

法人名義の車・パソコン・備品の経費 ほうじんめいぎ

ひとことで言うと会社名義で買った車や備品を、値段や使い方に応じて一度に、または数年に分けて経費にすることです。

法人では、10万円未満の備品はその期に全額、20万円未満は3年で均等に経費にできます。青色申告の中小企業者などは、40万円未満(2026年4月1日以後の取得分)なら年300万円までその期に経費にできる特例があります(2026年10月時点)。それ以上は耐用年数で償却し、普通自動車は6年、軽自動車とパソコンは4年です。4年落ちの中古の普通車は耐用年数が2年になり、定率法なら期首に買うと1年で全額を経費にできます。家族の用事に使う分は経費にならず、特例で経費にした備品は償却資産税の申告の対象になる点に注意が要ります。売ったときは、経費にした分が利益として戻ってくる点も覚えておきたいところです。

関連語減価償却、中古資産の耐用年数(簡便法)、法人の交際費・接待費・福利厚生費

役員借入金・貸付金 やくいんかりいれきん

ひとことで言うと社長が会社に貸したお金が役員借入金、会社が社長に貸したお金が役員貸付金のことです。

設立直後の会社では、物件の頭金や諸費用を社長が個人で出すことが多く、それが役員借入金として残ります。反対に、会社の口座から社長個人にお金が出ると役員貸付金になり、利息を取らないと税金の計算で会社の収入や役員への給与として扱われることがあります。金融機関は、役員借入金を自己資本に近いものと見ることがある一方、役員貸付金は純資産から差し引いて見ることが多いようです。社長が亡くなると、会社への貸付金は額面で相続財産になるため、残高が大きい場合は早めに整理の方法を考えておきたいところです。金銭消費貸借の契約書など、貸し借りの記録も残しておきたいところです。

関連語貸借対照表(B/S)、資本金・資本準備金、決算・決算書、相続(不動産)

不動産投資・分析

IRR・NPV(投資の収益を測る指標) あいあーるあーる

ひとことで言うと出したお金が売るまでに年何%で増えたか(IRR)と、将来のお金を今の価値に直した差額(NPV)のことです。

IRR(内部収益率)は、買うときに出したお金、持っているあいだの手残り、売ったときの手取りを通して、投資全体が年何%で回ったかを表す割合です。NPV(正味現在価値)は、将来入るお金を決めた割引率で今の価値に直して合計し、最初に出したお金を引いた額で、プラスならその割引率以上に稼げる投資と考えます。どちらも、お金がいつ入るかまで含めて見られるのが特徴で、表計算ソフトの関数で計算できます。気をつけたいのは、売値の前提でIRRが大きく動くことです。提案書のIRRは、何年後にいくらで売る前提か、売る費用を入れているかを確かめてから比べて下さい。

関連語キャッシュフロー、CCR(自己資金配当率)、出口戦略、ROI・ROE・ROA

インフレと不動産の関係 いんふれ

ひとことで言うと物価が上がると、不動産の値段・家賃・借入れの実質的な重さ・修繕費や金利がそれぞれどう動くか、という関係のことです。

インフレが不動産の追い風とされるのは、土地や建物は物なのでお金の価値が下がると値段が上がりやすいこと、借入れの金額は物価が上がっても増えないので実質的に軽くなることの2つが主な理由です。反対に、工事や管理の費用は物価と一緒に上がり、物価が上がり続ければ金利も上がりやすくなります。家賃は契約で決まっているので、入居中の方の分はすぐには上げられず、上がるのは主に入れ替わりのときです。変動金利で借りていて家賃を上げにくい物件は、費用と金利が先に動くと考えて、家賃・費用・金利に分けて収支を見直して下さい。

関連語金利(固定金利・変動金利)、借地借家法、インカムゲイン・キャピタルゲイン、大規模修繕

エリア戦略(都心・郊外・地方) えりあせんりゃく

ひとことで言うと物件を買う地域を、都心・郊外・地方などのどこに置くかを、利回り・空室・売りやすさを比べて決める考え方のことです。

都心は利回りが低めな代わりに需要が厚く、空室が埋まりやすく売るときの買い手も多い傾向があります。郊外は利回りと需要のバランスが中くらいで、駅からの距離や通勤の便利さで差が出ます。地方は価格が安く利回りは高めですが、空室が埋まるまでに時間がかかることがあり、売るときの買い手も限られがちです。どれが良いという答えはなく、資金・融資の付き方・管理にかけられる手間で選ぶことになります。空室の見込みは地域の平均ではなく物件の近くで確かめ、遠い地域なら管理を任せられる会社と、相談できる金融機関があるかを先に調べて下さい。

関連語空室率・稼働率、収益物件・実需、管理会社・管理委託、表面利回り

LTV・自己資本比率 えるてぃーぶい

ひとことで言うと物件の価値に対する借入れの割合(LTV)と、会社の資産に占める純資産の割合(自己資本比率)のことです。

LTVは「借入れの残高÷物件の価値」で、4,000万円の物件を3,600万円借りて買えば90%です。返済が進めば下がりますが、物件の値段が下がると上がり、値下がりが返済より速いと買ったときより高くなることもあります。自己資本比率は「純資産÷総資産」で、法人の決算書で見る数字です。借入れで物件を買う会社は低くなりがちで、金融機関は債務超過になっていないかとあわせて、次の融資の判断材料にします。担保評価で計算されたLTVは、売値で計算したものより高く出ることが多い点も覚えておいて下さい。年に一度、近くの成約価格で値段を見直して計算しておくと、変化に気づきやすくなります。

関連語レバレッジ、フルローン・オーバーローン、担保評価(積算評価・収益還元評価)、投資規模の考え方(フルローン・小さく始める)

区分マンション投資 くぶんまんしょんとうし

ひとことで言うと分譲マンションの1室を買って人に貸し、家賃を得る投資の方法で、建物の管理は管理組合と管理会社さんに任せる形のことです。

区分マンション投資は、建物の管理を管理組合と管理会社さんに任せられ、一棟より少ない金額で始められる形です。同じマンションでの売買の例が多く、値段の見当もつけやすくなります。投資用はワンルーム・1Kのような単身向けと、2LDK・3LDKのようなファミリー向けに分かれ、単身向けは需要が多いかわりに入れ替わりが多め、ファミリー向けは長く住んでもらえるかわりに退去の費用が大きくなりがちです。どちらも管理費・修繕積立金が毎月かかり、1室なので空室になると家賃はゼロです。家賃が下がり積立金が上がったあとの残りでも続けられるかを、買う前に計算して下さい。

関連語区分所有(区分マンション)、管理費・修繕積立金(区分)、管理組合・総会(区分)、新築アパート・新築区分投資

不動産クラウドファンディング・小口化商品 くらうどふぁんでぃんぐ

ひとことで言うと事業者が多くの人から少しずつお金を集めて不動産を運用し、利益を出資の割合に応じて分配する商品のことです。

多くは不動産特定共同事業法の許可などを受けた事業者が運用し、事業者に運用を任せる匿名組合型と、出資者が組合で不動産を共有する任意組合型があります。匿名組合型は1万円ほどから出資でき、分配金は一般に雑所得として20.42%が源泉徴収され、総合課税で確定申告により精算するのが原則です(2026年10月時点)。任意組合型は金額が大きめで、所得は原則として不動産所得になります。元本と分配は保証されず、途中解約も制限されることがほとんどです。劣後出資の割合や物件の価格の決め方、損が出たときの税金の扱いを、契約の前の書面と税理士さんで確かめて下さい。

関連語REIT(不動産投資信託)、インカムゲイン・キャピタルゲイン、損益通算

物件の見方・現地調査のチェックリスト げんちちょうさ

ひとことで言うと物件を買う前に、現地で建物・周りの様子・道路などを自分の目で確かめることと、その確かめる項目の一覧のことです。

見る場所を、周辺(駅からの道・騒音・競合の空室)、道路と境界(道路の幅・境界標・越境)、建物の外まわり(基礎・外壁・屋根・傾き)、共用部(ごみ置き場・郵便受け)、室内に分けると漏れが少なくなります。広告の徒歩の時間は道のり80mを1分として計算するので、「徒歩10分」は720mを超えて800m以内です。実際に歩いて、信号や坂でどれくらいかかるかを確かめて下さい。郵便受けのチラシの数とレントロールの空室を照らし合わせるのも一つの方法です。雨漏りや配管など見えない部分は、建物状況調査を頼めるか相談して下さい。

関連語建物状況調査(ホームインスペクション)、接道義務、旗竿地・擁壁・越境、物件概要書(販売図面)

投資の失敗パターンと避け方 しっぱいぱたーん

ひとことで言うと不動産投資でよく起きるつまずき方の型と、それを買う前や持っているあいだに避けるための確かめ方のことです。

よくある型は、表面利回りだけで買う、家賃保証の数字をずっと続くものと思う、手元のお金を残さずに買う、相場より高い家賃の物件を買う、売るときを考えずに買う、の5つです。たとえば表面利回り12%の築30年アパートで、2年目に屋根・外壁と給湯器の交換で720万円かかれば、年間家賃の2年分、手残りが年120万円なら6年分が消えます。国民生活センターも、投資用マンションの強引な勧誘や、ローンの申込みで収入を偽るよう指示される例に注意を呼びかけています。買付の前に、収支・修繕・売るときの3つを自分で計算して下さい。

関連語表面利回り、サブリース(一括借り上げ)、フルローン・オーバーローン、大規模修繕

新築アパート・新築区分投資 しんちくあぱーと

ひとことで言うと新しく建てられたアパートや、分譲マンションの1室を買って貸し、家賃を得る投資の方法のことです。

新築は、しばらく修繕が少なく入居者さんが決まりやすく、融資の期間も長く取りやすいのが特徴です。そのかわり、価格には販売する会社の利益や広告の費用が含まれ、家賃も新築のときは周りより高く決まりやすい(新築プレミアム)ため、利回りは中古より低めです。最初の入居者さんの家賃は入れ替わりで下がっていくことが多く、売るときも販売の費用分は値段に付きません。近くの築10年ほどの似た部屋の家賃でも返済が回るか、サブリースが付く場合は家賃の見直しの条件を、買う前に確かめて下さい。持っている期間の家賃と売るときの値下がりを通して見て、利益が出るかを計算しておくことも欠かせません。

関連語サブリース(一括借り上げ)、築年数、法定耐用年数、区分マンション投資

総投資額・初期費用の内訳 そうとうしがく

ひとことで言うと物件価格に、諸費用・貸せる状態にする工事・予備のお金を足した、その物件に実際につぎこむお金の合計のことです。

総投資額は、物件の価格、買うときの諸費用(仲介手数料・登記・印紙税・融資の手数料・保険・精算金・不動産取得税など)、空室のリフォームや共用部の補修といった貸せる状態にするための工事、買ったあとの不具合や空室に備える予備のお金を合わせたものです。広告の利回りは価格だけで計算されているので、総投資額で割り直すと1〜2%ほど下がることもあります。借入れでまかなえない部分は手元から出ていくため、資金計画は総投資額で立てるのが基本です。工事の金額は買う前の見積もりで確かめ、内訳の領収書は売るときの税金の計算に備えて保管しておいて下さい。

関連語自己資金・頭金・諸費用、実質利回り、不動産取得税、仲介手数料(売買)

相場の見方(公示地価・路線価・基準地価・実勢価格) そうば

ひとことで言うと公示地価・路線価・基準地価と実際の取引価格を並べて、物件の値段がどのあたりにあるのかを見当づけることです。

公示地価は国土交通省が1月1日時点の値段を3月に、基準地価は都道府県が7月1日時点の値段を例年9月ごろに公表します。路線価は国税庁が7月に公表する道路ごとの値段で、公示地価のおよそ8割が目安です(2026年10月時点)。実際の取引価格は国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で調べられます。たとえば路線価が1㎡16万円なら、8割で割り戻して約20万円が公示地価の水準の目安です。ただ、地点と物件では駅からの距離や道路の幅が違い、公表の時点も半年以上前のことがあります。区分マンションや収益物件は土地の値段だけでは決まらないので、成約価格や利回りと合わせて見て下さい。

関連語一物四価(実勢価格・公示地価・路線価・固定資産税評価額)、査定・相場・成約事例、担保評価(積算評価・収益還元評価)、不動産市況・金利動向の見方

築古戸建て投資・ボロ戸建て ちくふるこだて

ひとことで言うと築年数がかなり古い戸建てを安く買い、必要な修繕をして貸し、家賃を得る投資の方法のことです。

築古の戸建ては、建物の値打ちがほとんど見られず、金融機関も評価を付けにくいので、現金で買える人が主な買い手になり、値段が安くなります。直して貸せば価格に対して高い利回りになりやすい反面、数字を左右するのは価格より直す費用です。雨漏り・シロアリ・給排水管・傾きなど見えない傷みで工事費はふくらみ、2025年4月からは木造2階建ての大きな改修に建築確認が必要になりました。再建築ができるか(接道)、残置物の処分、契約不適合責任を負わない条件かどうかを買う前に確かめ、工事が増えた場合の利回りも計算してから決めて下さい。

関連語戸建て(戸建て賃貸)、再建築不可、建物状況調査(ホームインスペクション)、残置物

賃貸需要の調べ方(人口・駅・大学・工場) ちんたいじゅよう

ひとことで言うとその場所で部屋を借りたい人がどれくらいいて、これから増えるのか減るのかを、数字と現地の様子から見積もることです。

借りる人の側は、国勢調査や住民基本台帳の人口と世帯、国立社会保障・人口問題研究所の将来の推計、駅の乗降客数、大学や工場などの施設で見ます。貸す部屋の側は、新築の建築と募集中の部屋の数です。たとえば募集中の1Kが180件で、1か月に決まるのが30件なら、今の空室が埋まるまで6か月分の在庫がある計算になります。全国の空き家率は13.8%(2023年住宅・土地統計調査)ですが、決め手になるのは物件の周りの数字です。一つの大学や工場に頼る需要は、移転や撤退で一気になくなることがあるので気をつけて下さい。

関連語空室率・稼働率、管理会社・管理委託、募集図面(マイソク)・内見、入居付けの戦略(広告・内見・募集条件)

出口金利・出口の想定価格 でぐちきんり

ひとことで言うと将来売るときに買う人が求める利回りの見込みと、そこから逆算した売値の見込みのことです。

収益物件の売値は「年間の家賃÷買う人が求める利回り」で考えられることが多く、この利回りの見込みを出口金利や出口利回りと呼びます。借入れの金利のことではありません。建物が古くなると家賃が下がり、次に買う人の融資の期間も短くなるので、出口の利回りは買ったときより高めに置くのが一般的です。売値は出口の利回りとそのときの家賃で決まるため、どちらも今の数字のままで置くと高く出すぎます。出口の利回りは金利や景気でも動くので、今より1〜2%高い利回りでも計算し、売る費用を引いて借入れの残りを返せるかを確かめておくと、売りどきの判断に役立ちます。

関連語キャップレート(還元利回り)、出口戦略、融資期間、ブレークイーブン・BER

出口の種類(売却・保有・相続・法人化) でぐちのしゅるい

ひとことで言うと買った物件を最後にどう手放すか、または手放さずにどう引き継ぐかの選び方で、売却・保有・相続・法人化などがあります。

売却は投資家・住みたい方・業者さんに売る形で、仲介手数料と、個人なら譲渡所得の税金がかかります。保有は持ち続けて家賃を取る形で、建物の寿命や建て替えまで考えます。相続は持ったまま引き継ぐ形で、貸家の土地と建物は時価より低く評価されやすく、時価3,000万円のアパートが約1,592万円の評価になる例もあります。法人化は自分の会社に売る形で、値段は時価が基本です。ただ、評価が低いことと引き継ぐ家族が楽になることは別で、借入れや修繕も一緒に渡ります。どの出口でも税金の扱いが変わるので、税理士さんに試算してもらって下さい。

関連語出口戦略、相続税評価(不動産)、法人化(資産管理会社)、譲渡所得(短期・長期)

投資家のタイプ(サラリーマン大家・専業大家) とうしかのたいぷ

ひとことで言うと会社勤めをしながら物件を持つ人がサラリーマン大家(兼業大家)、家賃収入を主な収入にして暮らす人が専業大家です。

違いが出やすいのは融資・時間・税金・社会保険です。会社員の安定した給与は融資の審査で評価されやすく、専業になると確定申告書や決算書の実績で見られます。給与と不動産所得は合わせて税金を計算し、専業になると国民健康保険と国民年金に切り替わります(法人から役員報酬を受ける場合は別)。たとえば家賃収入が年1,200万円あっても、経費と返済を引いた手残りが300万円なら、生活費が年360万円の家庭では税金を払う前から足りません。会社勤めのうちは就業規則の副業の項目を、専業になる前は生活費と手残りを確かめて下さい。

関連語属性、損益通算、事業的規模(5棟10室)、法人化(資産管理会社)

投資規模の考え方(フルローン・小さく始める) とうしきぼ

ひとことで言うと最初にどのくらいの物件をどれだけ借りて買うかを、資金・経験・受け入れられる揺れの大きさから決める考え方のことです。

大きく始める考え方は、フルローンに近い借り方で一棟などを買い、家賃の総額を早く大きくしようとするもので、うまく回れば手残りが早く増えますが、金利・空室・修繕の変化が大きな金額で効いてきます。小さく始める考え方は、現金や少ない借入れで戸建てや区分を買い、管理や修繕を経験してから広げるもので、増え方はゆっくりでも、つまずいたときの損は小さく済みます。どちらが良いかは資金・収入・時間で変わります。最初の借り方は次の融資にも響くので、目指す規模を先に決め、金利と空室が同時に悪くなった場合の手残りを計算してから決めて下さい。

関連語フルローン・オーバーローン、レバレッジ、属性、LTV・自己資本比率

入居付けの戦略(広告・内見・募集条件) にゅうきょつけ

ひとことで言うと空いた部屋に入居者さんを決めるために、広告の出し方、内見での見せ方、家賃などの条件を組み合わせて考えることです。

手は、広告(写真・紹介文・募集図面・広告料)、内見(清掃・照明・におい・案内のしやすさ)、募集条件(家賃・敷金礼金・フリーレント・ペットの可否など)の3つです。どれから直すかは、閲覧・問い合わせ・内見・申込のどこで止まっているかで決めます。閲覧が少なければ検索の条件、内見があっても申込がなければ部屋そのものや案内に理由があることが多いです。たとえば家賃5.2万円の部屋は「5万円以下」で探す人の一覧に出ません。条件は一度に全部変えず、順に試して反響の数を見て下さい。早く埋めたいあまりに入居審査をゆるめると、あとで負担が大きくなることがあります。

関連語広告料(AD)、客付け・元付け、募集図面(マイソク)・内見、フリーレント

物件情報の入り方(業者・ポータル・レインズ) ぶっけんじょうほう

ひとことで言うと売り物件の情報が、売主から不動産会社、レインズ、ポータルサイトを通って買い手に届くまでの道筋のことです。

売主が不動産会社に売却を頼むと、専任媒介・専属専任媒介ではその会社がレインズに登録し、ほかの会社が自分のお客さんに紹介します。売主の了解のもとでポータルサイトにも広告が出ます。早く静かに売りたい場合などは、その前に付き合いのある投資家や業者さんにだけ声がかかることもあり、これが「未公開物件」と呼ばれるものの多くです。ただ、公開前でも相場より高い物件はあるので、成約事例と利回りで値段を確かめて下さい。広告の取引態様(売主・代理・媒介)で、仲介手数料がかかるかどうかもわかります。すでに売れた物件を載せ続ける「おとり広告」は、業界の広告のルールで禁止されています。

関連語レインズ、仲介(媒介)・取引態様、囲い込み、買付証明書

不動産市況・金利動向の見方 ふどうさんしきょう

ひとことで言うと不動産の売り買いの勢いや価格の流れと、借入れの金利の行方を、公表される数字から読み取ることです。

見ておきたいのは、日本銀行の政策金利(年8回の金融政策決定会合で決まる)、長期金利(10年物国債の利回り)、国土交通省が毎月公表する不動産価格指数、地価公示・基準地価、各地域のレインズの市況データなどです(2026年10月時点)。たとえば変動金利で5,000万円借りていれば、金利が0.25%上がると利息は年12.5万円増えます。投資家が求める利回りが6.0%から6.5%に上がると、年300万円の収入の物件の値段の目安は5,000万円から約4,615万円に下がります。ニュースの数字は平均なので、自分の地域の成約価格や家賃の動きと合わせて見て下さい。

関連語金利(固定金利・変動金利)、キャップレート(還元利回り)、借り換え、相場の見方(公示地価・路線価・基準地価・実勢価格)

ブレークイーブン・BER ぶれーくいーぶん

ひとことで言うと収入と支出がちょうど釣り合う境目のことで、BERはその境目を入居率で表したものです。

BER(損益分岐入居率)は「(運営費+年間の返済額)÷満室の年間家賃」で、何%の部屋が埋まっていれば持ち出しにならないかを表します。同じ考え方で、家賃がいくらまで下がってよいか、金利が何%まで上がっても返済をまかなえるか、いくらで売れれば借入れを返しきれるか、という境目も出せます。境目までの距離が物件の余裕で、入居率に余裕があっても売値の境目が近い物件もあります。実際には空室・家賃の下落・修繕が重なりやすいので、2つ以上を同時に動かした数字も出しておくと、持ち方や売りどきを考えやすくなります。まずは4つの境目のうち、いちばん近いものを知ることから始めて下さい。

関連語損益分岐点(入居率)、DSCR(返済余裕率)、金利(固定金利・変動金利)、出口金利・出口の想定価格

不動産投資の勉強法・本・セミナー・コミュニティ べんきょうほう

ひとことで言うと不動産投資の知識を、本・セミナー・大家さんどうしの集まり・公的な情報・実際の物件などから身につける方法と、その選び方のことです。

本は体系立てて安く学べますが、書いた人がいつ、どの地域で、どんな融資の環境で買ったかを見る必要があります。無料のセミナーは物件の販売につながっていることが多く、コミュニティやSNSはうまくいった話に偏りがちです。本10冊は2万円ほどですが、3,000万円の物件を1割高く買えば300万円の損になります。学ぶ費用をかける意味はこの差にありますが、高い講座ほど安全とは限りません。宅建業者が売主で、事務所以外の場所で申し込んだ場合はクーリング・オフができることがあります(2026年10月時点)。情報は書かれた時期を確かめ、何人かの話を並べて自分の条件に近いものを探して下さい。

関連語クーリングオフ(宅建業法)、宅地建物取引士(宅建士)、属性、投資の失敗パターンと避け方

ポートフォリオ・分散投資 ぽーとふぉりお

ひとことで言うと持っている物件や資産の組み合わせのことで、組み合わせを散らして一つのつまずきで全体が崩れないようにする考え方を分散投資と言います。

分ける軸は、地域、物件の種類、入居者さんの層、借入れ(金融機関・変動か固定か・返し終わる時期)、不動産以外の資産などです。たとえば同じ駅に4戸持っていると、大学の移転などで家賃が下がったとき4戸とも影響を受けますが、2つの町に分けていれば影響は半分で済みます。ただ、地域を分けても全部が同じ年代の木造なら修繕の時期が重なり、借入れが全部変動金利なら金利が上がったときに一緒に返済が増えます。分けすぎると管理の手間や相場の見誤りも増えるので、目が届く範囲で分けるのが現実的です。物件が増えたら、築年・構造・金利の種類を1枚の表に並べてみて下さい。

関連語共同担保、金利(固定金利・変動金利)、大規模修繕、リスクの種類(空室・金利・災害・流動性)

リスクの種類(空室・金利・災害・流動性) りすく

ひとことで言うと空室・金利・災害・流動性など、物件を持つと避けられない心配ごとを、種類ごとに分けて考えることです。

空室リスクは家賃が止まること、金利リスクは変動金利の返済が増えること、災害リスクは修理の費用と部屋が使えない期間が同時に来ること、流動性リスクは売りたいときにすぐ思った値段で売れないことです。たとえば満室で年142万円残るアパートでも、空室・金利の上昇・災害が同じ年に重なると、手残りが半分以下になることがあります。地震保険で出るのは火災保険の金額の30〜50%まで(建物は5,000万円が上限。2026年10月時点)なので、保険だけで元どおりにはなりません。それぞれ「起きたらいくら減るか」と「手元のお金で何か月持ちこたえられるか」で見ておくと、備え方が決めやすくなります。

関連語空室率・稼働率、金利(固定金利・変動金利)、火災保険・施設賠償責任保険、ポートフォリオ・分散投資

ROI・ROE・ROA ろい

ひとことで言うと利益を、投資額(ROI)・自己資本(ROE)・総資産(ROA)のどれで割るかの違いで分かれる、成績の割合のことです。

ROI(投資利益率)は出したお金に対する利益の割合で、不動産では「年間の利益÷総投資額」として使われることが多いものの、利益や分母の取り方は資料によって違います。ROE(自己資本利益率)は税引後の利益を純資産で、ROA(総資産利益率)は総資産で割った割合で、主に法人の決算書から出します。借入れが多いほど純資産が小さくなるのでROEは高く出ますが、赤字の年には同じ力でマイナスに振れます。資料のROIを比べるときは、分母と分子の決め方がそろっているかを確かめて下さい。帳簿の利益は減価償却費を引いたあとの数字なので、手元のお金の動きとあわせて見ることも欠かせません。

関連語CCR(自己資金配当率)、レバレッジ、決算・決算書、IRR・NPV(投資の収益を測る指標)

保険・相続・贈与・暮らし

空き家の3,000万円特別控除 あきやのとくべつこうじょ

ひとことで言うと親などが一人で住んでいた古い家を相続して期限内に売ったとき、利益から最高3,000万円を差し引ける特例のことです。

1981年5月31日以前に建てられた家(区分所有のマンションは除く)で、亡くなる直前に亡くなった人が一人で住んでいたことなどが要件です。相続から売るまで貸したり住んだりしていないこと、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに1億円以下で売ること、耐震リフォームか取り壊しをすることも求められます(売った翌年2月15日までに買主が行う形も可)。相続人が3人以上なら1人2,000万円、対象は2027年12月31日までの売却です(2026年10月時点)。相続後にとりあえず貸すと使えなくなる点は、大家の方こそ気をつけたいところです。

関連語空き家(特定空家・管理不全空家)、譲渡所得(短期・長期)、取得費・譲渡費用、相続(不動産)

生前対策・家族信託 かぞくしんたく

ひとことで言うと元気なうちに、不動産の管理や売却の権限を家族に託し、利益は本人が受け取る仕組みのことです。

親(委託者)が子など(受託者)と契約し、不動産の管理や売却を任せます。家賃などの利益は受益者(多くは親)のものなので、所得税も受益者にかかります。親の判断する力が落ちても、受託者は契約の範囲で賃貸の契約・修繕・売却ができ、家庭裁判所の監督も受けません。亡くなったあとにだれに渡すかも契約で決めておけます。一方で、信託した不動産の不動産所得の赤字は、ほかの所得と通算できず繰越しもできません。借入のある物件は金融機関の承諾が要ることが多く、受託者以外の家族への説明も欠かせません。公正証書で作ることが多く、信託の登記もします(2026年10月時点)。

関連語成年後見・認知症と不動産、相続(不動産)、遺言・遺産分割協議・遺留分、法人化(資産管理会社)

共有持分・共有物分割 きょうゆうもちぶん

ひとことで言うと1つの不動産を複数人で持つときの各自の割合と、その共有をやめるための分け方の手続きのことです。

共有の不動産は、修理などの保存は一人で、賃貸の契約などの管理は持分の過半数で、売却や建て替えなどの変更は全員の同意で決めます(2023年4月の民法改正後、2026年10月時点)。自分の持分だけなら一人で売れますが、買い手が限られ、値段は低くなりがちです。共有をやめるには、土地を分ける、一人が引き取ってお金を払う、売って分ける、の3つの方法があり、まとまらなければ裁判所に分割を求められます。共有の貸家の家賃と経費は持分に応じて各自のもので、確定申告もそれぞれ行います。共有者が亡くなるたびに人数が増えていくので、やめる話は全員が元気なうちに進めて下さい。

関連語配偶者居住権・共有名義のリスク、相続(不動産)、相続の流れ(相続放棄・限定承認・名義変更)、買取(業者買取)

固定資産税の減免・軽減措置 げんめん

ひとことで言うと新築や改修をした住宅の税額を下げる軽減措置と、災害などのときに市区町村が条例で行う減免のことです。

新築住宅は、居住部分120㎡分まで建物の固定資産税が2分の1になります。一般の住宅は3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火は5年度分で、長期優良住宅はそれぞれ5年度分・7年度分です(2026年10月時点)。賃貸アパートにも1戸ごとに使え、2026年4月以後の新築は1戸40㎡以上240㎡以下が要件になりました。耐震・省エネ・バリアフリーの改修でも、申告すれば翌年度の税額が下がる制度があります。災害などのときの減免は市区町村の条例で決まり、自分から申請が要ります。新築の物件では、減額が切れる4年度目に建物の税額がほぼ倍に戻る点を、収支に入れておいて下さい。

関連語固定資産税・都市計画税、固定資産税評価額、固定資産税の課税明細・評価替え、空き家(特定空家・管理不全空家)

子どもへの不動産の引き継ぎ・教育 こどもへ

ひとことで言うと不動産を相続・贈与・法人などの形で子どもに渡すことと、受け取った子どもが判断できるように準備することです。

渡し方には、遺言で決めておく相続、生きているうちの贈与、法人で持って株式を引き継ぐ形、家族信託で管理を先に任せる形などがあり、税金と手間が変わります。ただ、どの形でも受け取ったあとの判断は子どもがします。家賃だけでなく、返済の義務、修繕の判断、空室への対応も一緒に引き継ぐことを、収支の表で伝えておくのが準備の第一歩です。未成年の子に持たせる場合は親権者が代わりに契約し、親子で利益がぶつかる取引では特別代理人が要ります(2026年10月時点)。子どもを連帯保証人にしていると、相続を放棄しても保証の責任は残ります。

関連語贈与税・暦年贈与・相続時精算課税、生前対策・家族信託、法人化(資産管理会社)、大家・賃貸経営

地震保険・水災補償 じしんほけん

ひとことで言うと地震・噴火・津波の損害に備える地震保険と、洪水・土砂崩れに備える火災保険の水災補償のことです。

地震が原因の火事や倒壊は火災保険では出ず、火災保険に付けて入る地震保険の範囲です。保険金額は火災保険の30〜50%で、上限は建物5,000万円・家財1,000万円。支払いは損害の程度で決まり、全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%です(2026年10月時点)。修理代がそのまま出る保険ではないので、借入の返済や応急の修理の資金をつなぐものと考えると実際に近くなります。水災補償は火災保険の中で付け外しでき、2024年10月から保険料が地域のリスクで5段階に分かれました。外す前に、ハザードマップで浸水の深さを確かめて下さい。区分マンションでは、共用部分の保険に地震保険が付いているかも管理組合の書類で確かめておきたい点です。

関連語火災保険・施設賠償責任保険、賃貸経営の保険の全体像(火災・施設賠償・家賃収入・地震)、ハザードマップ(浸水・土砂災害)、運営費(ランニングコスト)

住宅ローン控除・すまい給付金などの制度 じゅうたくろーんこうじょ

ひとことで言うと自分が住む家をローンで買ったとき、年末残高の0.7%を所得税などから差し引ける制度のことです。

住宅ローン控除は、2026年度の改正で2030年までの入居分に延長されました。年末のローン残高の0.7%を、新築は最長13年、中古は原則10年(省エネ性能の高い中古は13年)、所得税から差し引き、引ききれない分は住民税からも引けます(2026年10月時点)。控除の対象になる残高の上限は住宅の性能で変わり、性能の証明がない中古は2,000万円です。合計所得2,000万円以下、床面積は原則50㎡以上(所得1,000万円以下なら40㎡以上)などが要件で、面積は登記簿で判定します。すまい給付金はすでに終わっています。どの制度も自分が住む家が対象で、投資用の物件には使えません。

関連語住宅ローンの借り方(年収・頭金・変動か固定か)、住宅ローン控除・住み替え・実需、固定資産税の減免・軽減措置、贈与税・暦年贈与・相続時精算課税

住宅ローンの借り方(年収・頭金・変動か固定か) じゅうたくろーんのかりかた

ひとことで言うと自分が住む家を買うための借入で、借りられる額は年収と返済負担率、毎月の返済は借入額・金利・期間で決まります。

返済負担率は、年収に占める1年間の返済額の割合です。フラット35では年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下が基準で、ほかの借入の返済も含めます(2026年10月時点)。年収600万円・金利2.0%・35年なら、負担率35%で約5,280万円、25%に抑えると約3,770万円と、同じ年収でも借りる額に大きな差が出ます。頭金は物件価格の1割ほどに諸費用を足した額が一つの目安ですが、手元のお金を残すことも考えたいところです。変動か固定かに加えて、完済のときの年齢、夫婦の一方の収入が減ったときにも返せるかを確かめて下さい。

関連語金利(固定金利・変動金利)、元利均等返済・元金均等返済、団体信用生命保険(団信)、住宅ローン控除・すまい給付金などの制度

小規模宅地等の特例 しょうきぼたくちとう

ひとことで言うと自宅や事業、賃貸に使っていた土地について、一定の面積まで相続税の評価を下げられる特例のことです。

自宅の土地(特定居住用)は330㎡まで80%、事業用は400㎡まで80%、貸していた土地(貸付事業用)は200㎡まで50%、相続税の評価を下げられます(2026年10月時点)。自宅は配偶者か同居の親族などが引き継ぐこと、貸付用は申告期限まで貸付を続け土地を持ち続けることが要件です。使うには相続税の申告が要り、原則として申告期限までに遺産分割がまとまっている必要があります。亡くなる前3年以内に新しく貸し始めた土地は原則として対象外で、構築物のない青空駐車場も対象になりません。相続時精算課税で贈与を受けた土地にも使えません。

関連語相続税評価(不動産)、相続(不動産)、贈与税・暦年贈与・相続時精算課税、事業的規模(5棟10室)

成年後見・認知症と不動産 せいねんこうけん

ひとことで言うと判断する力が十分でない人の財産を、家庭裁判所が選んだ後見人などが代わりに管理し、契約をする仕組みのことです。

判断する力が落ちたあとに申し立てる法定後見と、元気なうちに契約しておく任意後見があります。後見人は本人の財産を守る立場なので、家族のための使い方は認められにくく、本人の住まいを売ったり貸したりするには家庭裁判所の許可が要ります。一度始まると原則として本人が亡くなるまで続きます。2026年6月に見直しの法改正が成立し、類型を「補助」に一本化して必要がなくなれば終えられる形になる予定で、施行は2028年ごろの見込みです(2026年10月時点)。親の代わりに子が署名することはできないので、任意後見や家族信託など、元気なうちに選べる方法を早めに考えて下さい。

関連語生前対策・家族信託、相続(不動産)、相続の流れ(相続放棄・限定承認・名義変更)、管理会社・管理委託

生命保険と団信の関係 せいめいほけん

ひとことで言うと団信は借入を保険で返す仕組み、生命保険は家族に現金を残す仕組みで、同じ死亡保障でも役割が違います。

団信の保険金は金融機関に支払われて借入の返済に充てられ、家族の手元に現金は入りません。生命保険の死亡保険金は受取人に現金で入り、相続人が受け取る分は「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税です(2026年10月時点)。不動産は分けにくく現金化にも時間がかかるので、相続税の納税や、不動産を引き継がない相続人に渡すお金を生命保険で用意する考え方があります。見直すときは、団信の付いている借入と付いていない借入を分け、付いていない分と相続で要る現金を生命保険で考えると、重なりに気づきやすくなります。受取人の欄と、だれが保険料を払っているか(税金の種類が変わります)も確かめて下さい。

関連語団体信用生命保険(団信)、相続(不動産)、老後資金と不動産収入、贈与税・暦年贈与・相続時精算課税

相続の流れ(相続放棄・限定承認・名義変更) そうぞくのながれ

ひとことで言うと亡くなった人の財産と借金を引き継ぐことで、相続放棄・限定承認も選べ、期限のある手続きと名義変更が続きます。

相続を知った時から3か月以内に、すべて引き継ぐか、相続放棄(何も引き継がない)か、限定承認(プラスの財産の範囲で借金を払う)かを決めます。放棄は一人で、限定承認は相続人全員で家庭裁判所に申し立てます。その後、4か月以内の準確定申告、10か月以内の相続税の申告、3年以内の相続登記と続きます(2026年10月時点)。借入のあるアパートでは、財産と借入の差がマイナスかどうかが判断の出発点です。財産を使ったり売ったりすると放棄できなくなることがあり、放棄しても実際に使っていた物件には保存の義務が残ります。

関連語相続(不動産)、相続登記・名義変更の義務化、遺言・遺産分割協議・遺留分、相続税評価(不動産)

贈与税・暦年贈与・相続時精算課税 ぞうよぜい

ひとことで言うとただで財産をもらったときにかかる税金で、年110万円まで非課税の暦年課税と、2,500万円まで非課税の相続時精算課税があります。

暦年課税は1年間にもらった額から110万円を引いて税率をかけます。18歳以上の子や孫が親・祖父母からもらう場合は低めの特例税率です。亡くなる前の贈与を相続財産に足し戻す期間は、2024年以後の贈与から段階的に7年へ延びています(2026年10月時点)。相続時精算課税は60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選べ、年110万円の基礎控除のほか累計2,500万円まで非課税、超えると20%です。相続のときに足し戻して精算し、一度選ぶと暦年課税に戻れません。不動産の贈与は、登録免許税2%と不動産取得税もかかり、相続より費用が高くなることがあります。

関連語相続(不動産)、相続税評価(不動産)、小規模宅地等の特例、住宅ローン控除・すまい給付金などの制度

賃貸か購入か・住み替えの考え方 ちんたいかこうにゅう

ひとことで言うと住まいを賃貸にするか購入するかを、住む期間の総額、最後に残る価値、身軽さで比べて決める考え方です。

買う場合は、ローンの返済のほかに諸費用、固定資産税、管理費・修繕積立金、修繕、保険料がかかり、そのかわり売ればお金に戻る建物と土地が残ります。借りる場合は家賃と更新料がかかり何も残りませんが、収入や家族の形の変化に合わせて住まいを変えやすくなります。比べるときは毎月の支払いではなく、住み続ける期間の総額から最後に残る価値を引いた額で比べます。この差を大きく左右するのは、将来の売値という読めない数字です。住み替えでは、ローンの残高が売れる値段を上回ると差額の現金が要る点、老後の賃貸は審査で借りにくくなることがある点も考えておきたいところです。

関連語住宅ローンの借り方(年収・頭金・変動か固定か)、住宅ローン控除・住み替え・実需、収益物件・実需、住宅ローン控除・すまい給付金などの制度

配偶者居住権・共有名義のリスク はいぐうしゃきょじゅうけん

ひとことで言うと配偶者が亡くなった人の家に住み続けられる権利と、1つの不動産を複数人で持つ共有名義のことです。

配偶者居住権は2020年4月に始まった制度で、遺産分割や遺言で、家の「住む権利」を配偶者に、「持ち主としての権利」を子に、と分けられます。住む権利の評価は家の価値より低いので、配偶者は預金なども多めに受け取れます。登記が必要で、権利を売ったり譲ったりはできません。共有名義は、夫婦で収入を合わせてローンを組むときなどに使われ、売るときは全員の同意が要ります。持分は出したお金の割合に合わせないと、差が贈与と見られるおそれがあります。居住権の付いた家は売りにくく、権利を消すときに贈与税がかかる場合もあるので、使う前に税理士さんや弁護士さんに相談して下さい(2026年10月時点)。

関連語共有持分・共有物分割、相続(不動産)、遺言・遺産分割協議・遺留分、不動産と婚姻・離婚(財産分与)

副業・会社員の不動産投資と就業規則 ふくぎょう

ひとことで言うと会社員が不動産を貸して得る収入が、勤め先の就業規則の副業・兼業に当たるか、届出や許可が要るかという問題です。

厚生労働省のモデル就業規則は2018年に副業・兼業を原則認める形に改定されましたが、実際の規則は会社ごとに違います。数室を貸す程度なら資産の運用として扱う会社も多いようですが、判断は会社の規則しだいです。国家公務員は、戸建て5棟以上、アパートなど10室以上、家賃収入年500万円以上などで承認が必要とされています(2026年10月時点)。住民税は給与から天引きされるため、不動産所得が増えると会社に届く通知の額も変わります。確定申告で普通徴収を選べますが、赤字の年は給与の住民税に表れるので、会社に分からないとは言い切れません。

関連語不動産所得、確定申告・税理士、属性、法人化(資産管理会社)

賃貸経営の保険の全体像(火災・施設賠償・家賃収入・地震) ほけんのぜんたい

ひとことで言うと大家がかける火災・地震・施設賠償・家賃収入の補償などの保険と、入居者さんがかける保険の組み合わせのことです。

賃貸物件の保険は、建物を直すお金(火災保険・地震保険)、人に払う賠償(施設賠償責任保険)、入らなくなった家賃(家賃収入の補償の特約など)の3つにどう備えるかの組み合わせです。孤独死のあとの原状回復などに備える家主向けの費用保険もあります。入居者さんの側は、家財の保険に借家人賠償責任保険と個人賠償責任保険を付けるのが一般的です。部屋から火が出たとき、隣の部屋への賠償は重い過失がなければ求められないのが原則なので、入居者さんの保険が切れていないかは、大家にとっても関係のある話です。物件を法人に移したときなどは、保険の名義と建物の内容も直して下さい。

関連語火災保険・施設賠償責任保険、地震保険・水災補償、孤独死・事故物件・告知義務、運営費(ランニングコスト)

遺言・遺産分割協議・遺留分 ゆいごん

ひとことで言うと遺言は分け方を決めておく書面、遺産分割協議は相続人全員の話し合い、遺留分は一定の相続人の最低限の取り分のことです。

遺言には自分で書く自筆証書遺言と公証役場で作る公正証書遺言があり、自筆証書遺言は法務局に預けると検認が要らなくなります(2026年10月時点)。遺言がなければ相続人全員で遺産分割協議をし、一人でも欠けると無効です。遺留分は配偶者・子・親にあり、兄弟姉妹にはありません。全体の割合は原則2分の1(親だけが相続人なら3分の1)で、遺留分を侵害された人はお金で払うよう求められます。不動産を一人に遺す遺言では、ほかの相続人に払う現金が足りず、物件を売ることになる場合もあります。遺言で不動産を書くときは、登記簿どおりの所在・地番・家屋番号で書いて下さい。

関連語相続(不動産)、相続の流れ(相続放棄・限定承認・名義変更)、配偶者居住権・共有名義のリスク、共有持分・共有物分割

不動産と婚姻・離婚(財産分与) りこん

ひとことで言うと離婚のときに、結婚している間に夫婦で築いた財産を分けることで、不動産も対象になります。

名義がどちらでも、結婚している間に築いた財産が対象で、結婚前の財産や相続した財産は原則として対象外です。分ける割合は原則2分の1。請求の期限は、2026年4月1日以後の離婚なら5年、それより前の離婚なら2年です(2026年10月時点)。不動産は、売ってお金を分けるか、一方が引き取って相手にお金を払うのが中心です。受け取る側には原則として贈与税がかかりませんが、渡す側は時価で売ったものとして譲渡所得の税金がかかることがあります。家を渡してもローンの名義は自動では変わらず、債務者の変更には金融機関の同意が要ります。

関連語共有持分・共有物分割、配偶者居住権・共有名義のリスク、譲渡所得(短期・長期)、住宅ローンの借り方(年収・頭金・変動か固定か)

老後資金と不動産収入 ろうごしきん

ひとことで言うと年金だけでは足りない生活費を家賃収入で補う考え方で、年金・税金・社会保険料との関係を知っておくことが前提になります。

家賃収入は、働きながら受け取る厚生年金が減る在職老齢年金の計算には入りません(判定は給与・賞与と年金。2026年度の基準額は月65万円、2026年10月時点)。一方で、国民健康保険料や介護保険料などは所得で決まるので、不動産所得が増えると上がります。家賃は物件が古くなるほど下がりやすく、修繕は増えるので、年金のように一生同じ額が続くお金ではありません。完済済みの戸建て2戸で家賃月12万円なら、経費を引いて月7万円台が残る計算でも、そこから税金と保険料の増える分が引かれます。築年数と自分の年齢を並べ、いつまで持つかを元気なうちに決めておいて下さい。

関連語キャッシュフロー、不動産所得、出口戦略、成年後見・認知症と不動産

この用語集は、一般的な内容を分かりやすくまとめたもので、法律・税務の助言ではありません。制度は改正されることがあります。実際の取引やお手続きの前には、弁護士・税理士・司法書士・宅建業者など、専門家にご確認下さい。

大家のプーさん

この用語集は、2026年10月時点の一般的な内容をまとめたものです。法律や税金のことは、個別のご事情で答えが変わりますので、最後は専門家にご相談下さい。