親が子に家を貸す、親族に土地を使ってもらうなど、お金を受け取らずに不動産や物を貸すときの契約書です。身内どうしだと、書面を作らずに始めてしまうことが多いと思います。
ただ、相続や家族の事情が変わったときに、「どういう約束で住んでいたのか」を説明できるものが何も残っていないことがあります。このひな形は、そうした場面を想定して、費用の負担と、終わるとき・返すときの決まりを中心にまとめました。
このひな形に入っているもの
- 第1条(目的:無償で貸すこと)、第2条(使用の目的)、第3条(期間)、第4条(無償であること)
- 第5条(費用の負担:日常の修繕費・管理費・水道光熱費は借主、固定資産税と都市計画税はどちらが負担するかを□で選ぶ、大規模な修繕は協議)
- 第6条(禁止事項:第三者に使わせること、増築・改築・模様替え、目的外の使用)
- 第7条(解除)、第8条(契約の終了:期間の満了、借主の死亡、解除)
- 第9条(返還:付けた物を取り除いて返すこと、立退料などを求めないこと、改良のための費用は協議)、第10条(協議)
- 甲(貸主)・乙(借主)の署名押印欄と、物件の表示(所在・家屋番号・種類と構造・床面積・その他)
使い方
- 末尾の「物件の表示」は、登記簿(登記事項証明書)のとおりに書きます。土地を貸す場合は、所在・地番・地目・地積を書いて下さい。
- 期間を決めない場合は、第3条を「本契約の期間は定めない。」とし、使う目的(第2条)をはっきり書いておきます。期間も目的も決めない場合は、貸主はいつでも契約を終わらせることができます。
- 使用貸借は、借主が亡くなると終わります(第8条)。借主のご家族に引き続き住んでもらう場合は、あらためて契約を結んで下さい。
注意して頂きたいこと
借主に固定資産税ぐらいを負担してもらうのは使用貸借のままですが、それを超えるお金を受け取ると賃貸借と見られることがあります。そうなると借地借家法が適用されて、契約を終わらせにくくなります。「少しでも家賃をもらっておこう」と考える前に、この点を確かめて下さい。
使用貸借には借地借家法は適用されません(民法593条以下)。一方で、親子の間の土地の貸し借りや、会社と役員の間の無償の貸し借りなどは、贈与税・相続税・法人税の扱いにかかわります。書面を作る前に、税理士さんに一度確認して下さい。
※ 法律・税金に関する内容は、2026年10月時点の一般的なものです。個別の事情によって扱いが変わりますので、実際の判断は弁護士・税理士・司法書士など専門家に相談して下さい。
あわせて使いたい書類
有償で貸す場合の取り決めや、親族間でのお金・財産のやりとりに使う書類も、契約書・合意書の書式にそろえています。
- 不動産の賃貸借に関する覚書(特約の追加)
- 贈与契約書
- 合意書(一般)

私は、身内どうしの貸し借りほど、書面にしておく意味があると考えています。貸した本人どうしは分かっていても、次の代の家族にはその約束が伝わらないことがあるからです。
ダウンロード
Wordファイル(.docx)です。契約書の本文と署名欄、物件の表示、説明用のページの順に入っています。
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